Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

一時ファイルシステム (TMPFS) の作成

一時ファイルシステム (TMPFS) は、ファイルシステムの読み取りと書き込みにローカルのメモリーを使用します。そのため、一時ファイルシステムは、UFS ファイルシステムに比べはるかに高速です。TMPFS ファイルシステムを使用すると、ローカルディスク上で、あるいはネットワーク経由で一時ファイルの読み書きを行う際のオーバヘッドが軽減されるのでシステムのパフォーマンスを向上できます。TMPFS ファイルシステム内のファイルは、リブートまたはマウント解除すると削除されます。

複数の TMPFS ファイルシステムを作成した場合は、すべてのファイルシステムが同じシステム資源を使用するということに注意してください。mount コマンドの -o size オプションを使用して TMPFS のサイズを制限しないと、ある TMPFS ファイルシステムで作成されたファイルが、他の TMPFS のための領域を使い切ってしまう可能性があります。

詳細は、tmpfs(7FS) のマニュアルページを参照してください。

TMPFS ファイルシステムを作成する方法

  1. スーパーユーザーになります。

  2. 必要に応じて、TMPFS ファイルシステムをマウントしたいディレクトリを作成し、アクセス権と所有権を設定します。

  3. TMPFSファイルシステムを作成します。

    ブート時に一時ファイルシステムを自動的に作成するようにシステムを設定するには、「例 - ブート時に TMPFS ファイルシステムを作成する」を参照してください。


    # mount -F tmpfs -o size=number swap mount-point
    

    -o size=number

    TMPFS ファイルシステムのサイズを M バイト単位で指定する。 

    mount-point

    TMPFS ファイルシステムとしてマウントするディレクトリを指定する。 

  4. mount コマンドからの出力を調べて、TMPFS ファイルシステムが作成されていることを確認します。


    # mount -v
    

例 - TMPFS ファイルシステムを作成する

次の例は、新しいディレクトリ /export/reports を作成し、そのマウントポイントに TMPRS ファイルシステムをマウントして、50M バイトに制限します。


# mkdir /export/reports
# chmod 777 /export/reports
# mount -F tmpfs -o size=50 swap /export/reports

例 - ブート時に TMPFS ファイルシステムを作成する

ブート時にシステムが自動的に TMPFS ファイルシステムを作成するようにするには、/etc/vfstab ファイルにエントリを追加します。次の例は、システムのブート時に TMPFS ファイルシステムを /export/test に作成する /etc/vfstab ファイルのエントリを示します。size=number オプションを指定していないため、/export/test の TMPFS ファイルシステムのサイズは利用できるシステム資源によって制限されます。


swap - /export/test  tmpfs   -  yes  -

/etc/vfstab ファイルについての詳細は、/etc/vfstab ファイルのフィールドの説明」を参照してください。