Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

デフォルトの Solaris ファイルシステム

Solaris ファイルシステムは階層構造になっており、ルートディレクトリ (/) から始まり、下位に多数のディレクトリが形成されています。Solaris のインストールプロセスは、デフォルトのディレクトリセットをインストールし、一連の規則を適用して類似するタイプのファイルをグループ化します。表 34-2 に、デフォルトの Solaris ファイルシステムの概要と、各ファイルシステムのタイプを示します。

システムを動作させるには、ルート (/) と /usr のファイルシステムが必要です。/usr ファイルシステムに置かれている最も基本的なコマンドの一部 (mount など) は、システムのブート時や、システムがシングルユーザーモードで実行しており、/usr ファイルシステムがマウントされていない場合でも使用できるように、ルート (/) ファイルシステムにも置かれています。デフォルトディレクトリのリストについては、第 40 章「UFS ファイルシステム (参照情報)」を参照してください。

表 34-2 デフォルトの Solaris ファイルシステム

ファイルシステムまたはディレクトリ 

ファイルシステムのタイプ 

説明 

ルート (/)

UFS 

階層ファイルツリーの最上位。ルートディレクトリには、カーネル、デバイスドライバ、システムのブートに使用されるプログラムなど、システム処理に欠かせないディレクトリとファイルが入っている。また、ローカルとリモートのファイルシステムをファイルツリーに接続できるマウントポイントディレクトリも入っている。 

/usr

UFS 

他のユーザーと共有できるシステムファイルとディレクトリ。特定のタイプのシステム上でのみ実行できるファイルは、/usr ディレクトリに入っている (SPARC 実行可能ファイルなど)。どのタイプのシステム上でも使用できるファイル (マニュアルページなど) は、/usr/share に入っている。

/export/home または /home

NFS、UFS 

ユーザーのホームディレクトリのマウントポイント。ホームディレクトリには、そのユーザーの作業ファイルが格納される。デフォルトでは、/home は自動マウントされるファイルシステムである。スタンドアロンシステム上では、/home はローカルディスクスライス上の UFS ファイルシステムの場合がある。

/var

UFS 

ローカルシステムの使用中に変化または拡大する可能性のあるシステムファイルとディレクトリ。これには、システムログ、viex のバックアップファイル、および uucp ファイルが含まれる。

/opt

NFS、UFS 

オプションの Sun 以外のソフトウェア製品のマウントポイント。システムによっては、/opt がローカルディスクスライス上の UFS ファイルシステムの場合がある。

/tmp

TMPFS 

システムがブートされるたびにまたは /tmp ファイルシステムがマウント解除されるたびに消去される一時ファイル

/proc

PROCFS 

アクティブなプロセスの番号別リスト