ブート環境をアクティブにすると、次のシステムリブートでブート可能になります。新しいアクティブブート環境で何か問題が発生する場合は、元のブート環境にすぐに戻すことができます。第 10 章「障害回復: 元のブート環境へのフォールバック (作業)」を参照してください。
ブート環境を正常にアクティブにするためには、そのブート環境が次の条件を満たしている必要があります。
説明 |
参照先 |
---|---|
ブート環境のステータスは「complete」でなければなりません。 |
ステータスを確認するには、「すべてのブート環境のステータスの表示」を参照してください。 |
現在のブート環境とは別のブート環境をアクティブにする場合は、luumount または mount を使用してそのブート環境のパーティションをマウントすることはできません。 |
lumount(1M) または mount(1M) のマニュアルページを参照してください。 |
比較処理で使用中のブート環境はアクティブにできません。 |
手順については、「ブート環境の比較」を参照してください。 |
スワップを再構成する場合は、非アクティブブート環境をブートする前に実行してください。デフォルトでは、すべてのブート環境が同じスワップデバイスを共有します。 |
スワップを再構成する場合は、「新しいブート環境を作成する」の手順 9、または 「ブート環境を作成しスワップを再構成する (コマンド行インタフェース)」を参照してください。 |
Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、GRUB メニューを使用してブート環境を切り替えることができます。「x86: GRUB メニューを使ったブート環境のアクティブ化」を参照してください。
Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) ソフトウェアは Solaris ソフトウェアに含まれていないため、このソフトウェアをブートする必要はありません。次の手順はスキップしてください。
Solaris 10 3/05 リリースでは、次のいずれかの手順を使用してください。
システムが CD または DVD からのブートをサポートしている場合、このソフトウェアをブートする必要はありません。次の手順はスキップしてください。
Solaris Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) のフロッピーディスクを使用してブートする場合は、ブート用フロッピーディスクを更新する必要があります。次の手順を使用して、既存のフロッピーディスクを上書きするか、あるいは新しいフロッピーディスクに書き込むことにより、使用中のリリースと一致するようにブート用フロッピーディスクを更新します。
Solaris 10 3/05 Device Configuration Assistant (デバイス構成用補助) フロッピーディスクを挿入します。これは、上書きされる既存のフロッピーディスクまたは新しいフロッピーディスクのいずれかです。
このリリース用の最新のイメージに、ブートフロッピーディスクを更新します。
ブートフロッピーディスクを取り出します。
次のコマンドを入力します。
volcheck |
このフロッピーディスクに新しいブート環境の boot/solaris/bootenv.rc ファイルをコピーします。
cp /a/boot/solaris/bootenv.rc /floppy/floppy0/solaris/bootenv.rc |
フロッピーディスク上の入力デバイスと出力デバイスをチェックして、それらが正しいことを確認します。正しくない場合はそれらを更新してください。
このようにして、新しいブート環境をアクティブにする準備が整います。
新しく作成したブート環境で初めてブートする時に、Solaris Live Upgrade は新しいブート環境と以前のアクティブブート環境の同期をとります。ここでいう「同期」とは、いくつかのクリティカルなシステムファイルやディレクトリを、以前にアクティブだったブート環境から、ブート中のブート環境へコピーすることです。Solaris Live Upgrade では、強制的に同期を行うようにプロンプトで指定しない限り、2 回目以降のブート時には同期は行われません。
同期の詳細については、「ブート環境間でのファイルの同期」を参照してください。
Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、GRUB メニューを使用してブート環境を切り替えることができます。「x86: GRUB メニューを使ったブート環境のアクティブ化」を参照してください。
Solaris Live Upgrade のメインメニューで「Activate」を選択します。
アクティブにするブート環境の名前を入力します。
Name of Boot Environment: Solaris_10 Do you want to force a Live Upgrade sync operations: no |
ファイルの同期を実行することも、実行せずに処理を続けることもできます。
Return キーを押して継続します。
ブート環境の最初のブートでは、ファイルの同期が自動的に行われます。
ファイルの同期を実行できますが、この機能は慎重に使用してください。同期するファイルに、それぞれのブート環境のオペレーティングシステムが対応していなければなりません。ファイルの同期を実行する場合は、次のように入力します。
Do you want to force a Live Upgrade sync operations: yes |
以前のアクティブブート環境で発生した変更にユーザーが気付いていない場合や、それらの変更を制御できない場合もあるため、同期を使用する際には十分注意してください。たとえば、現在のブート環境で Solaris 10 ソフトウェアを実行していて、強制的な同期処理を行なったあとで、Solaris 9 リリースにブート環境を戻したとします。この場合、Solaris 9 リリースでファイルが変更されることがあります。ファイルは OS のリリースに依存しているため、Solaris 9 リリースのブートは失敗する可能性があります。Solaris 10 のファイルと Solaris 9 のファイルは互換性があるとは限らないからです。
F3 を押して、アクティブ化の処理を開始します。
Return キーを押して継続します。
新しいブート環境は、次のリブート時にアクティブになります。
非アクティブブート環境をリブートしてアクティブにします。
# init 6 |
ブート環境をアクティブにするには、使用しているリリースに応じて次の手順を使用します。
Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、GRUB メニューを使用してブート環境を切り替えることができます。「x86: GRUB メニューを使ったブート環境のアクティブ化」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
次のように入力して、ブート環境をアクティブにします。
# /sbin/luactivate BE_name |
アクティブにするブート環境の名前を指定します。
リブートします。
# init 6 |
リブートには init か shutdown コマンドを使用してください。reboot や halt、uadmin コマンドを使用すると、ブート環境の切り替えは行われません。以前にアクティブであったブート環境が再びブートされます。
この例では、次のリブート時に second_disk ブート環境がアクティブになります。
# /sbin/luactivate second_disk # init 6 |
新しく作成したブート環境で初めてブートする時に、Solaris Live Upgrade は新しいブート環境と以前のアクティブブート環境の同期をとります。ここでいう「同期」とは、いくつかのクリティカルなシステムファイルやディレクトリを、以前にアクティブだったブート環境から、ブート中のブート環境へコピーすることです。Solaris Live Upgrade では、強制的に同期を行うように luactivate コマンドの -s オプションで指定しない限り、2 回目以降のブート時には同期は行われません。
同期の詳細については、「ブート環境間でのファイルの同期」を参照してください。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
次のように入力して、ブート環境をアクティブにします。
# /sbin/luactivate -s BE_name |
以前にアクティブであったブート環境と新しいブート環境のファイルを同期します。ブート環境の最初のアクティブ化ではファイル間の同期が行われますが、それ以降のアクティブ化では -s オプションを指定しない限りファイルの同期は行われません。
以前のアクティブブート環境で発生した変更にユーザーが気付いていない場合や、それらの変更を制御できない場合もあるため、このオプションを使用する際には十分注意してください。たとえば、現在のブート環境で Solaris 10 ソフトウェアを実行していて、強制的な同期処理を行なったあとで、Solaris 9 リリースにブート環境を戻したとします。この場合、Solaris 9 リリースでファイルが変更されることがあります。ファイルは OS のリリースに依存しているため、Solaris 9 リリースのブートは失敗する可能性があります。Solaris 10 のファイルと Solaris 9 のファイルは互換性があるとは限らないからです。
アクティブにするブート環境の名前を指定します。
リブートします。
# init 6 |
この例では、次のリブート時に second_disk ブート環境がアクティブになり、ファイルの同期がとられます。
# /sbin/luactivate -s second_disk # init 6 |
Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、GRUB メニューにブート環境間で切り替えを行うためのオプションの方法があります。GRUB メニューは、luactivate コマンドまたは「Activate」メニューによるアクティブ化 (ブート) に代わるものです。GRUB メニューの使用には、次のような制限があります。
ブート環境の最初のアクティブ化は、luactivate コマンドまたは「Activate」メニューを使って行う必要があります。最初のアクティブ化のあと、ブート環境が GRUB メニューに表示されます。そのあと、ブート環境を GRUB メニューからブートすることができます。
GRUB メニューを使ってブート環境に切り替えると、同期処理は省略されます。ファイルの同期の詳細は、「ブート環境間での強制的な同期」のリンクを参照してください。
ブート環境をアクティブ化したあとは、BIOS ディスク順序を変更しないでください。この順序を変更すると、GRUB メニューが無効になる可能性があります。この問題が発生した場合は、ディスク順序を元の順序に変更すれば、GRUB メニューが修正されます。
作業 |
説明 |
参照先 |
---|---|---|
ブート環境のはじめてのアクティブ化 |
ブート環境をはじめてアクティブ化する場合は、luactivate コマンドまたは「Activate」メニューを使用する必要があります。次回のブート時には、そのブート環境の名前が GRUB メインメニューに表示されます。それにより、GRUB メニューで適切なエントリを選択して、このブート環境に切り替えることができます。 | |
ファイルの同期 |
はじめてブート環境をアクティブ化すると、現在のブート環境と新しいブート環境の間でファイルが同期されます。以降のアクティブ化では、ファイルは同期されません。GRUB メニューを使ってブート環境間で切り替えを行なった場合も、ファイルは同期されません。-s オプションを指定して luactivate コマンドを使用すると、強制的に同期処理を実行できます。 | |
Solaris 10 1/06 リリースより前に作成されたブート環境 |
ブート環境が Solaris 8、9、または 10 3/05 リリースで作成されている場合、このブート環境は、必ず luactivate コマンドまたは「Activate」メニューを使ってアクティブ化する必要があります。これらの古いブート環境は、GRUB メニューには表示されません。 | |
GRUB メニューエントリの編集またはカスタマイズ |
menu.lst ファイルには、GRUB メニューに表示される情報が含まれています。このファイルは、次の理由のために修正することができます。
注 – GRUB メニューを変更する場合は、menu.lst ファイルを見つける必要があります。詳細な手順については、「x86: GRUB メニューの menu.lst ファイルの検出 (作業)」を参照してください。 注意 – Solaris Live Upgrade エントリを変更する場合は、GRUB menu.lst ファイルを使用しないでください。変更すると、Solaris Live Upgrade が失敗する可能性があります。menu.lst ファイルを使用してブート動作をカスタマイズすることはできますが、推奨されるカスタマイズの方法は eeprom コマンドを使用することです。menu.lst ファイルを使用してカスタマイズすると、ソフトウェアのアップグレード中に Solaris OS エントリが変更される場合があります。ファイルへの変更は失われる可能性があります。 |
Solaris 10 1/06 以降のリリースでは、GRUB メニューを使って 2 つのブート環境間での切り替えを行うことができます。次の制限に注意してください。
ブート環境の最初のアクティブ化は、 luactivate コマンドまたは「Activate」メニューを使って行う必要があります。最初のアクティブ化のあと、ブート環境が GRUB メニューに表示されます。そのあと、ブート環境を GRUB メニューからブートすることができます。
注意 - GRUB メニューを使ってブート環境を切り替えると、同期処理が省略されます。ファイルの同期の詳細は、「ブート環境間での強制的な同期」のリンクを参照してください。
ブート環境が Solaris 8、9、または 10 3/05 リリースで作成されている場合、このブート環境は、必ず luactivate コマンドまたは「Activate」メニューを使ってアクティブ化する必要があります。これらの古いブート環境は、GRUB メニューには表示されません。
スーパーユーザーになるか、同等の役割になります。
役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細は、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』の「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。
システムをリブートします。
# init 6 |
GRUB メインメニューが表示されます。Solaris と、Solaris Live Upgrade ブート環境である second_disk という、2 つのオペレーティングシステムがリストされます。failsafe エントリは、なんらかの理由で主 OS がブートしない場合の回復用です。
GNU GRUB version 0.95 (616K lower / 4127168K upper memory) +-------------------------------------------------------------------+ |Solaris | |Solaris failsafe | |second_disk | |second_disk failsafe | +-------------------------------------------------------------------+ Use the ^ and v keys to select which entry is highlighted. Press enter to boot the selected OS, 'e' to edit the commands before booting, or 'c' for a command-line. |
ブート環境をアクティブ化するには、矢印キーを使用して目的のブート環境を選択し、Return キーを押します。
選択したブート環境がブートされ、アクティブなブート環境になります。