Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

ファイルシステムをコピーするためのコマンド

ファイルシステム全体をバックアップして復元したいときは、第 45 章「ufsdump コマンドと ufsrestore コマンド (参照情報)」で説明した ufsdump コマンドと ufsrestore コマンドを使用します。個々のファイル、ファイルシステムの一部、またはファイルシステム全体をコピーまたは移動したいときは、ufsdumpufsrestore の代わりに、この章で説明する手順を使用できます。

表 46-1 に、各種バックアップコマンドの用途を示します。

表 46-1 バックアップコマンドの用途

目的 

使用するコマンド 

参照ページ 

ファイルシステムをテープにバックアップする 

ufsdump(1M)

「テープにバックアップをとる方法」

ファイルシステムをテープから復元する 

ufsrestore(1M)

「ファイルシステム全体を復元する方法」

ファイルを他のシステムに転送する 

pax(1), tar(1), cpio(1)

「ファイルとファイルシステムをテープにコピーする」

ファイルまたはファイルシステムをディスクにコピーする 

dd(1M)

「ディスクをクローン化する方法 (dd)」

ファイルをフロッピーディスクにコピーする 

tar(1)

「ファイルを 1 枚のフォーマット済みフロッピーディスクにコピーする方法 (tar)」

表 46-2 に、各種のバックアップコマンドと復元コマンドを示します。

表 46-2 バックアップコマンドの概要

コマンド名 

ファイルシステム境界の認識 

複数ボリュームバックアップのサポート 

物理コピー / 論理コピー 

volcopy

する 

する 

物理 

tar

しない 

しない 

論理 

cpio

しない 

する 

論理 

pax

する 

する 

論理 

dd

する 

しない 

物理 

ufsdump/ufsrestore

する 

する 

論理 

次の節では、各方法の長所と短所を説明し、コマンドの使用例を示します。