Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

NFS サーバーログ機能の働き

NFS サーバーログ機能は NFS の読み取りと書き込み、およびこのファイルシステムを変更する操作の記録を提供します。このデータは情報へのアクセスを追跡するのに利用できます。さらに、この記録は、情報へのアクセスを測定する定量的な方法を提供します。

ログ機能が有効になっているファイルシステムにアクセスすると、カーネルが raw データをバッファーファイルに書き込みます。このデータには、時刻表示、クライアント IP アドレス、要求者の UID、アクセスされているファイルまたはディレクトリオブジェクトのファイルハンドル、および発生している操作のタイプがあります。

nfslogd デーモンはこの raw データを、ログファイルに保存される ASCII レコードに変換します。使用可能なネームサービス機能が一致しているものを見付けると、その変換中に IP アドレスはホスト名に変更され、UID はログインに変更されます。ファイルハンドルはパス名にも変換されます。この操作を完了するために、デーモンはファイルハンドルを追跡し続けて別のファイルハンドル内の情報をパステーブルに保存します。その結果、ファイルハンドルにアクセスするたびにパスを識別し直す必要はありません。nfslogd がオフのときは、ファイルハンドル内でのパステーブルへのマッピングへの変更を追跡する機能が働かなくなるため、このデーモンは常時実行させておく必要があります。