Solaris のシステム管理 (第 1 巻)

汎用マウントオプション

表 36-3 に、mount コマンドの -o オプションで指定できる汎用マウントオプションを示します。複数のオプションを指定する場合は、-o ro,nosuid のようにコンマ (空白を入れない) で区切ります。

各ファイルシステムタイプで指定可能なマウントオプションのリストについては、各マウントコマンドのマニュアルページ (たとえば、mount_ufs(1M)) を参照してください。

表 36-3 -o で指定する汎用マウントオプション

オプション 

ファイルシステム 

説明 

bg | fg

NFS 

最初の試行に失敗すると、バックグラウンド (bg) またはフォアグラウンド (fg) で再試行する。このオプションは重要でない vfstab エントリには安全である。デフォルトは fg

hard | soft

NFS 

サーバーが応答しない場合の手続きを指定する。soft は、エラーが返されることを示す。hard は、サーバーが応答するまで再試行要求が継続されることを示す。デフォルトは hard

intr | nointr

NFS 

ハードマウントされたファイルシステムに関する応答を待って実行を停止しているプロセスを、キーボード割り込みで強制終了できるかどうかを指定する。デフォルトは intr (割り込み可能)。

largefiles | nolargefiles

UFS 

2G バイトを超えるファイルを持つことができるようにする。largefiles オプションでマウントされたファイルシステムは、2G バイトを超えるファイルを格納できる (必須ではない)。デフォルトは largefileslargefiles オプションを指定した場合、UFS ファイルシステムは Solaris 2.6 (またはその互換バージョン) が動作しているシステムにはマウントできない。

logging | nologging

UFS 

ファイルシステムのロギングを有効にする。UFS ロギングとは、トランザクション (完全な UFS 処理を構成する変更) をログに保存してから、そのトランザクションを UFS ファイルシステムに適用するプロセスである。ロギングを使用すると、UFS ファイルシステムの整合性を保つことができる。つまり、fsck を省略できることを意味する。fsck を省略すると、システムがクラッシュしたとき、あるいはシステムをきれいにシャットダウンできなかったとき、システムをリブートする時間を省ける。

ログはファイルシステムの空きブロックから、1G バイトのファイルシステムごとに約 1M バイトのサイズ (合計で 64M バイトまで) が割り当てられる。デフォルトは nologging

noatime

UFS 

ファイルのアクセス時間更新を抑制する。ただし、ctime または mtime の更新が同時に行れると場合を除く。stat(2) を参照。このオプションによって、アクセス時間が重要でないファイルシステム (たとえば、Usenet ニューススプール) でのディスクに対する動作が減る。デフォルトでは、通常アクセス時間 (atime) が記録される。

remount

All 

読み取り専用のファイルシステムを読み書き可能として (rw オプションで) 再マウントする。このオプションは、flogging | nologging、および m オプションと組み合わせる場合にだけ指定できる。このオプションは現在マウントされている読み取り専用のファイルシステムに対してのみ動作する。

retry=n

NFS 

マウント処理に失敗した場合に再試行する。n は再試行回数。

ro | rw

CacheFS, NFS, PCFS, UFS, S5FS 

読み取り/書き込みまたは読み取り専用と指定する。このオプションを指定しない場合のデフォルトは読み取り/書き込み。HSFS のデフォルトのオプションは ro

suid | nosuid

CacheFS, HSFS, NFS, S5FS, UFS 

setuid 実行を許可または禁止する。デフォルトは、setuid 実行を許可する。