OpenBoot 3.x コマンド・リファレンスマニュアル

はじめに

OpenBoot 3.xコマンド・リファレンスマニュアル』では、IEEE Standard 1275-1994『 Standard For Boot Firmware』に準拠するファームウェアを実装した Sun(TM) のシステムの使用方法について説明します。

本書では、OpenBoot(TM) ファームウェアを使用して次の作業を行う方法について説明します。

Forth プログラムを作成したり、このファームウェアの (デバッグ機能などの) より高度な機能を使用する読者のために、本書ではさらに OpenBoot の Forth インタプリタのコマンドについても説明します。

対象読者

本書は、OpenBoot を使用して SBus および PCI ベースのシステムの構成やデバッグを実施しようとするシステム設計者からシステム管理者、およびエンドユーザーにいたるまで、すべてのユーザーを対象としています。

お読みになる前に

本書に記載されている情報は、バージョン 3.x の OpenBoot を使用するシステムを前提としています。OpenBoot の実装によっては、プロンプトや書式が異なる場合があり、本書で説明するツールと機能の一部をサポートしていない場合もあります。

本書の構成

第 1 章「概要」では、OpenBoot のユーザーインタフェース、およびそのほかの主要な機能について説明します。

第 2 章「システムの起動とテスト」では、OpenBoot を使用する最も一般的な作業を説明します。

第 3 章「システム変数の設定」では、NVRAM 変数を使ってどのようにシステム管理作業を行なうかについて、詳細に説明します。

第 4 章「Forth ツールの使用方法」では、OpenBoot の Forth 言語の基本、および高度な機能について説明します。

第 5 章「プログラムの読み込みと実行」では、(Ethernet、ディスク、シリアルポートなどの) 様々なソースからプログラムを読み込み、実行する方法について説明します。

第 6 章「デバッグ」では、逆コンパイラ、Forth のソースレベルデバッガ、ブレークポイントを含む OpenBoot のデバッグ機能について説明します。

付録 A 「TIP 接続の設定」では、シリアルポートを使用してシステムをサンの別のシステムに接続する方法について説明します。

付録 B 「起動可能なフロッピーディスクの作成」では、プログラムやファイルを読み込めるる起動可能なフロッピーディスクを作成する方法について説明します。

付録 C 「障害追跡ガイド」では、オペレーティングシステムを起動できない代表的な状況に対する解決方法について検討します。

付録 D 「Sun Ultra 5/10 UPA/PCI システム」では、Sun Ultra 5/10 システムの PCI 関連の情報を示します。

付録 E 「Sun Ultra 30 UPA/PCI システム」では、Sun Ultra 30 システムの PCI 関連の情報を示します。

付録 F 「Sun Ultra 60 UPA/PCI システム」では、Sun Ultra 60 システムの PCI 関連の情報を示します。

付録 G 「Sun Ultra 250 UPA/PCI システム」では、Sun Ultra 250 システムの PCI 関連の情報を示します。

付録 H 「Sun Ultra 450 UPA/PCI システム」では、Sun Ultra 450 システムの PCI 関連の情報を示します。

付録 I 「Forth ワードリファレンス」には、現在サポートされているすべての OpenBoot の Forth コマンドを示します。

関連マニュアル

本書と関連するマニュアルは、次のとおりです

OpenBoot FCode の詳細については、次を参照してください。

オープンファームウェアの詳細については、次を参照してください。

「IEEE Standard 1275-1994 Standard for Boot (Initialization, Configuration) Firmware, Core Requirements and Practices (IEEE Order Number SH17327. 1-800-678-4333.)」http://playground.sun.com/1275.も参照してください。

Forth 言語についての詳細は、次の刊行書をお読みください。

http://forth.org/fig.html

書体と記号について

このマニュアルで使用する書体と記号について説明します。

表 P-1 このマニュアルで使用している書体と記号

字体または記号 

意味 

例 

AaBbCc123

コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コーディング例。 

.login ファイルを編集します。

ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。

system% You have mail.

AaBbCc123

ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して表します。 

system% su

password:

AaBbCc123

コマン行の可変部分。実際の名前または実際の値と置き換えてください。 

rm filename と入力します。

『 』 

参照する書名を示します。 

『SPARCstorage Array ユーザーマニュアル』 

「 」 

参照する章、節、または強調する単語を示します。 

第 6 章「データの管理」を参照してください。 

この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 

%

UNIX の C シェルのプロント。 

system%

$

UNIX の Bourne シェルとKorn シェルのプロンプト。 

system$

#

スーパーユーザーのプロンプト ( シェルの種類を問わな問わない)。 

system#

¥

枠で囲まれたコーディング例で、テキストがページ行幅をこえる場合、バックスラッシュは継続を示します。 

grep `^#define ¥
  XV_VERSION_STRING'