プログラミングインタフェース

RSMAPI を使用するときの一般的な注意点

この節では、共有メモリー操作のエクスポート側とインポート側における一般的な注意点について説明します。この節ではまた、セグメント、ファイル記述子、および RSM 構成可能パラメータに関する一般的な情報についても説明します。

セグメントの割り当てとファイル記述子の使用法

システムはエクスポート操作またはインポート操作ごとにファイル記述子を割り当てますが、メモリーをインポートまたはエクスポートしているアプリケーションはこの記述子にアクセスできません。プロセスごとのファイル記述子割り当てのデフォルトの制限は 256 です。インポートまたはエクスポートしているアプリケーションは割り当ての制限を適切に調節する必要があります。アプリケーションがファイル記述子の制限値を 256 より大きく設定した場合、エクスポートセグメントとインポートセグメントに割り当てられるファイル記述子は 256 から始まります。このようなファイル記述子の値が選択されるのは、アプリケーションが通常のファイル記述子を割り当てるのを妨害しないようにするためです。この動作によって、256 より小さなファイル記述子を処理できない 32 ビットアプリケーションが特定の libc 関数を使用できるようになります。

エクスポート側の注意点

アプリケーションは、再バインド操作が完了するまで、セグメントデータにアクセスしないようにする必要があります。再バインド中にセグメントからデータを取得しようとしてもシステムエラーにはなりませんが、このような操作の結果は定義されていません。仮想アドレス空間はすでにマッピングされており、有効である必要があります。

インポート側の注意点

インポートセグメント用に指定されたコントローラは、セグメントのエクスポートに使用されるコントローラと物理的に接続されている必要があります。

RSM 構成可能パラメータ

SUNWrsm ソフトウェアパッケージには rsm.conf ファイルがあります。このファイルは /usr/kernel/drv にあります。このファイルは RSM 用の構成ファイルです。rsm.conf ファイルを使用すると、特定の構成可能な RSM プロパティーの値を指定できます。現在 rsm.conf ファイルに定義されている構成可能なパラメータには max-exported-memoryenable-dynamic-reconfiguration があります。

max-exported-memory

エクスポート可能なメモリー量の上限を指定します。この上限は、利用可能なメモリーの合計に対するパーセンテージで表現されます。このプロパティーの値が 0 の場合、エクスポート可能なメモリーに上限がないことを示します。

enable-dynamic-reconfiguration

動的再構成が有効であるかどうかを示します。このプロパティーの値が 0 の場合、動的再構成が無効であることを示します。1 の場合、動的再構成が有効であることを示します。このプロパティーのデフォルトの値は 1 です。