Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

IPv4 アドレスの構成部分

TCP/IP を実行する各ネットワークは、それぞれ一意なネットワーク番号を持っていて、そのネットワーク上のすべてのマシンがそれぞれ一意な IP アドレスを持っている必要があります。ネットワークを登録し、ネットワーク番号を入手するには、その前に、IP アドレスの構造を理解しておくことが重要です。この節では、IPv4 アドレスについて説明します。IPv6 アドレスについては、「IPv6 アドレス指定」を参照してください。

IPv4 アドレスは、特定のマシンのネットワークインタフェースを一意なものとして識別する 32 ビットの番号です。IPv4 アドレスは一般に 10 進数で表され、ピリオドで区切った 4 つの 8 ビットフィールドの形式をとります。個々の 8 ビットフィールドは、それぞれ IPv4 アドレスの 1 バイトを表します。このような形式で IPv4 アドレスのバイトを表す方式を「ドット化 10 進形式」と呼びます。

IPv4 アドレスのバイトは、さらに、ネットワーク部とホスト部の 2 つの部分に分かれます。図 7-3 に、129.144.50.56 という典型的な IPv4 アドレスの構成部分を示します。

図 7-3 IPv4 アドレスの構成部分

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ネットワーク部

ネットワーク部は、ネットワークに割り当てられている一意な番号を示します。これは、割り当てられているネットワーククラスも識別します。 図 7-3 では、ネットワーク部は IPv4 アドレスの 2 バイトを占めています。

ホスト部

IPv4 アドレスのこの部分は、管理者が各ホストに割り当てる番号です。この番号は、ネットワーク内でこのマシンを一意なものとして識別します。ネットワーク上の各ホストについて、アドレスのネットワーク部は同じで、ホスト部はそれぞれ異なる必要があるという点に注意してください。

サブネット番号 (省略可能)

多数のホストを持つローカルネットワークは、いくつかのサブネットに分割されることがあります。ネットワークをサブネット化することにした場合は、サブネットにサブネット番号を割り当てる必要があります。IPv4 アドレスのホスト番号部の一部のビットをネットワーク識別子として使用することで、IPv4 アドレス空間の有効率を最大限にすることができます。ネットワーク識別子として使用した場合、アドレスの指定した部分がサブネット番号になります。サブネット番号は、ネットマスクを使用して作成します。ネットマスクは、IPv4 アドレスのネットワーク部とサブネット部を選択するビットマスクです (詳細は、「IPv4 アドレス用のネットワークマスクの作成」を参照してください)。