Sun GlassFish Communications Server 1.5 高可用性 (HA) 管理ガイド

サーバーインスタンスの同期化

管理コンソールまたは asadmin ツールを使用してサーバーインスタンスを明示的に起動する場合、サーバーインスタンスは中央リポジトリと同期化されます。この同期が失敗すると、サーバーインスタンスは起動しません。

ノードエージェントが、管理コンソールまたは asadmin ツールによる明示的な要求なしにサーバーインスタンスを起動する場合、サーバーインスタンスのリポジトリキャッシュは同期しません。サーバーインスタンスは、キャッシュに格納された設定によって実行されます。リモートサーバーインスタンスのキャッシュ内にファイルを追加または削除してはいけません。

リモートサーバーインスタンスの設定は、キャッシュとして扱われ (nodeagents/na1/server1 の下にあるすべてのファイル)、Application Server によって所有されます。極端な例を挙げれば、ユーザーがリモートサーバーインスタンスのすべてのファイルを削除し、ノードエージェントを再起動すると、リモートサーバーインスタンス (server1 など) は再作成され、すべての必要なファイルは同期化されます。

次のファイルおよびディレクトリは Application Server によって同期が保たれます。

表 4–1 リモートサーバーインスタンス間で同期化されるファイルとディレクトリ

ファイルまたはディレクトリ 

説明 

applications

配備されているすべてのアプリケーション。このディレクトリ (およびサブディレクトリ) は、サーバーインスタンスから参照されるアプリケーションに基づいて同期化されます。ノードエージェントはどのアプリケーションも参照しないので、アプリケーションを同期化しません。 

config

ドメイン全体に対する設定ファイルを格納します。実行時の一時ファイル (admchadmsnsecure.seed、.timestamp__timer_service_shutdown__.dat など) を除いたこのディレクトリ内のすべてのファイルは、同期化されます。

config/config_name

config_name という名前の設定を使用してすべてのインスタンスによって共有されるファイルを格納するためのディレクトリ。domain.xml で定義されるすべての設定に対して、このようなディレクトリが 1 つずつ存在することになります。このディレクトリ内のすべてのファイルが、config_name を使用しているサーバーインスタンスと同期化されます。

config/config_name/lib/ext

Java 拡張クラスを (zip または jar アーカイブとして) 置くことができるフォルダ。これは、config_name という名前の設定を使用してサーバーインスタンスに配備されたアプリケーションによって使用されます。これらの jar ファイルは、Java 拡張メカニズムを使用してロードされます。

docroot

HTTP ドキュメントルート。既定の設定では、ドメイン内のすべてのサーバーインスタンスが同じ docroot を使用します。それらのサーバーインスタンスに異なる docroot を使用させるためには、仮想サーバーの docroot プロパティーを設定する必要があります。 

generated

Java EE アプリケーションやモジュール用に生成されたファイル。たとえば、EJB スタブ、コンパイル済みの JSP クラス、セキュリティーポリシーファイル。このディレクトリは、applications ディレクトリと同様に同期化されます。したがって、サーバーインスタンスによって参照されるアプリケーションに対応するディレクトリのみが同期化されます。 

liblib/classes

ドメイン全体に配備されたアプリケーションに使用される共通の Java クラスファイルまたは jar および zip アーカイブを置くことができるフォルダ。これらのクラスは、Application Server のクラスローダーを使用してロードされます。クラスローダーでのロード順序は次のとおりです。 lib/classeslib/*.jar lib/*.zip

lib/ext

ドメイン全体に配備されたアプリケーションによって使用される Java 拡張クラスを (jar または zip アーカイブとして) 置くことができるフォルダ。これらの jar ファイルは、Java 拡張メカニズムを使用してロードされます。 

lib/applibs

依存する jar ファイルを domains/<domain_name>lib/applibs の下に配置し、libraries オプションを使用して jar ファイルへの相対パスを指定します。

たとえば、asadmin deploy --libraries commons-coll.jar,X1.jar foo.ear のようにします。

java-web-start

このディレクトリ (およびサブディレクトリ) の各部分が、サーバーインスタンスから参照されるアプリケーションに基づいて同期化されます。