Solaris のシステム管理 (第 2 巻)

プリンタポート特性の調整

LP 印刷サービスによって設定されるプリンタポート特性には、プリンタの通信設定と互換性がなければなりません。LP 印刷サービスから提供されたデフォルトのプリンタポート設定値がプリンタで機能しない場合は、プリンタのマニュアルを参照し、そのプリンタが LP 印刷サービスに対してどのような設定値が必要かを調べてください。プリンタ通信設定を設定および表示するには、stty コマンドを使用します。

表 7-1 は、LP 印刷サービスに使用されるデフォルトの stty 設定値を示しています。

表 7-1 LP 印刷サービスに使用される stty のデフォルト設定値

オプション 

意味 

-9600

ボーレートを 9600 に設定する 

-cs8

8 ビットバイトを設定する 

-cstopb

1 バイトあたり 1 ストップビットを送信する 

-parity

パリティを生成しない 

-ixon

XON/XOFF (START/STOP または DC1/DC3 ともいう) を使用可能にする 

-opost

この表の以下のすべての設定値を使用して「処理後出力」を実行する 

-olcuc

小文字を大文字に割り当てない 

-onlcr

改行をキャリッジリターン/改行に変更する 

-ocrnl

キャリッジリターンを改行に変更しない 

-onocr

カラム 0 の位置でもキャリッジリターンを出力する 

-n10

改行の後に遅延を入れない 

-cr0

キャリッジリターンの後に遅延を入れない 

-tab0

タブの後に遅延を入れない 

-bs0

バックスペースの後に遅延を入れない 

-vt0

垂直タブの後に遅延を入れない 

-ff0

用紙送りの後に遅延を入れない 

プリンタポート特性を調整する方法

  1. プリンタサーバーにスーパーユーザーまたは lp としてログインします。

  2. lpadmin コマンドを使用してプリンタポート特性を調整します。


    # lpadmin -p printer-name -o "stty=options"
    
    -p printer-name
    

    ポート特性を調整するプリンタ名 

    -o "stty=options"

    options で指定したポート特性 (stty オプション) を設定する。このコマンドで 1 つ以上の stty オプションを変更できる。オプションを区切るには空白を使用し、オプションを一重引用符で囲む。 オプションについては、stty(1) のマニュアルページを参照。LP 印刷サービスで使用されるデフォルトの stty 設定については、表 7-1 を参照

  3. 次のコマンドを使用して、プリンタポート特性が変更されたかどうかを確認します。


    # stty -a
    

例 - プリンタポート特性を調整する

次の例で、コマンドはプリンタ luna のポート特性を設定します。parenb オプションはパリティチェック/生成を使用可能にし、parodd は奇数パリティの生成を設定し、cs7 は文字サイズを 7 ビットに設定します。


# lpadmin -p luna -o "stty='parenb parodd cs7'"

次の例で、コマンドはプリンタ venus の端末ボーレートを 19200 に設定します。


# lpadmin -p venus -o "stty=19200"