Solaris 8 インストールガイド (SPARC 版)

インストールの計画と設定

Solaris Web Start の実行方法

Solaris Web Start は 2 つの方法で実行できます。

操作手順や設定内容は、どちらのユーザーインタフェースもほとんど同じです。両者の違いを次の例で示します。


例 1-1 グラフィカルユーザーインタフェースの「時間帯 (Time Zone)」画面

Graphic

例 1-2 コマンド行ユーザーインタフェースの「時間帯 (Time Zone)」メニューとプロンプト


デフォルトの時間帯を指定する方法を選択してください。
 
時間帯の指定: 
 
1. 地域
2. GMT との時差
3. 時間帯ファイル
 
   希望する時間帯の指定方法を対応する番号で入力してください [1]: 

どちらのインタフェースが使用されるかの基準

Solaris Web Start は、システムにフレームバッファーがあることを検出するとグラフィカルユーザーインタフェースを使用し、フレームバッファーがないことを検出するとコマンド行ユーザーインタフェースを使用します。

インストールを計画する方法


注 -

このマニュアルで説明する手順は、CD を使って Solaris 8 ソフトウェアをインストールする場合の手順です。ネットワークを介して Solaris 8 ソフトウェアをインストールする場合には、手順が異なる場合があります。


  1. 次の表に従い、最初に行うべき手順に進みます。

    Solaris のインストールに使用する装置 

    手順 

    使用するシステムに接続されたローカル CD-ROM ドライブ 

    手順 2

    ネットワーク上のリモート CD-ROM ドライブ 

    Solaris 8 のインストール (上級編)』、およびこの章とこの後の各章で説明する手順

  2. 既存の Solaris がシステムに

  3. 使用するハードウェアがサポートされているかどうかを確認します。

    Solaris 8 Sun ハードウェアマニュアル』を参照してください。

  4. 使用するシステムがネットワークに接続されている場合は、Solaris オペレーティング環境をインストールするシステムに関し次の情報を収集します。


    注 -

    Solaris がまだシステムにインストールされていない場合は、ネットワークの管理を担当するシステム管理者などから次の情報を入手してください。


    必要なネットワーク情報 

    例 

    情報収集に使用するコマンド (Solaris がインストールされている場合) 

    ホスト名 

    crater

    uname -n

    ホスト IP アドレス 

    129.221.2.1

    ypmatch system_name hosts

    または 

    nismatch system_name hosts.org_dir

    サブネットマスク 

    255.255.255.0

    more /etc/netmasks

    ネームサービスの種類 (DNS、NIS、NIS+) 

    passwd:     files nis
    group:      files nis
    
    hosts:      xfn nis [NOTFOUND=return] files
    networks:   nis [NOTFOUND=return] files
    protocols:  nis [NOTFOUND=return] files
    rpc:        nis [NOTFOUND=return] files
    ethers:     nis [NOTFOUND=return] files
    netmasks:   nis [NOTFOUND=return] files	
    bootparams: nis [NOTFOUND=return] files
    publickey:  nis [NOTFOUND=return] files
    
    netgroup:   nis
    
    automount:  files nis
    aliases:    files nis
    
    services:   files nis
    sendmailvars:   files

    cat /etc/nsswitch.conf

    ドメイン名 

    lbloom.West.Arp.COM

    domainname

    ネームサーバーのホスト名 

    thor75

    ypwhich

    ネームサーバーのホスト IP アドレス 

    129.153.75.20

    ypmatch nameserver_name hosts

    または 

    nismatch nameserver_name hosts.org_dir

  5. 次のソフトウェアグループのうちどれをインストールするかを決め、すべてのソフトウェアをインストールするのに必要なディスク容量を判断します。

    • Solaris ソフトウェアグループ

      ソフトウェアグループ 

      推奨するディスク容量 

       全体ディストリビューションと OEM サポート 2.4G バイト
       全体ディストリビューション 2.3G バイト
       開発者システムサポート 1.9G バイト
       エンドユーザーシステムサポート 1.6G バイト


      注 -

      スワップ空間はディスク容量の推奨値に含まれています。スワップ空間は少なくとも 320M バイト必要ですが、使用可能なメモリーやその他の要因によってはさらに必要になることがあります。Solaris Web Start は、スワップ空間にデフォルトで 512M バイトを割り当てます。


    • 追加ソフトウェア

      必要なディスク容量については、該当するマニュアルを参照してください。

    • ベンダー (Sun 以外) のソフトウェア

      ベンダー (Sun 以外) のソフトウェアのマニュアルを参照してください。

    • ホームディレクトリの容量

      ホームディレクトリには、メール、テキストファイルやデータファイル、アプリケーションファイルなどのユーザーファイルを保存できることを考慮してください。

  6. Solaris のインストールに使用する言語を選択します。

    プロンプトやメッセージなどのインストール情報を表示する言語を次の中から選択できます。

    • 日本語

    • 英語

    • 中国語 (簡体字)

    • 中国語 (繁体字)

    • 韓国語

    • フランス語

    • ドイツ語

    • イタリア語

    • スペイン語

    • スウェーデン語

  7. 次の CD が手元にあるか確認します。

    • Solaris 8 INSTALLATION MULTILINGUAL CD (SPARC)

    • Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) および Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD (SPARC)

    • Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC)

インストールを設定する方法

  1. Solaris ソフトウェアを tip(1) 接続を使用して

    • インストールしない場合は、次の手順に進みます。

    • インストールする場合は、ウィンドウ表示が横 80 桁、縦 24 行以上あるか確認します。


      注 -

      tip ウィンドウの現在の大きさを調べるには、stty(1) コマンドを使用します。


  2. Solaris 8 INSTALLATION MULTILINGUAL CD (SPARC) をシステムの CD-ROM ドライブに入れます。

    トレイ式 CD-ROM ドライブの場合 

    キャディ式 CD-ROM ドライブの場合 

    1. ドライブの正面パネルの取り出しボタンを押します。トレイが出てきます。

      Graphic
    2. Solaris 8 INSTALLATION MULTILINGUAL CD (SPARC) をロゴの面を上にしてトレイにのせます。

    3. CD-ROM ドライブにトレイを押し戻します。

    1. キャディの角をつかみながら中央の蓋を持ち上げて、キャディを開きます。

      Graphic
    2. Solaris 8 INSTALLATION MULTILINGUAL CD (SPARC) をロゴの面を上にしてキャディに入れ、キャディを閉じます。

      Graphic
    3. キャディの矢印が CD-ROM ドライブ方向に向くようにして、CD-ROM ドライブにキャディを挿入します。

      Graphic

  3. システムをブートします。

    既存システムの有無 

    必要な操作 

    なし (新規インストール) 

    システムの電源を入れます。 

    あり 

    スーパーユーザーで halt と入力するか、Stop キーと A キーを同時に押して ok プロンプトを表示し、次のように入力します。

    boot cdrom

    • 次のような情報が表示されます。


      Boot device: /sbus/espdma@e,8400000/esp@e,8800000/sd@6,0:f  File and args:
      SunOS Release 5.8 Version Generic 32-bit
      Copyright 1983-2000 Sun Microsystems, Inc.  All rights reserved.
      Configuring /dev and /devices
      Using RPC Bootparams for network configuration information.
      le0: No carrier - cable disconnected or hub link test disabled?
      Solaris Web Start 3.0 installer
       
      The Solaris Installer can be run in English, or any of the following languages:
       
        1) English           6) Japanese
        2) German            7) Korean
        3) Spanish           8) Swedish
        4) French            9) Simplified_Chinese
        5) Italian          10) Traditional_Chinese
       Select the language you want to use to run the installer:
  4. プロンプトやメッセージなどのインストール情報の表示に使用する言語の番号を入力します。共通デスクトップ環境が起動され、コンソールに次のような情報が選択された言語で表示されます。


    インストールを行う言語として日本語が選択されています。
    Solaris Web Start 3.0 Installer を開始しています
     
    Solaris Installer が、Solaris インストールプログラム
    ソフトウェアを置くシステムハードディスクを検索中です。
     
    システムはアップグレード可能のようです。
    「初期インストール」と「アップグレード」のどちらを実行しますか?
     
      1) 初期インストール
      2) アップグレード
      1 または 2 を入力してください >
  5. プロンプトで初期インストールの「1」を選択し、Return キーを押します。

    次のような情報が表示されます。


    デフォルトのルートディスクは /dev/dsk/c0t0d0 です。
    Solaris Installer が Solaris をインストールするために 
    /dev/dsk/c0t0d0 をフォーマットする必要があります。
    
    警告: ディスク上の情報がすべて消去されます。
     
     
    /dev/dsk/c0t0d0 をフォーマットしますか?  [y,n,?,q] 
  6. プロンプトで「y」を入力し、Return キーを押します。

    次のような情報が表示されます。


    注: ファイルシステムの配置中には swap サイズを変更できません。
     
     
    swap スライスのサイズを 414MB から 4101MB の範囲で入力してください。デフォルト = 512MB [?] 
  7. プロンプトで Return キーを押してデフォルトのスワップスライスサイズを使用するか、必要なスワップスライスサイズを入力して Return キーを押します。

    次のような情報が表示されます。


    Solaris Installer は、ディスクの先頭に swap スライスを配置しようとします。
    そのようにすると、これより後のインストール処理で、もっとも柔軟にファイル
    システムをパーティション分割することができます。
     
    ディスクの先頭から swap スライスを作成しますか?  [y,n,?,q] 
  8. スワップスライスをディスクのどこに置くかを決めます。ディスクの先頭にスワップスライスを配置すると、ファイルシステムをパーティション分割するときの柔軟性が増し、ディスクをアクセスする効率が向上します。

    • スワップスライスをディスクの先頭に置く場合は、「y」を入力し、Return キーを押してから 手順 10 に進みます。

    • 先頭に置かない場合は、「n」を入力し、Return キーを押します。

    次のような情報が表示されます。


    警告: 0 以外のシリンダに swap スライスを配置するには、ディスク配置についての
    高度な知識が必要です。ここでどのシリンダを選択するかによって、これより後の
    インストール処理で選択するディスク配置に影響します。
     
    0 から 2043 の間で、開始シリンダを入力してください。デフォルトの開始シリンダは
    0 です。 [?]
  9. Return キーを押してデフォルトの開始シリンダを使用するか、必要な開始シリンダを入力して Return キーを押します。

    次のような情報が表示されます。


    以下が Solaris Installer で使用されます:
     
            ディスクスライス : /dev/dsk/c0t0d0
            swap サイズ     : 512 MB
            開始シリンダ     : 0
     
    警告: ディスク上の情報がすべて消去されます。
     
     
    これでよろしいですか?  [y,n,?,q]
  10. プロンプトで「y」を入力し、Return キーを押します。

    次のような情報が表示されます。


    Solaris Installer はディスクスライス /dev/dsk/c0t1d0s1 
    を使用します。ファイルがコピーされた後にシステムが自動的にリブートされ、
    インストール処理が継続されます。
    お待ちください...
     
    ミニルートをローカルディスクにコピー中です。...完了しました。
     
     
    プラットフォーム固有のファイルをコピー中です。...完了しました。
     
    リブートとインストール処理の継続のために準備しています。
    インストールを継続するためにリブート中です
    Syncing file systems... 41 done
    rebooting...
         Sun Ultra 1 SBus (UltraSPARC 143MHz), Keyboard Present
         OpenBoot 3.5, 64 MB memory installed, Serial #9058749.
         Ethernet address 8:0:20:8d:35:a5, Host ID: 808d35a5.
     
     
     
    Rebooting with command: boot /sbus@1f,0/espdma@e,8400000/esp@e,8800000/sd@0,0:b
    Boot device: /sbus@1f,0/espdma@e,8400000/esp@e,8800000/sd@0,0:b  File and args:
    SunOS Release 5.8 Version Generic 32-bit
    Copyright 1983-2000 Sun Microsystems, Inc.  All rights reserved.
    Configuring /dev and /devices
    Using RPC Bootparams for network configuration information.
    le0: No carrier - cable disconnected or hub link test disabled?

    数秒後に「ようこそ (Welcome)」画面が表示されます。

    Graphic
  11. 第 2 章「Solaris Web Start の使い方」へ進みます。