アクセスするたびにファイルシステムを手動でマウントするのは、時間がかり、またまちがいが起こりやすい作業です。この問題を解決するために、仮想ファイルシステムテーブル (/etc/vfstab ファイル) が作成されました。このファイルに、マウントするファイルシステムとそのマウント方法が指定されます。/etc/vfstab ファイルは、2 つの重要な機能を持っています。1 つは、システムブート時に自動的にマウントするファイルシステムを指定できることです。もう 1 つは、マウントポイント名だけでファイルシステムをマウントできることです。これは、/etc/vfstab ファイルにマウントポイントと実際のデバイススライス名とのマッピングを指定することより可能になります。
デフォルトの /etc/vfstab ファイルは、システムをインストールするときに作成され、その内容はシステムソフトウェアをインストールするときに行なった選択によって異なります。ただし、システムの /etc/vfstab ファイルはいつでも編集できます。エントリを追加するときに指定する必要がある主な情報は、ファイルシステムが置かれているデバイス、マウントポイントの名前、ファイルシステムのタイプ、システムブート時に自動的にマウントするかどうか (mountall(1M) コマンドを使用する)、およびマウントオプションです。
次の例は、/etc/vfstab ファイルの内容を示しています。コメント行は # で始まります。この例は、2 つのディスク (c0t0d0 と c0t3d0) を持つシステムの /etc/vfstab ファイルです。
$ more /etc/vfstab #device device mount FS fsck mount mount #to mount to fsck point type pass at boot options /dev/dsk/c0t0d0s0 /dev/rdsk/c0t0d0s0 / ufs 1 no - /proc - /proc proc - no - /dev/dsk/c0t0d0s1 - - swap - no - swap - /tmp tmpfs - yes - /dev/dsk/c0t0d0s6 /dev/rdsk/c0t0d0s6 /usr ufs 2 no - /dev/dsk/c0t3d0s7 /dev/rdsk/c0t3d0s7 /test ufs 2 yes - $ |
上の例の最後のエントリは、システムブート時に /dev/dsk/c0t3d0s7 スライス上の UFS ファイルシステムを自動的にマウントポイント /test にマウントすることを指定しています。ルート (/) と /usr では、「mount at boot」フィールドの値が no に指定されていることに注意してください。これはこの 2 つのファイルシステムが、mountall コマンドを実行する前にブートシーケンスの一部としてカーネルによってマウントされるからです。
/etc/vfstab の各フィールド、このファイルの編集方法、使用方法については、第 36 章「ファイルシステムのマウントとマウント解除 (手順)」を参照してください。