Solaris 共通デスクトップ環境 Motif への移行

ヘルプ

CDE のヘルプは、次の 3 つの部分が OpenWindows のヘルプと異なります。

CDE ヘルプシステムの詳細は、『共通デスクトップ環境 プログラマ概要』と『共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド (ヘルプ・システム編)』を参照してください。

ユーザモデル

OpenWindows のユーザモデルはきわめて単純です。アプリケーション内でヘルプを表示したい部分にポインタを合わせて Help キーを押します。

CDE のユーザモデルは似ていますが、多少の違いがあります。アプリケーションで入力フォーカスが配置されている部分のヘルプが表示されます。つまり、ある部分のヘルプを表示するには、アプリケーション内でその部分を選択してから Help キーを押さなければなりません。

CDE のヘルプでは、入力フォーカスを配置できないオブジェクトについては「アイテムヘルプ」を表示します。ユーザがこれらの項目のヘルプにアクセスできるように、アプリケーションの「ヘルプ」メニューに「アイテムヘルプ」選択を組み込まなければなりません。

プログラミング作業

OLIT と XView のヘルプの作成作業はよく似ています。どちらの場合も、アプリケーションにはウィジェットまたはオブジェクトに該当するテキストがそれぞれ表示されます。ユーザが Help キーを押すと、OpenWindows のウィンドウマネージャはどちらのアプリケーションで処理すべきか判断し、そのアプリケーションにイベントを振り分けます。

OLIT には特殊な Help ウィジェットがあり、XView には Help フレームがあり、Help ダイアログ表示領域に正しい情報を取り込んでそのダイアログを画面に表示します。OLIT に OLRegisterHelp() への関数呼び出しを組み込むか、XView 内でオブジェクト属性を設定してウィジェット (オブジェクト) に関するヘルプを使用可能にする必要があります。

アプリケーションに CDE ヘルプ機能を持たせるには、必ず次の操作を実行してください。

  1. すべての関連ウィジェット上でヘルプコールバックを設定します。

    これらのコールバックが、関連付けられたウィジェットのヘルプ情報を提供できるようにしなければなりません。

  2. ヘルプダイアログを作成して管理します。

    CDE には、ヘルプダイアログボックスと簡易ヘルプダイアログを作成する DtHelpDialogDtHelpQuickDialog ウィジェットがあります。CDE には、ヘルプを表示する 1 つの共用ヘルプダイアログはありません。

  3. アイテムヘルプを実装します。

    この操作のためのソースコードについては、『共通デスクトップ環境 プログラマーズ・ガイド (ヘルプ・システム編)』を参照してください。

豊富なヘルプシステム

OpenWindows のヘルプにはヘルプダイアログが 1 つあり、テキストしか配置できません。CDE のヘルプははるかに豊富です。CDE には、簡易ヘルプとフルヘルプがあります。また、ヘルプダイアログにはテキストだけでなく、カラーグラフィックスやハイパーリンクなど多彩な要素を取り込むことができます。ヘルプを印刷したり、ナビゲーション機能を使用してさまざまなウィジェットに添付されたヘルプを重ね合わせたり移動したりできます。