Solaris のシステム管理 (基本編)

SMF について

SMF は、従来の UNIX の起動スクリプト、init 実行レベル、および構成ファイルを補強するインフラストラクチャーを提供します。SMF には、次の機能が備わっています。

「依存記述」では、サービス間の関係を定義します。これらの関係を使用すると、すべてのサービスを再起動するのではなく、障害の影響を直接受けているサービスのみを再起動することにより、障害を的確に封じ込めることができます。依存記述のもう 1 つの利点は、スケーラブルで再現可能な初期化プロセスを実現できることです。また、依存性をすべて定義することにより、独立したすべてのサービスを並列に起動できるため、今日の高並列マシンをうまく利用することができます。

SMF では、管理者がサービスに対して呼び出すことのできる一連のアクションを定義します。これらのアクションには、有効化、無効化、再表示、再起動、維持などがあります。各サービスは、管理アクションを実行するサービスリスタータによって管理されます。通常、アクションを実行する場合、リスタータはサービスに対していくつかのメソッドを実行します。各サービスのメソッドは、サービス構成リポジトリで定義されます。リスタータは、これらのメソッドを使って、サービスをある状態から別の状態へ移行できます。

サービス構成リポジトリでは、フォールバックができるように、各サービスが正常に起動されたときにサービスごとのスナップショットを取ります。また、リポジトリを使用すると、一貫した永続的な方法でサービスを有効または無効にしたり、サービスの状態を一貫して表示したりできます。この機能は、サービスの構成に関する問題を修正するのに役立ちます。