Solaris のシステム管理 (基本編)

ProcedureSPARC: 新規作成した ITU を使ってシステムをブートする方法

ITU ユーティリティーを使用すると、インストール時にドライバをすぐにインストールして、バグ修正を適用できます。次の手順は、SPARC システムで ITU を作成および格納し、新規作成した ITU を使ってシステムをブートするプロセスを示します。

  1. ITU を使ってブートするシステムで、ユーパーユーザーになります。

  2. itu コマンドに次のオプションを指定して、ITU を作成します。


    # itu makedu -r solaris-release -o iso-file package1-name package2-name...
    
    makedu

    1 つ以上のドライバパッケージを入力として取り、パッケージを DU 形式に変換します。

    -r solaris-release

    ドライバを更新する Oracle Solaris リリースの番号を指定します。使用されるリリース番号の形式は、5.10 です

    -o iso-file

    作成する ISO イメージファイルのパスを指定します。

    itu コマンドおよびそのオプションすべての詳細は、itu(1M) のマニュアルページを参照してください。

  3. システムを ok PROM プロンプトにします。

  4. auto-boot プロパティーを無効にします。


    ok setenv auto-boot?=false
    
  5. システムをリセットします。


    ok reset-all
    

    注 –

    前の手順により、システムのブート時に itu-device 文字列が消去されないことが保証されます。このため、この手順は重要です。


  6. cdrom 別名を見つけます。


    ok devalias cdrom
    

    この別名は、システムに接続されている CD または DVD ドライブのデバイスパスです。この出力は、システムによって変化することに留意してください。たとえばこの手順では、cdrom 別名の場所は次のようになります。


    /pci@8,700000/scsi@1/disk@6,0:f
  7. ITU のインストールに使用される itu-device のパスを設定します。

    次の例に示すように、config-string の最初の部分で手順 6 の出力が使用されます。


    ok> " /pci@8,700000/scsi@1/disk@6,0:f" d# 80 config-string itu-device
    

    注 –

    80 は文字列の最大長を表します。cdrom 別名を変更して 80 文字より長くする場合は、この数値を必要に応じて大きくします。


  8. ITU を使ってシステムをブートします。


    ok boot
    

    システムをブートし、Solaris インストールプロセスが始まると、itu-device に格納されている ITU がシステムにより検出されます。次に、itu-device で使用可能なシステムコンポーネントがシステムで識別および構成されます。これらのドライバ用のデバイスも識別および構成されます。インストールが完了すると、デバイスがインストール先として使用可能になります。

  9. インストールの完了後に、auto-boot プロパティーのデフォルト値が復元されて、システムがブートします。


    ok setenv auto-boot?=true
    

    前述の例では、auto-boot プロパティーのデフォルト値が true であることを前提としています。

  10. システムをブートします。


    ok boot