iostat ツールの出力を使用して、レプリケーション不一致の原因がコンシューマのディスクパフォーマンス低下にあるかどうかを確認します。ディスクパフォーマンスの問題診断の詳細については、「例: RUV および CSN を使用したレプリケーションの問題のトラブルシューティング」を参照してください。
レプリケーション不一致の原因は、通常は次のいずれかです。
サプライヤからコンシューマへのデータ送信が、十分な速度で実行されていません。たとえば、サプライヤの更新履歴ログから、メモリー内キャッシュの設定が低いことが明らかになることがあります。これらの設定を確認するには、cn=changelog5,cn=config エントリ内の nsslapd-cachememsize および nslapd-cachesize 属性値を参照します。
nsslapd-cachememsize 属性は、更新履歴ログまたはデータベース、使用可能なメモリー容量に基づくキャッシュサイズを指定します。nslapd-cachesize 属性は、レプリケーション更新履歴ログまたはデータベース、保持可能なエントリ数に基づくキャッシュサイズを指定します。
ネットワークの容量が不十分で、更新の生成速度に対応した転送速度を保証できません。ネットワークが非常に狭い帯域幅で機能している場合、ネットワークの容量が問題になります。
Directory Server 5.1 では、ネットワークレイテンシが大きすぎて、更新が生成される速度での転送を保証できません。レプリケーション転送プロトコルは同期的であるため、Directory Server 5.1 では、ネットワークレイテンシに起因する問題が発生することがあります。
コンシューマの速度が遅いため、受信する変更を適用できません。たとえば、ディスク使用率が飽和状態にあるか、レプリケーションの並列実行時 (インデックスを使用しない検索など) に問題が発生した場合に、コンシューマの速度が問題になることがあります。
Directory Server Version 5.1 を使用していて、レプリケーション不一致が発生した場合は、プロトコルの制限が原因である可能性があります。5.1 でのレプリケーションは同期的であるため、WAN 経由でのレプリケーションはサポートされていません。WAN 経由でのレプリケーションを行う場合は、アップグレードする必要があります。
LAN 経由でレプリケートする場合は、ping コマンドを使用してサプライヤとコンシューマ間のネットワークレイテンシを確認します。Directory Server Version 5.1 では、サプライヤは、コンシューマからの確認応答を受信してからでないと変更を送信できません。その結果、交換速度が遅い場合に、コンシューマのダウンタイムが発生します。ダウンタイムは停止に似ていますが、実際は交換速度が遅いだけです。たとえば、パスワードをアップグレードする場合、新しいパスワードはすぐに有効にならないために、レプリケーション不一致が発生したかのような印象を受けることがあります。サプライヤのアクセスログを分析して、受信する更新の数を秒ごとに確認します。たとえば、サプライヤのアクセスログには、さまざまなトラフィックが秒ごとに表示されます。次に例を示します。
13:07:04 14 13:07:05 10 13:07:06 15 13:07:07 5 |
次に、コンシューマのアクセスログを参照します。アクセスログに連続した更新が表示される場合、それがボトルネックであることがわかります。
13:07:04 8 13:07:05 8 13:07:06 8 13:07:07 8 |
この種の問題が起きている場合は、ネットワークアクセス、帯域幅、または小規模なリンクが原因である可能性があります。