エキスパートプロパティのカテゴリは、mailx(1) の互換性のために提供されている高度なメールデフォルトをいくつか設定するのに使います。図 4-43 に示すエキスパート設定値を参照するには、プロパティポップアップウィンドウの一番上にあるカテゴリメニューから「エキスパート (Expert)」を選択します。
エキスパートプロパティの設定値により、「作成」メニューから「全員ヘ」または「全員ヘ (内容取り込み)」を選択したときの処理が決まります。
これらの設定値は、返信中のメッセージの「To」または「Cc」リストに、送信者のアドレスが表示された場合にのみ適用されます。
次の節では、これらの設定値がチェックされた場合、またはチェックされなかった場合にどうなるかについて説明します。なお、以下の説明では、オプションを参照する際は、かっこで囲まれた名前だけを使います。つまり、オプション名として「metoo」、「allnet」、および「ネットワーク機能を使用したファイルロックを使用する (Use Network Aware Mail File Locking)」を使います。これらは、.mailrc ファイルで使われる名前で、 mailx(1) のマニュアルページに記載されています。
metoo オプションをチェックし、「全員へ」を選択したときに「To」または「Cc」フィールドにアドレスが表示されると、返信を受信します。メールアドレスは、yourname@machine、yourname@host などユーザのログインアドレスを含むあらゆる書式で認識されます。ただし、machine はユーザのマシン名であり、host はユーザのマシンではない任意のホストの名前となります。
たとえば、次のヘッダのあるメッセージに対して「全員へ」を選択するとします。
From:salmon@sea Fri Aug 23 10:36:21 1991 To: yourname@machine, yourname@host, tuna@ocean
返信には、次の To 行が取り込まれます。
To: yourname@machine, yourname@host, tuna@ocean, salmon@sea
metoo オプションをチェックしない場合、返信のメッセージヘッダは allnet オプションによって決まります。allnet オプションは、ユーザのログインアドレスを含むあらゆる書式でメールアドレスが認識されるか、または yourname@machine でのみ認識されるかを指定します。
allnet オプションは、metoo オプションがチェックされない場合に限って有効になります。
allnet オプションをチェックして metoo オプションをチェックしない場合に「全員へ」を選択すると、ユーザのアドレスは返信の To または Cc フィールドのどちらの書式にも含まれません。
たとえば、次のヘッダのあるメッセージを受信するとします。
From: salmon@sea Fri Aug 23 10:36:21 1991 To: yourname@machine, yourname@host, tuna@ocean
返信の To フィールドは次のように表示されます。
To: tuna@ocean, salmon@sea
allnet または metoo オプションのいずれもチェックしない場合、「全員へ」を選択すると、ユーザのアドレスは、 yourname@host という形式でだけ、To および Cc フィールドに含まれます。
たとえば、次のヘッダのあるメッセージを受信するとします。
From: salmon@sea Fri Aug 23 10:36:21 1991 To: yourname@machine, yourname@host, tuna@ocean
返信の To フィールドは次のように表示されます。
To: yourname@host, tuna@ocean, salmon@sea
メールツールは同じメールファイルを同時に 2 つの異なるメールツールがオープンすることは避けようとします。メールツールとファイルが同じマシンに存在するときは、システムはデフォルトでこれを検知します。
オプションとして、ToolTalkTM を使ってメールツールを調整するネットワーク対応ロックプロトコルが利用できます。このプロトコルを利用すると、複数のマシンからメールツールを実行しても、またネットワーク上でメールファイルがアクセスされても一貫性を保つことができます。
メールツールでは、初めてメールファイルをオープンするときだけこのオプションを変更できます。メールファイルをオープンするときにこのオプションを変更すると、次の 3 つの選択ができます。
現在のメールファイルを保存し、再度オープンすることができます。この場合、新しいロックはすぐに有効になります。
現在のメールファイルの編集を続けることができます。この場合、新しいロックはメールファイルを次にオープンするときに有効になります。
「適用 (Apply)」をキャンセルし、プロパティシートの編集に戻ることができます。