Solaris SLP の実装において、SLP の SA、UA、DA、SA サーバー、スコープ、その他のアーキテクチャ部品 (表 1-1 のリストを参照) の一部は slpd に配置され、一部はアプリケーションプロセスに配置されます。SLP デーモン (slpd) は、特定のオフホストの SLP 相互作用を構成します。SLP デーモンは、次のことを行います。
ローカルホスト上のすべての UA および SA に対し、受動的および能動的なディレクトリエージェントの検出を行う
DA の表を保持し、ローカルホスト上の UA および SA が使用するために更新する
レガシーサービス通知に対してプロキシ SA サーバーとして機能する (プロキシ登録)
DA として機能するように構成可能
SLP デーモンについては、slpd(1M)のマニュアルページを参照してください。
slpd の他に、UA クライアントライブラリおよび SA クライアントライブラリ (C または C++ の場合は libslp.so、Java の場合は slp.jar) が UA クライアントおよび SA クライアントに SLP のフレームワークへのアクセスを提供します。クライアントライブラリは、以下のことを行います。
SA クライアントと slpd との間でサービス通知を登録および登録解除する通信を提供する
UA クライアントに UA 要求を作成する機能を提供する
slpd と UA クライアントの間の DA アクセス可情報の通信を提供する
図 1-3 で、サービスプロバイダプログラム内の SLP クライアントライブラリは、SA の機能を実装します。サービスプロバイダプログラムは SLP クライアントライブラリを使用して、サービスを slpd に登録または登録解除します。サービスクライアントプログラムの SLP クライアントライブラリは、UA の機能を実装します。サービスクライアントプログラムは SLP クライアントライブラリを使用して、サービス要求のマルチキャストおよびユニキャスト (DA に対して) を発行し、slpd に DA に関する情報を問い合わせます。slpd プロセスは、マルチキャスト要求への応答、DA の登録など、SA の全機能を処理します。
SLP は、SLP デーモン slpd を実行することにより有効になります。slpd を起動するためにサポートされているインタフェースが /etc/init.d/slpd スクリプトで、SLP 構成ファイル /etc/inet/slp.conf が存在すればデーモンを起動します。Solaris オペレーティング環境には、/etc/inet/slp.conf.example というファイルがあります。起動時に SLP を有効にするには、このファイル名を /etc/inet/slp.conf に変更します。