Solaris のシステム管理 (基本編)

x86: DHCP マクロについて

add_install_client - d スクリプトを使用してインストールサーバーにクライアントを追加すると、このスクリプトから DHCP 設定情報が標準出力に報告されます。この情報は、ネットワークインストール情報をクライアントに伝えるために必要なオプションとマクロを作成する際に使用できます。

DHCP サーバーを使用して DHCP クライアントをネットワークインストールする場合は、DHCP オプションを作成する必要があります。この情報は、Oracle Solaris OS をインストールするときに必要になります。

クライアントから DHCP 要求を送信するときには、サーバーに次のようなクライアント情報を渡す必要があります。

DHCP サーバーは、応答を作成します。この応答は、クライアント要求に対応する次の「マクロ」に基づいて作成されます。

クラスマクロ

クラスマクロは、DHCP 要求に含まれる「クラス文字列」に基づいて作成されます。x86 システムでは、クラス PXEClient:Arch:00000:UNDI:002001 を含む DHCP 要求が、BIOS によってすでに作成されています。この名前のマクロが DHCP サーバー構成に定義されている場合には、そのマクロの内容が x86 クライアントに送信されます。

ネットワークマクロ

ネットワークマクロの名前は、クライアントが存在するサブネットの IP アドレスになっています。マクロ 129.146.87.0 が DHCP サーバーに定義されている場合には、そのマクロの内容がそのサブネット上のすべてのクライアントに送信されます。送信されるマクロの内容は、DHCP 要求に含まれるクラスに関係ありません。クラスマクロとネットワークマクロの両方に DHCP オプションが定義されている場合は、ネットワークマクロが優先されます。

IP マクロ

IP マクロの名前は、IP アドレスになっています。このマクロはほとんど使用されません。

クライアントマクロ

クライアントマクロの名前は、クライアントの種類 (Ethernet の場合は 01) およびクライアントの MAC アドレスに基づいて、大文字の名前が付けられます。Ethernet アドレスが 0:0:39:fc:f2:ef のクライアントの場合には、対応するマクロの名前は 01000039FCEF になります。クライアントマクロにはコロンが付きません。

たとえば、サブネット 192.168.100.0 に存在し、Ethernet アドレスとして 0:0:39:fc:f2:ef が割り当てられ、クラス PXEClient の DHCP 要求を作成するクライアントの場合には、DHCP サーバー上に次のような対応するマクロが存在します。


PXEClient
	BootSrvA:  192.168.100.0
	BootFile:  pxegrub
  129.146.87.0
	Router:    129.146.87.1
	NISdmain:  sunsoft.eng.sun.com
  01000039FCEF
	BootFile:  01000039FCEF
The actual DHCP response will be
	BootSrvA:  192.168.100.0
	BootFile:  01000039FCEF
	Router:    129.146.87.1
	NISdmain:  sunsoft.eng.sun.com

クライアントマクロの BootFile は、クラスマクロの BootFile より優先されます。

詳細については、『Oracle Solaris 10 9/10 インストールガイド (ネットワークインストール)』「DHCP サービスによるシステム構成情報の事前設定 (作業)」を参照してください。