Solaris のシステム管理 (基本編)

Java Web Console ソフトウェアのトラブルシューティング

次の情報は、Java Web Console ソフトウェアの使用時に検出される可能性がある問題のトラブルシューティングに役立ちます。

コンソールの状態とプロパティーの確認

smcwebserverwcadmin、および svcs の各コマンドを使用して、各種の情報を取得できます。これらの情報は問題のトラブルシューティングに役立つ場合があります。

Procedureコンソールが稼働しているか、および有効かどうかを確認する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. サーバーの状態を確認します。


    # smcwebserver status
    Sun Java(TM) Web Console is running
  3. Solaris 10 11/06: コンソールの SMF 状態と有効状態を確認します。


    # svcs -l system/webconsole:console
    

    smcwebserver コマンドを使用して、サーバーの有効または無効の状態を変更せずにサーバーを起動または停止すると、enabled プロパティーは false (temporary) または true (temporary) と表示されます。

Procedureコンソールのリソースとプロパティーを一覧表示する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. コンソールのリソースとプロパティーを一覧表示します。

    Solaris 10 11/06 以降のリリースを実行している場合は、次のコマンドを使用します。


    # wcadmin list
    
    Deployed web applications (application name, context name, status):
     
        console      ROOT            [running]
        console      com_sun_web_ui  [running]
        console      console         [running]
        console      manager         [running]
        legacy       myapp           [running]
     
    Registered jar files (application name, identifier, path):
     
        console  audit_jar     /usr/lib/audit/Audit.jar
        console  console_jars  /usr/share/webconsole/lib/*.jar
        console  jato_jar      /usr/share/lib/jato/jato.jar
        console  javahelp_jar  /usr/jdk/packages/javax.help-2.0/lib/*.jar
        console  shared_jars   /usr/share/webconsole/private/container/shared/lib/*.jar
     
    Registered login modules (application name, service name, identifier):
     
        console  ConsoleLogin  userlogin
        console  ConsoleLogin  rolelogin
     
    Shared service properties (name, value):
     
        ENABLE            yes
        java.home         /usr/jdk/jdk1.5.0_06

    注 –

    SMF は前の手順で示した独自の enabled プロパティーを使用するため、この ENABLE プロパティーは無視されます。ENABLE プロパティーは、コンソールサーバーが SMF によって管理されない、以前の システムで使用されます。


    Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、および Solaris 10 6/06 リリースの場合は、次のコマンドを使用します。


    # smreg list
    
     The list of registered plugin applications:
    
    com.sun.web.console_2.2.4       /usr/share/webconsole/console
    com.sun.web.ui_2.2.4    /usr/share/webconsole/com_sun_web_ui
    com.sun.web.admin.example_2.2.4 /usr/share/webconsole/example
    
    The list of registered jar files:
    
    com_sun_management_services_api.jar scoped to ALL
    com_sun_management_services_impl.jar scoped to ALL
    com_sun_management_console_impl.jar scoped to ALL
    com_sun_management_cc.jar scoped to ALL
    com_sun_management_webcommon.jar scoped to ALL
    com_iplanet_jato_jato.jar scoped to ALL
    com_sun_management_solaris_impl.jar scoped to ALL
    com_sun_management_solaris_implx.jar scoped to ALL
    
    The list of registered login modules for service ConsoleLogin:
    
    com.sun.management.services.authentication.PamLoginModule optional
    use_first_pass="true" commandPath="/usr/lib/webconsole";
    com.sun.management.services.authentication.RbacRoleLoginModule requisite
    force_role_check="true" commandPath="/usr/lib/webconsole";
    
    The list of registered server configuration properties:
    
    session.timeout.value=15
    authentication.login.cliservice=ConsoleLogin
    logging.default.handler=com.sun.management.services.logging.ConsoleSyslogHandler
    logging.default.level=info
    logging.default.resource=com.sun.management.services.logging.resources.Resources
    logging.default.filter=none
    logging.debug.level=off
    audit.default.type=None
    audit.None.class=com.sun.management.services.audit.LogAuditSession
    audit.Log.class=com.sun.management.services.audit.LogAuditSession audit.class.fail=none
    authorization.default.type=SolarisRbac
    authorization.SolarisRbac.class=
    com.sun.management.services.authorization.SolarisRbacAuthorizationService
    authorization.PrincipalType.class=
    com.sun.management.services.authorization.PrincipalTypeAuthorizationService
    debug.trace.level=0
    .
    .
    .
    No environment properties have been registered.

コンソールへのアクセスに関連する問題

コンソールへのアクセスに問題がある場合は、コンソールサーバーが有効になっていないか、セキュリティー設定の制限が厳しいことを示している可能性があります。詳細は、「コンソールの状態とプロパティーの確認」および 「Java Web Console のセキュリティーに関する注意事項」を参照してください。

アプリケーションの登録に関連する問題

この節では、コンソールアプリケーションの登録で発生する可能性のある問題の解決方法について説明します。特定のコンソールアプリケーションの詳細は、そのアプリケーションのマニュアルを参照してください。


注 –

通常、コンソールアプリケーションはインストールプロセスの一環として登録されるため、通常はユーザー自身がアプリケーションを登録する必要はありません。


Solaris 10 11/06 リリース以降では、Web コンソールでのアプリケーション登録の方法が変更されましたが、以前のバージョンのコンソール用に開発されたアプリケーションも引き続きサポートされます。現行アプリケーションの登録と配備は、コンソールサーバーの稼働中に単一のコマンドで実行されます。以前のバージョンのコンソール用に開発されたアプリケーションは「レガシー」アプリケーションと呼ばれ、その登録時にはコンソールサーバーを停止する必要があります。アプリケーションの登録や登録解除を行うときは、次の手順に従って、まずアプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する必要があります。

Procedureアプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法

  1. アプリケーションの app.xml ファイルを表示します。

    app.xml ファイルは、アプリケーションの WEB-INF ディレクトリにあります。

  2. app.xml ファイル内の registrationInfo タグを調べます。

    レガシーアプリケーションの場合、registrationInfo タグのバージョンは 2.x です。たとえば、registrationInfo version="2.2.4" となります。

    現行アプリケーションの場合、registrationInfo タグのバージョンは 3.0 以上です。たとえば、registrationInfo version="3.0" となります。

Procedure配備済みのアプリケーションを一覧表示する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 配備済みのアプリケーションを一覧表示します。

    Solaris 10 11/06 以降のリリースを実行している場合は、次のコマンドを使用します。


    # wcadmin list -a
    
    Deployed web applications (application name, context name, status):
     
        console  ROOT            [running]
        console  com_sun_web_ui  [running]
        console  console         [running]
        console  manager         [running]
        legacy   myapp           [running]

    このコマンドは、登録済みかつ配備済みのアプリケーションをすべて表示します。レガシーアプリケーションは legacy というアプリケーション名で表示されます。詳細は、「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」を参照してください。一覧に表示されるその他のアプリケーションはすべて現行アプリケーションであり、「現行アプリケーションを Oracle Java Web Console に登録する方法」に説明されている方法で登録されます。

    通常、アプリケーションに対して表示される状態には runningstopped のいずれかが含まれます。状態が running の場合、アプリケーションはその時点で読み込まれており、使用可能な状態になっています。状態が stopped の場合、アプリケーションはその時点で読み込まれておらず、使用不可能な状態になっています。アプリケーションのなかには、登録と配備は成功したが、アプリケーション内の問題により読み込まれないものもあります。その場合、アプリケーションの状態は stopped になります。console_debug_log をチェックし、そのアプリケーションの読み込み時にコンソールの背後の Web コンテナである Tomcat からのトレースバックを含むエラーが発生していないか確認してください。console_debug_log の詳細については、「コンソールのデバッグトレースログを使用する」を参照してください。

    コンソールアプリケーションを含むすべてのアプリケーションの表示が stopped になっている場合、それは通常、コンソールの Web コンテナが動作していないことを意味します。この場合、その Web コンテナに登録された静的な context.xml ファイルからアプリケーションの一覧が取得されます。

    Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、および Solaris 10 6/06 リリースの場合は、次のコマンドを使用します。


    # smreg list -a
    
    The list of registered plugin applications:
    
            com.sun.web.console_2.2.4       /usr/share/webconsole/console
            com.sun.web.ui_2.2.4    /usr/share/webconsole/com_sun_web_ui
            com.sun.web.admin.yourapp_2.2.4 /usr/share/webconsole/yourapp

Procedureレガシーアプリケーションを Oracle Java Web Console に登録する方法


注 –

この手順は、Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、および Solaris 10 6/06 リリースのすべてのコンソールアプリケーションに適用されます。Solaris 10 11/06 リリース以降では、この手順はレガシーアプリケーションと識別されるアプリケーションだけに適用されます。現行アプリケーションの登録手順については、「現行アプリケーションを Oracle Java Web Console に登録する方法」を参照してください。「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」も参照してください。


  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. Web サーバーを停止します。


    # smcwebserver stop
    
  3. アプリケーションを登録します。


    # smreg add -a /directory/containing/application-files
    
    

    smreg コマンドは、Oracle Java Web Console の登録テーブル内の情報を管理します。さらに、このスクリプトはアプリケーションを配備するための作業も行います。このコマンドのその他のオプションについては、smreg(1M) のマニュアルページを参照してください。

  4. Web サーバーを再起動します。


    # smcwebserver start
    

例 3–8 レガシーアプリケーションを登録する

この例では、/usr/share/webconsole/example ディレクトリにファイルが置かれているレガシーアプリケーションを登録する方法を示します。レガシーアプリケーションの場合は、アプリケーションを登録する前にコンソールサーバーを停止し、アプリケーションの登録後に起動する必要があります。smreg はレガシーコンソールアプリケーションなので、これによって表示される警告は無視してかまいません。


# smcwebserver stop
# smreg add -a /usr/share/webconsole/example

    Warning: smreg is obsolete and is preserved only for
    compatibility with legacy console applications. Use wcadmin instead.

    Type "man wcadmin" or "wcadmin --help" for more information.

Registering com.sun.web.admin.example_version.

# smcwebserver start

ProcedureOracle Java Web Console からレガシーアプリケーションを登録解除する方法


注 –

この手順は、Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、および Solaris 10 6/06 リリースのすべてのコンソールアプリケーションに適用されます。Solaris 10 11/06 リリース以降では、この手順はレガシーアプリケーションと識別されるアプリケーションだけに適用されます。現行アプリケーションの登録解除手順については、「Oracle Java Web Console から現行アプリケーションを登録解除する方法」を参照してください。


特定のレガシーアプリケーションを Web コンソールの起動ページに表示させたくないが、ソフトウェアのアンインストールは行いたくない場合、smreg コマンドを使用してアプリケーションの登録を解除できます。詳細は、「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」を参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. アプリケーションの登録を解除します。


    # smreg remove -a app-name
    

例 3–9 Oracle Java Web Console からレガシーアプリケーションを登録解除する

この例では、app-name として com.sun.web.admin.example を持つレガシーアプリケーションを登録解除する方法を示します。


# smreg remove -a com.sun.web.admin.example

 Unregistering com.sun.web.admin.example_version.

Procedure現行アプリケーションを Oracle Java Web Console に登録する方法

Solaris 10 11/06: この手順は、コンソールサーバーの停止や起動を行わずに登録および配備できる更新されたコンソールアプリケーション用です。レガシーアプリケーションと、Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、Solaris 10 6/06 の各リリースで実行されるすべてのコンソールアプリケーションの登録手順については、「レガシーアプリケーションを Oracle Java Web Console に登録する方法」を参照してください。「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」も参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. アプリケーションの登録と配備を行います。


    wcadmin deploy -a app-name -x app-context-name
     /full path/to/app-name
    

例 3–10 現行アプリケーションを登録する

この例では、現在の Web コンソール用に開発または更新されたアプリケーションの登録と配備を行う方法を示します。


# wcadmin deploy -a newexample_1.0 -x newexample /apps/webconsole/newexample

ProcedureOracle Java Web Console から現行アプリケーションを登録解除する方法

Solaris 10 11/06: この手順は、コンソールサーバーの停止や起動を行わずに登録解除および配備解除できる更新されたコンソールアプリケーション用です。レガシーアプリケーションと、Oracle Solaris 10、Solaris 10 1/06、Solaris 10 6/06 の各リリースで実行されるすべてのコンソールアプリケーションの登録解除手順については、「Oracle Java Web Console からレガシーアプリケーションを登録解除する方法」を参照してください。アプリケーションがレガシーアプリケーションか更新されたアプリケーションかを判定する方法については、「配備済みのアプリケーションを一覧表示する方法」および 「アプリケーションがレガシーアプリケーションかどうかを判定する方法」を参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. アプリケーションの配備解除と登録解除を行います。


    # wcadmin undeploy -a newexample_1.0 -x newexample