アプリケーションを Solaris CDE デスクトップに移植する計画を立てている場合、または移植の練習をする場合は、小規模な例から始めて段階的に作業を進めてください。
単純な GUI を持つ小型アプリケーションの場合は、2 段階のプロセスを使用して移植できます。
OPEN LOOK ユーザインタフェースから Motif に、GUI をオブジェクト単位で変換します (次節 「Motif GUI ビルダを使用する」を参照してください)。
変換後の GUI を CDE スタイルガイドラインに準拠するように配置します。この機会を利用して、GUI の使いやすさと顧客特有の問題点を検討します。オブジェクトごとの変換がスタイルガイドに準拠している場合でも、インタフェースを変更できます。
単純な OPEN LOOK アプリケーションと、このプロセスの具体例については、第 7 章「移植例: OPEN LOOK から Solaris Motif へ」を参照してください。
この方法は、大型アプリケーションを移植する場合にはお勧めできません。
アプリケーションビルダ (以降、AppBuilder とします) または Visual WorkShop(TM) のような Motif GUI ビルダを使用すると、アプリケーション用に新しい Motif GUI を構築できます。「変換と配置」で説明した 2 段階のプロセスを使用してポートを移植する場合は、一度試してみてから変更を加えるという柔軟な対応が必要です。特定の GUI 内で手動でコーディングする場合は、変更するのが難しく時間がかかります。AppBuilder を使用すると、オブジェクトをドラッグ&ドロップしてプロトタイプ GUI を簡単に作成できるので柔軟に対応できます。通常は、GUI ビルダを使用して新しい Motif インタフェースをレイアウトする方が、GUI を手作業で移植するよりも時間がかかりません。
実際には、使用する移植プロセスの種類やアプリケーションの大きさに関わらず、Motif GUI ビルダの使用を検討する必要があります。ビルダは GUI とアプリケーションのフレームワークコードをすべて生成するので、アプリケーションコードに専念できます。