この節では、ディスクセットの特定の問題から回復する方法について説明します。
システム障害、ディスク障害、通信リンクの障害などが原因で、どのノードからもディスクセットの所有権を取得できなくなり、ディスクセットのレコードを削除できない場合には、現在のホスト上にある Solaris ボリュームマネージャ状態データベースの複製からディスクセットのレコードを削除する方法があります。
ディスクセットのレコードを削除しても、ディスクセットに含まれる状態データベースの情報には影響しないため、そのディスクセットはあとでインポートできます。このためには、metaimport コマンドを使用します (「ディスクセットのインポート」を参照)。
Sun Cluster 構成からディスクセットを削除する必要がある場合は、次の手順を使用します。ただし、Sun Cluster 構成が存在しないときに使用する -P オプションではなく、-C オプションを使用します。
metaset コマンドを使用して、ディスクセットの取得を試みます。
# metaset -s setname -t -f |
このコマンドは、setname で指定したディスクセットを強制的に (-f) に取得 (-t) します。ディスクセットを取得できた場合、このコマンドは成功します。このコマンドを実行したときに別のホストがこのディスクセットを所有していた場合、このホストはパニック状態になり、データの破損や損失が回避されます。このコマンドが成功した場合、ディスクセットをきれいに削除できます。ディスクセットを削除する必要はありません。
ディスクセットを取得できなかった場合、所有権レコードを削除する必要があります。
metaset コマンドに -P オプションを付けて使用して、現在のホストからディスクセットを削除します。
# metaset -s setname -P |
このコマンドは、コマンドを実行したホストから、setname で指定したディスクセットを削除 (-P) します。
metaset コマンドを使用して、ディスクセットが削除されたことを確認します。
# metaset |
host1# metaset -s red -t -f metaset: host1: setname "red": no such set |
host2# metaset Set name = red, Set number = 1 Host Owner host2 Drive Dbase c1t2d0 Yes c1t3d0 Yes c1t8d0 Yes host2# metaset -s red -P host2# metaset |
第 18 章「ディスクセット (概要)」(ディスクセットに関連する概念)
第 19 章「ディスクセット (作業)」(ディスクセットに関連する作業)