Solaris のシステム管理 (第 3 巻)

statd

lockd とともに動作し、ロック管理機能にクラッシュ機能と回復機能を提供します。NFS サーバーでロックを保持しているクライアントの追跡を行い、サーバーがクラッシュし、リブートしている間に、サーバー側 statd がクライアント側 statd と連絡をとります。次にクライアント側 statd は、サーバー上のすべてのロックを再要求します。クライアントがクラッシュすると、クライアント側 statd はサーバー側 statd にそのことを伝えるので、サーバー上のロックはクリアされます。このデーモンにオプションはありません。詳細は、statd(1M) のマニュアルページを参照してください。

Solaris 7 では、statd がクライアントを追跡する方法が改善されました。Solaris 7 より前のリリースの statd では、クライアントごとにそのクライアントの修飾されていないホスト名を使用して、/var/statmon/sm にファイルが作成されました。そのため、同じホスト名の 2 つのクライアントが異なるドメインに存在する場合や、クライアントが NFS サーバーと異なるドメインに存在する場合に問題が発生していました。修飾されていないホスト名にはドメインや IP アドレスの情報がないため、このようなクライアントを区別する方法がありませんでした。これに対処するため、Solaris 7 の statd では、修飾されていないホスト名に対してクライアントの IP アドレスを使用して /var/statmon/sm にシンボリックリンクを作成します。このリンクは、次のような形式です。


# ls -l /var/statmon/sm
lrwxrwxrwx   1 root          11 Apr 29 16:32 ipv4.192.9.200.1 -> myhost
--w-------   1 root          11 Apr 29 16:32 myhost

この例では、クライアントのホスト名は myhost で、IP アドレスは 192.9.200.1 です。他のホストが myhost という名前を持ち、ファイルシステムをマウントしていると、myhost というホスト名に対するシンボリックリンクは 2 つ作成されます。