Sun GlassFish Communications Server 1.5 高可用性 (HA) 管理ガイド

融合ロードバランサ

融合ロードバランサは HTTP/HTTPS および SIP/SIPS 要求の両方を受け入れ、クラスタ内のアプリケーションサーバーインスタンスに転送します。ネットワーク障害のためにインスタンスが失敗して使用不可になるか、または応答しなくなると、ロードバランサは要求を既存の使用可能なマシンにリダイレクトします。ロードバランサはまた、障害が起きたインスタンスが復旧したことを認識し、それに応じて負荷を再配分することもできます。Communications Server は融合ロードバランサを提供します。クラスタ (Communications Server インスタンスの) またはスタンドアロンインスタンスは、専用ロードバランサになります。クラスタ内の各インスタンスは負荷分散にかかわることができます。この場合、クラスタは「自己負荷分散」です。

ロードバランサによって、ワークロードが複数の物理マシンに分散されるため、全体的なシステムスループットが向上します。HTTP および SIP 要求のフェイルオーバーを通して、より高い可用性も提供されます。融合ロードバランサは、システム配備のスケーラビリティーの実現にも役立ちます。

状態を持たない単純なアプリケーションであれば、負荷分散されたクラスタで十分なこともあります。しかし、セッション状態を持ったミッションクリティカルなアプリケーションの場合は、負荷分散されたクラスタを複製セッション持続性とともに使用します。

負荷分散にかかわるサーバーインスタンスとクラスタは、同種の環境を確保する必要があります。

融合ロードバランサの負荷分散およびフェイルオーバーの設定については、第 2 章融合負荷分散の設定を参照してください。