Solaris 8 マニュアルの概要

Solaris 8 Software Developer Collection - Japanese [Solaris 8 Software Developer Collection]

このコレクションには、Solaris 環境で作業するソフトウェア開発者に関連するマニュアルが含まれています。表 4-8 でマニュアルの内容を簡単に説明します。

表 4-8 Solaris 8 Software Developer Collection - Japanese [Solaris 8 Software Developer Collection]

SDK マニュアル 

説明 

Application Packaging Developer's Guide

アプリケーションパッケージの設計、構築、および検証を行う手順と、これらの作業に関連する情報を提供します。また、パッケージを作成する際に役立つ高度なテクニックを実例付きで紹介します。 

Federated Naming Service Programming Guide

複数の自律的な命名 (ネーミング) システムを自由に組み合わせて単一のネーミングサービスへと再構成し、統一されたわかりやすいネーミングインタフェースによってネーミングサービスを利用できるようにする方法を説明します。 

IA-32 Assembly Language Reference Manual

Intel 32 ビットプロセッサアーキテクチャ (IA-32) 用のコードを生成し、アセンブリ言語形式のソースファイルをリンク形式のオブジェクトファイルに変換するアセンブラについて説明します。このマニュアルの内容は Solaris 7 ソフトウェアに基づいています。 

Java 2 SDK 開発ガイド (Solaris 編)

Solaris 8 オペレーティング環境で JavaTM を使用するための情報について、Java 開発者向けに説明します。このマニュアルでは、Solaris における Java の新しい構成要素についての概要と開発者が受ける恩恵を説明します。また、互換性とスタイルの問題も説明します。

JDK 1.1 開発ガイド (Solaris 編)

開発者向けに Solaris 2.6、Solaris 7、および Solaris 8 オペレーティング環境の Java を使用する際の情報を説明します。開発者に役立つ Solaris 上の重要な Java コンポーネントの概要と機能説明、およびユーザーのアプリケーションで最適な性能を得るための Solaris 上での Java の使用方法を記述しています。さらに、互換性の問題やスタイルの問題についても説明します。 

JFP 開発ガイド

Solaris 上で日本語の処理を行うアプリケーションを開発する方のために、日本語処理で使用できる国際化・日本語化プログラミングインタフェースを扱う方法について説明します。 

ONC+ 開発ガイド

遠隔手続き呼び出し (RPC) と NIS+ (Network Information Service Plus) のためのプログラミングインタフェースについて説明します。RPC および NIS+ は、Sun が開発した ONC+TM 分散サービスの一部です。

このマニュアルを参考にして、既存のスタンドアロンコンピュータ用アプリケーションをネットワーク対応の分散型アプリケーションに変換したり、分散型アプリケーションの開発や実装を行なったりすることができます。 

Solaris 64 ビット 開発ガイド

主にアプリケーション開発者向けに書かれています。このマニュアルでは、32 ビットまたは 64 ビットのどちらの Solaris アプリケーションプログラミング環境を使用すべきかについて説明します。このマニュアルでは、32 ビットと 64 ビットのアプリケーション環境間の類似点と相違点について説明し、2 つの環境間で移植可能なコードを作成する方法について説明します。また、64 ビットアプリケーションの開発用にオペレーティングシステムが提供しているいくつかのツールについても説明します。 

Solaris X Window System 開発ガイド

Solaris X サーバーとのインタフェースに関心があるソフトウェア開発者のために詳細な情報を提供します。このマニュアルから、Solaris X サーバーの機能、DPS 画像システム、サポートされるディスプレイデバイス、認証スキーマとサーバー接続用プロトコル、X コンソーシアムのサンプルサーバーとの相違点や強化点などについて詳細な情報を得ることができます。 

Solaris モジューラデバッガ

Solaris オペレーティング環境における新しい汎用デバッグツールである Solaris モジューラデバッガ (MDB) について説明します。MDB の第 1 の特徴はその拡張性です。このマニュアルでは、MDB を使用して、複雑なソフトウェアシステムをデバッグする方法について説明します。特に、Solaris カーネルおよび関連するデバイスドライバやモジュールのデバッグに利用できる機能について説明します。また、このマニュアルには、MDB 言語構文、デバッガの機能、および MDB モジュールプログラミング API について説明します。 

Source Compatibility Guide

SunOS/BSD ソース互換パッケージのインストール、使用法、コンポーネントについて説明します。別売の SunOS/BSD ソース互換パッケージは、SunOS 5.0 オペレーティングシステム (および、その互換バージョン) では提供されない、数多くの SunOS 4.0 オペレーティングシステム (および、その互換バージョン) と BSD インタフェースを提供します。さらに、SunOS 4.0 オペレーティングシステム (および、その互換バージョン) と SunOS 5.0 オペレーティング (および、その互換バージョン) で機能が異なるインタフェースも提供します。 

SPARC Assembly Language Reference Manual

アセンブリ言語で書かれたソースファイルをリンク形式のオブジェクトファイルに変換し、SPARC アーキテクチャで実行するためのアセンブラについて説明します。このマニュアルの内容は、Solaris 7 ソフトウェアに基づいています。 

STREAMS Programming Guide

Solaris 環境の UNIX システム通信サービスで使われる STREAMS 機能全般について紹介します。STREAMS の機構、モジュール、ドライバ、パイプ、ポーリング、シグナリング (信号)、および多重化について説明し、サンプルコードも含んでいます。 

ToolTalk ユーザーズガイド

ToolTalk サービスについて説明します。また、ToolTalk メッセージを送受信するためのアプリケーションの修正方法についても説明します。このマニュアルは、ToolTalk サービスを使って、他のアプリケーションとやり取りするプログラムを作成または管理するソフトウェア開発者を対象としています。また、ワークステーションを設定するシステム管理者にも役立つ情報が書かれています。このマニュアルは、Solaris オペレーティング環境コマンド、システム管理者用コマンド、およびシステム用語に慣れていることを前提としています。 

WebNFS Developer's Guide

Solaris 7 で初めて同梱されたマニュアルで、次の内容について説明します。

  • 100% 純粋な Java 互換を提供する Java アプリケーションに対して、リモートファイルシステムアクセスを最初に実装する、拡張ファイルシステム (XFile) API 用の NFS クラス

  • 複数のファイルシステム形式の共通インタフェースを提供し、ファイルシステム実装の動的ロードを可能にする、拡張ファイルシステム XFile の API クラス。API はファイルやファイルシステム固有の情報を利用する手段も提供する

  • Java の WebNFSTM クライアント SDK。ローカルおよびリモートのファイルアクセスに対して、同じユーザーインタフェースを使用するファイルを利用できる Java クラスのライブラリを含む

  • XFile API に基づいてファイルを選択するための GUI を提供する XFileChooser JavaBeansTM 構成要素

Writing Device Drivers

Solaris オペレーティング環境における文字型デバイス、ブロック型デバイス、および SCSI HBA デバイス用のデバイスドライバを開発する方法について説明します。このマニュアルでは、Solaris DDI/DKI に準拠するすべてのアーキテクチャ用にマルチスレッド化された再入可能なデバイスドライバを開発する方法について説明します。また、プラットフォームに固有な問題 (エンディアンやデータの順番など) を気にせずにドライバを作成できる、共通ドライバプログラミングアプローチについて説明します。さらに、Solaris ドライバの 64 ビット環境への移植、クラスタ認識ドライバ、および強化ドライバについても説明します。 

国際化対応言語環境の利用ガイド

Solaris 8 オペレーティング環境における新しい国際化機能について説明します。このマニュアルには、Solaris 8 ソフトウェアを使用して、さまざまな言語や文化慣習をサポートするソフトウェア製品を構築するための重要な情報が入っています。このマニュアルには、Solaris 8 ソフトウェアを使用して、国際市場向けのアプリケーションを作成するための開発者向けのガイドラインやヒントが入っています。また、より詳細なマニュアルへの参照ポインタも入っています。 

システムインタフェース

アプリケーションプログラミングインタフェース (API) の主要な要素について解説しているマニュアルの中では、このマニュアルが最も一般的な内容を説明します。API の概念から始まり、プロセス制御、スケジューリング制御、ファイルの入出力、System V のプロセス間通信、メモリー管理、および実行時インタフェースについて説明します。 

関連マニュアルには、『STREAMS Programming Guide』、『マルチスレッドのプログラミング』、『ネットワークインタフェース』などがあります。

ネットワークインタフェース

アプリケーション開発者がネットワークアプリケーションを構築するために必要な基本的なインタフェースについて説明します。これらのアプリケーションには、インターネットドメインソケット、XTI と TLI、転送選択、および名前とアドレス間のマッピングが含まれます。また、他の基本的なネットワーク技術についても説明します。より高いレベルのネットワークインタフェースについては、『ONC+ 開発ガイド』を参照してください。

マルチスレッドのプログラミング

POSIX および Solaris の各スレッド用 API、同期オブジェクトによるプログラミング、マルチスレッドプログラムのコンパイル、およびマルチスレッドプログラム用分析ツールの選び方について説明します。 

このマニュアルは、マルチスレッド化によってプロセスを複数の独立した実行スレッドに分割し、アプリケーションの性能と構造の改善を期待する開発者を対象とします。 

リンカーとライブラリ

Solaris リンカーと実行時リンカーの操作方法や作業対象となるオブジェクトの操作について説明します。主に、リンカー ld(1)、実行時リンカー ld.so.1(1)、共用オブジェクト (共用ライブラリとも呼ばれる)、および ELF オブジェクトファイル形式について説明します。