Solaris 10 インストールガイド (Solaris Live Upgrade とアップグレードの計画)

ブート環境への Solaris フラッシュアーカイブのインストール

この節では、Solaris Live Upgrade を使用して Solaris フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。Solaris フラッシュアーカイブをインストールすると、新しいブート環境上に存在する共有ファイル以外のすべてのファイルが上書きされます。アーカイブは、次のメディアに格納されています。

Solaris フラッシュアーカイブをインストールおよび作成する場合は、次の点に注意してください。

説明 

例 


注意 – 注意 –

Solaris OS を Solaris フラッシュアーカイブとともにインストールする場合は、アーカイブおよびインストール用メディアに同一の OS バージョンが含まれている必要があります。OS バージョンが一致しないと、ターゲットシステムへのインストールは失敗します。次のキーワードまたはコマンドを使用する場合は、同一のオペレーティングシステムが必要です。

  • プロファイルの archive_location キーワード

  • -s- a-j、および -J オプションを指定した luupgrade コマンド


たとえば、アーカイブが Solaris 10 3/05 オペレーティングシステムで、DVD メディアを使用している場合は、Solaris 10 3/05 DVD メディアを使用してアーカイブをインストールする必要があります。 


注意 – 注意 –

Solaris フラッシュアーカイブは、非大域ゾーンがインストールされている場合は適切に作成できません。Solaris フラッシュ機能は、Solaris ゾーン機能とは互換性がありません。非大域ゾーンに Solaris フラッシュアーカイブを作成するか、非大域ゾーンがインストールされている大域ゾーンにアーカイブを作成すると、作成されるアーカイブは、アーカイブが配置されるときに適切にインストールされません。


 

説明 

参照先 

アーカイブ記憶域と関連付けられたパスの正しい構文の例。 

『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』「archive_location プロファイルキーワード」を参照してください。

Solaris フラッシュのインストール機能を使用するには、マスターシステムをインストールし、Solaris フラッシュアーカイブを作成します。 

アーカイブの作成についての詳細は、『Solaris 10 インストールガイド (Solaris フラッシュアーカイブの作成とインストール)』の第 3 章「Solaris フラッシュアーカイブの作成 (作業)」を参照してください。

Procedureブート環境への Solaris フラッシュアーカイブのインストール (キャラクタユーザーインタフェース)

手順
  1. Solaris Live Upgrade のメインメニューから「Flash」を選択します。

    「Flash an Inactive Boot Environment」メニューが表示されます。

  2. Solaris フラッシュアーカイブをインストールするブート環境の名前と、インストールメディアの場所を入力します。


    Name of Boot Environment: Solaris_10
    Package media: /net/install-svr/export/Solaris_10/latest
    
  3. アーカイブを追加するために F1 を押します。

    「Archive Selection」サブメニューが表示されます。


    Location            - Retrieval Method
    <No Archives added> - Select ADD to add archives

    このメニューでは、アーカイブのリストを作成できます。アーカイブの追加または削除を行うには、次の手順を実行します。

    1. アーカイブをリストに追加する場合は F1 を押します。

      「Select Retrieval Method」サブメニューが表示されます。


      HTTP
      NFS
      Local File
      Local Tape
      Local Device
    2. 「Select Retrieval Method」メニューで、Solaris フラッシュアーカイブの場所を選択します。

      選択された媒体 

      プロンプト 

      HTTP 

      Solaris フラッシュアーカイブのアクセスに必要となる URL 情報とプロキシ情報を指定します。 

      NFS 

      Solaris フラッシュアーカイブが置かれているネットワークファイルシステムのパスを指定します。アーカイブのファイル名も指定できます。 

      ローカルファイル 

      Solaris フラッシュアーカイブが置かれているローカルファイルシステムのパスを指定します。 

      ローカルテープ 

      Solaris フラッシュアーカイブが置かれているローカルテープデバイスとテープ上の位置を指定します。 

      ローカルデバイス 

      Solaris フラッシュアーカイブが置かれているローカルデバイス、パス、ファイルシステムの種類を指定します。 

      次のような「Retrieval」サブメニューが表示されます。表示は選択されたメディアによって異なります。


      NFS Location: 
    3. 次の例のように、アーカイブのパスを入力します。


      NFS Location: host:/path/to archive.flar
      
    4. F3 を押してリストにアーカイブを追加します。

    5. (省略可能) アーカイブをリストから削除する場合は F2 を押します。

    6. インストールするアーカイブがリストに含まれた時点で F6 を押して終了します。

  4. F3 を押して 1 つまたは複数のアーカイブをインストールします。

    Solaris フラッシュアーカイブがブート環境にインストールされます。ブート環境上のファイルは、共有可能ファイルを除きすべて上書きされます。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。「ブート環境のアクティブ化 (キャラクタユーザーインタフェース)」を参照してください。

Procedureブート環境へ Solaris フラッシュアーカイブをインストールする (コマンド行インタフェース)

手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -a archive
    
    -f

    オペレーティングシステムを Solaris フラッシュアーカイブからインストールすることを示します。

    -n BE_name

    アーカイブを使用してインストールするブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -a archive

    Solaris フラッシュアーカイブへのパス (ローカルファイルシステムでそのアーカイブが利用できる場合)。-s オプションと -a オプションを使用して指定するオペレーティングシステムイメージのバージョンは、同じでなければなりません。


例 9–10 ブート環境へ Solaris フラッシュアーカイブをインストールする (コマンド行インタフェース)

この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。アーカイブはローカルシステムに存在します。-s および -a オプションで指定するオペレーティングシステムのバージョンは、どちらも Solaris 10 リリースです。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。


# luupgrade -f -n second_disk \ 
-s /net/installmachine/export/Solaris_10/OS_image \ 
-a /net/server/archive/Solaris_10 

このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


Procedureプロファイルを使用した Solaris フラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

ここでは、プロファイルを使用して Solaris フラッシュアーカイブまたは差分アーカイブをインストールする手順を説明します。

プロファイルにロケールを追加した場合、ブート環境がディスク容量に余裕を持って作成されていることを確認してください。

手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. プロファイルを作成します。

    Solaris Live Upgrade プロファイルで使用可能なキーワードのリストについては、「Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成する」を参照してください。

  3. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -j profile_path
    
    -f

    オペレーティングシステムを Solaris フラッシュアーカイブからインストールすることを示します。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -j profile_path

    フラッシュインストール用に構成された JumpStart プロファイルへのパス。プロファイルは、ローカルマシンのディレクトリに存在する必要があります。-s オプションのオペレーティングシステムのバージョンと Solaris フラッシュアーカイブのオペレーティングシステムのバージョンは、同一でなければいけません。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


例 9–11 プロファイルを使用してブート環境に Solaris フラッシュアーカイブをインストールする (コマンド行インタフェース)

この例では、インストールするアーカイブの場所をプロファイルで指定しています。

# profile keywords         profile values
# ----------------         -------------------
 install_type              flash_install
 archive_location          nfs installserver:/export/solaris/flasharchive/solarisarchive
 

プロファイルを作成した後、luupgrade コマンドを実行してアーカイブをインストールできます。-j オプションを使用して、プロファイルにアクセスします。


# luupgrade -f -n second_disk \ 
-s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \ 
-j /var/tmp/profile 

このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。プロファイルを作成する場合は、「Solaris Live Upgrade で使用されるプロファイルを作成する」を参照してください。


Procedureプロファイルキーワードを使用した Solaris フラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

ここでは、プロファイルファイルではなく、archive_location キーワードをコマンド行で使用して、Solaris フラッシュアーカイブをインストールする手順を説明します。プロファイルファイルを使用せずに、アーカイブを取得できます。

手順
  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 次のコマンドを入力します。


    # luupgrade -f -n BE_name -s os_image_path -J 'archive_location path-to-profile'
    
    -f

    オペレーティングシステムを Solaris フラッシュアーカイブからアップグレードすることを指定します。

    -n BE_name

    アップグレード対象のブート環境の名前を指定します。

    -s os_image_path

    オペレーティングシステムイメージが置かれているディレクトリのパス名を指定します。このディレクトリはインストールメディア (DVD-ROM や CD-ROM など) 上でも NFS または UFS ディレクトリであってもかまいません。

    -J 'archive_location path-to-profile'

    archive_location プロファイルキーワードと、JumpStart プロファイルへのパスを指定します。-s オプションのオペレーティングシステムのバージョンと Solaris フラッシュアーカイブのオペレーティングシステムのバージョンは、同一でなければいけません。キーワードの値については、『Solaris 10 インストールガイド (カスタム JumpStart/ 上級編)』「archive_location プロファイルキーワード」を参照してください。

    このようにして、ブート環境をアクティブにする準備が整います。


例 9–12 プロファイルキーワードを使用した Solaris フラッシュアーカイブのインストール (コマンド行インタフェース)

この例では、アーカイブは second_disk ブート環境にインストールされます。-J オプションと archive_location キーワードを使用して、アーカイブを取得します。second_disk 上のファイルは、共有可能ファイルを除いてすべて上書きされます。


# luupgrade -f -n second_disk \ 
-s /net/installmachine/export/solarisX/OS_image \ 
-J 'archive_location http://example.com/myflash.flar'