Sun Java System Directory Server Enterprise Edition 6.3 配備計画ガイド

Directory Server とローカルディスク容量

ディスクの使用と I/O 能力は、パフォーマンスに強く影響します。多数の変更をサポートする配備では特に、ディスクサブシステムが入出力の障害点になる可能性があります。この節では、Directory Server インスタンスの全体的なディスク容量を見積もるために推奨される方法を示します。


注 –

Directory Server やそれがアクセスするデータをネットワークディスク上にインストール「しない」でください。

Directory Server ソフトウェアは、ネットワークに接続されたストレージを NFS、AFS、または SMB 経由で使用することをサポートしません。設定、データベース、およびインデックスファイルはすべて、インストールを終えてからも、常にローカルストレージ上に配置する必要があります。ログファイルはネットワークディスク上に格納できます。


必要なローカルディスク容量に大きな影響を与える要因は、次のとおりです。

インデックスの設定、データベースのページサイズの調整、およびディレクトリデータのインポートが完了したら、instance-path/ の内容のサイズを読み取り、それに予期される LDIF、バックアップ、ログ、およびコアファイルのサイズを追加することで、インスタンスに必要なディスク容量を見積もることができます。また、特にピーク処理時に、測定したサイズがどのくらい増加することが予期されるかを見積もります。ログレベルやログサイズをデバッグ目的で増やす必要が生じた場合のために、数 G バイトの追加容量を errors ログ用として必ず残すようにしてください。

ディレクトリデータに必要なディスクの見積もりは、推定によって行える場合があります。本番時に予期されるのと同量のデータを使って Directory Server に負荷をかけることが現実的ではない場合には、「サンプルディレクトリデータの作成」で示唆したように、より小さなサンプルデータセットに基づいて推定します。使用するディレクトリデータの量が本番時より少ない場合、ほかの測定値についても推定する必要があります。

ローカルディスクがどのくらい高速でなければいけないかを決定する要因は、次のとおりです。

通常の運用環境で、使用されるディスクをいっぱいにしないでください。Solaris iostat コマンドなどのツールを使えば、潜在的な入出力障害を特定できます。

ディスクのスループットを増やすには、ディスクサブシステム間でファイルを分散させます。トランザクションログ (dsconf set-server-prop db-log-path:/transaction/log/path)、データベース (dsconf create-suffix --db-path /suffix/database/path suffix-name)、およびログファイル (dsconf set-log-prop path:/log/file/path) にそれぞれ専用のディスクサブシステムを割り当てることを検討してください。さらに、Solaris tmpfs ファイルシステムなどのメモリーベースのファイルシステム上に、データベースキャッシュファイルを配置することを検討してください。そのようなファイルシステムでは、利用可能なメモリーが使い果たされた場合にのみファイルがディスクにスワップされます (例: dsconf set-server-prop db-env-path:/tmp)。メモリーベースのファイルシステム上にデータベースキャッシュファイルを配置する場合には、システムの容量が不足してそのファイルシステムの全体をメモリー内に保持できなくなることのないよう、注意する必要があります。

スループットをさらに増やすには、複数のディスクを RAID 構成にして使用します。Sun StorEdgeTM 製品で提供されているような大容量で不揮発性 I/O バッファーや高パフォーマンスのディスクサブシステムによって、Directory Server のパフォーマンスや稼動時間は大きく向上します。Solaris 10 システムの場合、ZFS を使用してもパフォーマンスが改善する可能性があります。