Solaris のシステム管理 (上級編)

ttymon ポートモニターの管理

ttymon のコンソール管理は、SMF で管理されるようになりました。svccfg コマンドを使用し、ttymon システムコンソールのプロパティーを設定します。今後も sacadm コマンドを使用して ttymon ポートモニターを追加、表示、削除、終了、起動、あるいは有効または無効にすることができます。

Procedurettymon コンソールの端末タイプを設定する方法

この手順では、svccfg コマンドを使用してコンソールの端末タイプを変更する方法を説明します。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. svccfg コマンドを実行して、変更するサービスインスタンスのプロパティーを設定します。


    # svccfg -s console-login setprop ttymon/terminal_type = "xterm"
    

    xterm」とは、使用する端末タイプの例です。

  3. (省略可能) サービスインスタンスを再起動します。


    # svcadm restart svc:/system/console-login:default
    

    注意 – 注意 –

    サービスインスタンスを即座に再起動する場合は、コンソールからログアウトされます。サービスインスタンスを即座に再起動しない場合は、プロパティーの変更は、次回ログイン時にコンソールのプロンプトで適用されます。


Procedurettymon コンソールの端末でボーレート速度を設定する方法

次の手順では、ttymon コンソールの端末でボーレート速度を設定する方法を示します。x86 ベースのシステムでのコンソール速度のサポートは、特定のプラットフォームに依存します。

SPARC ベースのシステムには、次のコンソール速度がサポートされています。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. システムタイプに適したボーレート速度を設定するには eeprom コマンドを使用します。


    # eeprom ttya-mode=baud-rate,8,n,1,-
    

    たとえば、x86 ベースのシステムのコンソールのボーレート速度を 38400 に変更するには、次のように入力します。


    # eeprom ttya-mode=38400,8,n,1,-
    
  3. /etc/ttydefs ファイルのコンソール行を次のように変更します。


    console baud-rate hupcl opost onlcr:baud-rate::console
  4. システムのタイプに合わせて、次の追加変更を行います。

    これらの変更はプラットフォームに依存することに注意してください。

    • SPARC ベースのシステム: /kernel/drv/options.conf ファイルでボーレート速度を変更します。

      ボーレートを 9600 に変更するには、次のコマンドを使用します。


      # 9600             :bd:
      ttymodes="2502:1805:bd:8a3b:3:1c:7f:15:4:0:0:0:11:13:1a:19:12:f:17:16";
      

      ボーレート速度を 19200 に変更するには、次のコマンドを使用します。


      # 19200            :be:
      ttymodes="2502:1805:be:8a3b:3:1c:7f:15:4:0:0:0:11:13:1a:19:12:f:17:16";
      

      ボーレート速度を 38400 に変更するには、次のコマンドを使用します。


      # 38400            :bf:
      ttymodes="2502:1805:bf:8a3b:3:1c:7f:15:4:0:0:0:11:13:1a:19:12:f:17:16";
      
    • x86 ベースのシステム: BIOS のシリアル切り替えが有効である場合にコンソール速度を変更します。コンソール速度を変更する方法は、プラットフォームに依存します。

Procedurettymon ポートモニターを追加する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ttymon ポートモニターを追加します。


    # sacadm -a -p mbmon -t ttymon -c /usr/lib/saf/ttymon -v `ttyadm
    -V` -y "TTY Ports a & b"
    
    -a

    ポートモニター追加用のオプションを指定します。

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定します。

    -t

    ポートモニタータイプを ttymon として指定します。

    -c

    ポートモニターを起動するのに使用するコマンド文字列を定義します。

    -v

    ポートモニターのバージョン番号を指定します。

    -y

    ポートモニターのインスタンスを説明するコメントを定義します。

Procedurettymon ポートモニターの状態を表示する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ttymon ポートモニターの状態を表示します。


    # sacadm -l -p mbmon
    
    -l

    ポートモニター状態表示用のフラグを指定します。

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定します。


例 3–1 ttymon ポートモニターの状態を表示する

この例では、mbmon と呼ばれるポートモニターを表示する方法を示します。


# sacadm -l -p mbmon
PMTAG  PMTYPE  FLGS RCNT STATUS    COMMAND
mbmon  ttymon  -    0    STARTING  /usr/lib/saf/ttymon #TTY Ports a & b
PMTAG

ポートモニター名が mbmon であることを示します。

PMTYPE

ポートモニターのタイプが ttymon であることを示します。

FLGS

次のフラグが設定されているかどうかを示します。

d

新しいポートモニターを有効にしません。

x

新しいポートモニターを起動しません。

ダッシュ (-)

フラグを設定しません。

RCNT

戻りカウント値を示します。0 の戻りカウントは、ポートモニターが失敗した場合でも再起動しないことを示します。

STATUS

ポートモニターの現在の状態を示します。

COMMAND

ポートモニターを起動するコマンドを示します。

#TTY Ports a & b

ポートモニターを説明するコメントを示します。


Procedurettymon ポートモニターを停止する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ttymon ポートモニターを停止します。


    # sacadm -k -p mbmon
    
    -k

    ポートモニターを終了状態にするフラグを指定します。

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定します。

Procedurettymon ポートモニターを起動する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. 終了状態の ttymon ポートモニターを起動します。


    # sacadm -s -p mbmon
    
    -s

    ポートモニターを起動状態にするフラグを指定します。

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定します。

Procedurettymon ポートモニターを無効にする方法

ポートモニターを無効にすると、以前から存在しているサービスをそのまま有効にするため、新しいサービスが起動できなくなります。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ttymon ポートモニターを無効にします。


    # sacadm -d -p mbmon
    
    -d

    ポートモニターを無効状態にするフラグを指定します。

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定します。

Procedurettymon ポートモニターを有効にする方法

ttymon ポートモニターを有効にすると、そのモニターが新しい要求にサービスを提供できるようになります。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ttymon ポートモニターを有効にします。


    # sacadm -e -p mbmon
    
    -e

    ポートモニターを有効状態にするフラグを指定します。

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定します。

Procedurettymon ポートモニターを削除する方法

ポートモニターを削除すると、それに関連するすべての構成ファイルが削除されます。


注 –

ポートモニター構成ファイルは sacadm コマンドでは更新や変更ができません。ポートモニターを再構成するには、古いポートモニターを削除してから新しいポートモニターを追加してください。


  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ttymon ポートモニターを削除します。


    # sacadm -r -p mbmon
    
    -r

    ポートモニター削除用のフラグを指定します。

    -p

    mbmon をポートモニタータグとして指定します。