Sun Java System Application Server 9.1 配備計画ガイド

1 分あたりの要求数

任意の時点での並行ユーザーの数、その要求の応答時間、およびユーザーの平均思考時間がわかっている場合は、1 分あたりの要求数を計算できます。一般には、システム上に存在する並行ユーザーの数の見積もりから始めます。

たとえば、管理者が Web サイトのパフォーマンスソフトウェアを実行したあと、オンラインバンキング Web サイトで要求を送信している並行ユーザーの平均数は 3,000 であるとの結論を出したとします。この数字は、オンライン銀行のメンバーになるためにサインアップしたユーザーの数、それらのユーザーのバンキングトランザクションの行い方、それらのユーザーが要求を送信するために選んだ日または週の時間帯などに依存します。

したがって、これらの情報がわかれば、この節で説明した 1 分あたりの要求数の数式を使用して、このユーザーベースに対してシステムが処理できる 1 分あたりの要求数を計算できます。ピーク負荷時には 1 分あたりの要求数と応答時間が反比例関係になるため、より優れた応答時間を得るためのトレードオフとして 1 分あたりの要求数を減らすことが許容可能かどうか、あるいは、1 分あたりの要求数を増やすためのトレードオフとして応答時間を遅くすることが許容可能かどうかを判断してください。

システム性能を微調整するための開始点として許容可能な 1 分あたりの要求数と応答時間のしきい値で試してください。そのあと、システムのどの領域に調整が必要かを判断してください。

前の節の式で r を求めると、次のようになります。

r = n/(Tresponse + Tthink)


例 2–2 1 秒あたりの要求数の計算

次の値の場合、

1 秒あたりの要求の数の計算は次のようになります。

r = 2800 / (1+3) = 700

したがって、1 秒あたりの要求の数は 700、1 分あたりの要求の数は 42000 です。