Sun GlassFish Communications Server 1.5 管理ガイド

Communications Server の概要と概念

ここでは、次の内容について説明します。

Communications Serverの概要

Communications Server は、Java EE 5 仕様と SIP Servlets 1.1 API をサポートします。Communications Server は、Sun GlassFish Enterprise Server 2.1 をベースとしています。Communications Server は、GlassFish のコアアーキテクチャーと管理インフラストラクチャー上に構築されています。Communications Server は、SIP Servlets テクノロジと EJB、Java Persistence API、JDBC、Web サービス、再利用コンテナサービス (JNDI、JMS、依存性注入、セキュリティー、トランザクション管理など) などのテクノロジを融合します。

Communications Server の SIP プロトコルスタックは、Grizzly (http://grizzly.dev.java.net) を使用して実装されました。受信要求は、それぞれが特定の機能を実行する一連のハンドラに順に渡されます。たとえば、Overload Handler が有効な場合、サーバーが過負荷状態になると、このハンドラは適切なエラー応答を送信します。オプションのロードバランサが有効な場合は、セッション維持型の負荷分散ロジックが適用され、要求はクラスタ内の適切なインスタンスに転送されるか、スタックが無視されます。初期要求は配備されたアプリケーションに照合され、適切に経路指定されます。また、デフォルトまたはユーザー配備の Application Router に照会して、初期経路決定を行うこともできます。多くの SIP リスナーは、複数のネットワークインタフェースで TCP および UDP トラフィックを受け付けるように設定できます。SIP over TLS はサポートされます。

Web ベースの集中管理コンソールを使用して、Communications Server のインスタンスとクラスタを安全にリモートから設定および監視できます。キャリア配備環境の管理は、さまざまな方法で自動化できます。コマンド行インタフェース (CLI) を使用して、プロセスをスクリプト化および自動化できます。安定した JMX API を利用して、サーバーをプログラムによって監視したり、設定の照会や設定データの変更を行えます。監視は、JMX および SNMP インタフェースを通してサポートされます。監視レベルは、OFF から「低」および「高」まで動的に変化し、これにより収集する情報の量が変化します。

アプリケーションサーバードメインを作成するときに適切なプロファイルを指定することで、Communications Server を特定の使用状況に対して設定および最適化することができます。

Communications Server には、Metro Web サービススタック (http://metro.dev.java.net) が含まれます。Metro は、Java と .NET Web サービス間の相互運用性を保証するために、重要な WS-* の標準と WS-I の標準化された相互運用性プロファイルを実装します。

Communications Server には、Java Business Integration (JBI) 仕様の実装が含まれます。JBI は、Server-Oriented Architecture (SOA) に従ってビジネスシステムを構築するための Java 標準です。

管理用ツール

Communications Server では、次の管理ツールおよび API を使用できます。

管理コンソール

管理コンソールは、ナビゲートしやすいインタフェースとオンラインヘルプを装備したブラウザベースのツールです。管理コンソール を使用するには、管理サーバー (ドメイン管理サーバーまたは DAS とも呼ばれる) が稼動している必要があります。管理コンソールを起動するには、管理サーバーのホスト名とポート番号がわかっていなければなりません。サーバーのポート番号は、Communications Server をインストールしたときに選択しています。選択していない場合は、デフォルトポートの 4848 を使用します。ユーザー名とマスターパスワードも、インストール時に指定しています。

管理コンソールを起動するには、Web ブラウザで次のように入力します。


http://hostname:port

次に例を示します。


http://kindness.sun.com:4848

管理コンソールを Communications Server がインストールされたマシンで実行する場合は、ホスト名として localhost を指定します。

Windows 環境で管理コンソールを起動するには、「スタート」メニューから「管理コンソール」を起動します。

インストールプログラムにより、domain1 という名前のデフォルト管理ドメインがデフォルトポート番号 4848 で生成されます。また、ドメイン管理サーバー (DAS) とは分離したインスタンスも作成されます。インストール後は、管理ドメインを作成して追加できます。各ドメインには、一意のポート番号を持ったドメイン管理サーバーがそれぞれ必要です。管理コンソールの URL を指定する場合は、ドメインの管理ポート番号も指定する必要があります。

DAS とは異なるサーバー上で稼動するリモートサーバーインスタンスを管理する場合は、ノードエージェントを作成し、リモートサーバーインスタンスを容易に管理できるようにします。サーバーインスタンスの作成、起動、停止、および削除は、ノードエージェントの役割です。ノードエージェントを設定するには、コマンド行インタフェース (CLI) のコマンドを使用します。

コマンド行インタフェース (asadmin ユーティリティー)

asadmin ユーティリティーは Sun GlassFish Communications Server のコマンド行インタフェースです。asadmin ユーティリティーと、このユーティリティーに関連するコマンドを使用して、管理コンソールで提供されている一連の同じ管理タスクを実行します。Solaris でのデフォルトのインストールルートディレクトリは /opt/SUNWappserver です。

asadmin ユーティリティーを起動するには、as-install/bin ディレクトリに移動し、次のように入力します。


$ ./asadmin

asadmin 内で使用可能なコマンドをリスト表示するには、次のように入力します。


asadmin> help

シェルのコマンドプロンプトで、asadmin コマンドを次のように実行することもできます。


$ asadmin help

コマンドの構文と例を表示するには、help のあとにコマンド名を入力します。次に例を示します。


asadmin> help create-jdbc-resource

指定したコマンドの asadmin help 情報が、UNIX のマニュアルページの形式で表示されます。これらのマニュアルページは、HTML 形式および PDF 形式の『Sun GlassFish Communications Server 1.5 Reference Manual』でも利用できます。

JConsole

JConsole は Sun GlassFish Communications Server の監視に使用します。JConsole の「リモート」タブまたは「詳細」タブを使用して、Communications Server に接続できます。