ウィンドウ環境で使用される日本語フォントには、次の機能が提供されます。
日本語 TrueType フォントのサポート
日本語ビットマップフォント
JIS X 0208-1990 文字集合のサポート
JIS X 0212-1990 補助漢字のサポート
IBM 拡張文字と NEC 選定 IBM 拡張文字のサポート
ユーザー定義文字フォントのサポート
日本語フォントに関する技術的な情報については、『JFP 開発ガイド』を参照してください。
X Window System と Adobe Display PostScriptTM 上で日本語 TrueType フォントを使用できます。これに伴って、株式会社リコーの開発による HG ゴシック体 B、HG 明朝体 L、平成明朝体 W3H の TrueType フォントが新たに追加されました。これらのフォントは、日本語 Solaris CDE および 日本語 OpenWindows 環境でアウトラインフォントとして使用できます。
XLFD 名 : -ricoh-hg gothic b-medium-r-normal-*
DPS でのフォント名 : HG-GothicB
XLFD 名 : -ricoh-hg mincho l-medium-r-normal-*
DPS でのフォント名 : HG-MinchoL
XLFD 名 : -ricoh-heiseimin-w3-r-normal-*
DPS でのフォント名 : HeiseiMin-W3H
HG ゴシック体 B と HG 明朝体 L は、X ウィンドウシステムと Adobe Display PostScript 上では、それぞれ中ゴシック BBB (GothicBBB-Medium) とリュウミン L-KL (Ryumin-Light) として利用できます。
次の日本語ビットマップフォントが提供されています。
表 8-1 JFP で提供される日本語ビットマップフォント
これらのフォントに X プログラムからアクセスする際には、XLFD 名を使用します。XLFD 名は、xlsfonts コマンドで確認できます。
Solaris CDE 環境では、スタイルマネージャを使って、使用するフォントを簡単に切り替えることができます。 詳細は、第 9 章「Solaris CDE の機能概要」を参照してください。
JIS X 0208-1990 年度版文字集合のサポートとして、84 区 5 点 (JIS 0x7425) および 6 点 (JIS 0x7426) の 2 文字を使用できます。なお、X プログラムからアクセスする際に使用する XLFD 名のレジストリフィールドは、既存のアプリケーションとの互換性のため、jisx0208.1983 になっています。
JIS X 0212-1990 補助漢字用のフォントとして、株式会社リコーの開発による平成明朝体 W3H を提供しています。このフォントは、Solaris CDE および日本語 OpenWindows 環境上で、X ウィンドウシステムと Adobe Display PostScript アプリケーションから使用できます。
マイクロソフト標準キャラクタセットで使用されている IBM 拡張文字 (SJIS 0xfa40 - 0xfc4b) と NEC 選定 IBM 特殊文字 (13区、SJIS 0x2d20 以降) を使用できます。
ユーザー定義文字は、既存のフォントファイルとは別のユーザー定義文字フォントファイルとして処理され、ユーザー定義文字の登録には「Solaris 外字ツール (sdtudctool)」を使用します。「Solaris 外字ツール」の詳細は、第 14 章「ユーザー定義文字の登録 (Solaris 外字ツール)」を参照してください。
日本語表示用のフォントは、/usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts ディレクトリに存在します。表 8-2 に、このディレクトリの構成について示します。
表 8-2 /usr/openwin/lib/locale/ja/X11/fonts/ の構成ディレクトリ | ファイル拡張子 | 内容 |
---|---|---|
75dpi | *.pcf | ビットマップフォント |
TT | *.ttf | TrueType フォント |
TTbitmap | *.pcf | TrueType ビットマップフォント |
日本語ロケールの文字集合として、コードセット 0、1、2 に加えて、コードセット 3 (JIS X 0212-1990 補助漢字) をサポートします。
なお、印刷方法については、「JIS X 0212、ユーザー定義文字、ベンダー定義文字の印刷サポート」を参照してください。
Solaris CDE と CDE/Motif アプリケーションは、 ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 の 4 つの日本語ロケールをサポートします。
日本語 OpenWindows や XViewTM/OLIT ライブラリで作成されたアプリケーションは、ja_JP.PCK、ja_JP.UTF-8 ロケールでは動作しません。
ja、ja_JP.eucJP、ja_JP.PCK の各ロケールで動作する別のアプリケーション間で、文字列のカット&ペーストなどを実行すると、自動的にコードが変換されます。