Solaris スマートカードは、iButton と Sun Smart Card Reader I という 2 種類の外付けカードリーダーをサポートしています。
次の表では、これらのリーダー用の 2 種類のドライバと、その設定時に指定する値 (Java クラス名とリーダーモデル名) を示します。
表 2-3 サポートされているカードリーダー
リーダー |
カード端末の出荷時の名前 |
モデル名 |
---|---|---|
com.sun.opencard.terminal.scm. SCMStc.SCMStcCardTerminalFactory |
SunSCRI |
|
com.ibutton.oc.terminal.jib. iButtonCardTerminalFactory |
DS1402 |
ホストにインストールできるカードリーダー数は、リーダーを接続できるシリアルポートの数と同じです。
スマートカードリーダーを物理的に接続する前に、ポートのデフォルトのアクセス権を変更する必要があります。
カードリーダーを接続しようとしているホストにスーパーユーザーとしてログインします。
ポートの所有権を uucp からスーパーユーザー (root) に変更し、グループの所有権を sys に変更します。
たとえば、シリアルポートの所有権を変更する場合は次のように入力します。
# chown root:sys /dev/cua/a |
カードリーダーの付属マニュアルの指示に従って、スマートカードリーダーをシリアルポートに物理的に接続します。
カードリーダーを設定するには、smartcard -c admin コマンドを次の構文で実行します。
# smartcard -c admin -t terminal -j card_terminal_factory_name ¥ -x add -d device_pathname -r user_friendly_reader_name ¥ -n card_reader_model |
-t terminal - カードリーダーを設定します。
-j card_terminal_factory_name - カードリーダーの Java カード端末の出荷時の名前を定義します (表 2-3 参照)。
-x add - カードリーダーを追加します。
-d device_filename - カードリーダーを差し込んであるポートの UNIX デバイス名を指定します。
-r user_friendly_reader_name - カードリーダーの一意な名前を指定します。
-n card_reader_model - カードリーダーのモデル名を指定します (表 2-3 参照)。
詳細については、smartcard(1M) のマニュアルページを参照してください。
次のコマンドを 1 行にすべて入力して、iButton リーダーを設定します。
# smartcard -c admin -t terminal ¥ -j com.ibutton.oc.terminal.jib.iButtonCardTerminalFactory ¥ -x add -d device_filename -r user_friendly_reader_name -n DS1402 |
-t terminal - カードリーダーを設定します。
-j com.ibutton.oc.terminal.jib.iButtonCardTerminalFactory - iButton リーダーの Java カード端末の出荷時の名前です。
オプション -j に続く Java カード端末の出荷時の名前は、正確に入力してください (表 2-3 参照)。文字の間に空白文字や復帰改行を挿入しないでください。
-x add - 追加操作を実行しようとしていることを smartcard -c admin に知らせています。
device_filename - /dev/cua/b のように、カードリーダーを接続するシリアルポートを定義します。
user_friendly reader_name - MyButtonReader のように、iButton リーダーに付ける名前を指定します。
DS1402 - iButton カードリーダーのモデル名を定義します。
次のコマンドを 1 行にすべて入力して、Sun Smart Card Reader I を設定します。
# smartcard -c admin -t terminal ¥ -j com.sun.opencard.terminal.scm.SCMStc.SCMStcCardTerminalFactory ¥ -x add -d device_filename -r user_friendly_reader_name -n SunSCRI |
-t terminal - カードリーダーを設定します。
-j com.sun.terminal.scm.SCMstcCardTerminalFactory - Sun Smart Card Reader I の Java カード端末の出荷時の名前です。
オプション -j に続くカード端末の出荷時の名前は、注意して正確に入力してください (表 2-3 参照)。文字の間に空白文字や復帰改行を挿入しないでください。
-x add - 追加操作を実行しようとしていることを smartcard -c admin に知らせています。
device_filename - /dev/cua/b のように、カードリーダーを接続するシリアルポートを定義します。
-r user_friendly reader_name - Sun Smart Card Reader I に付ける名前を指定します。
Sun SCRI - Sun Smart Card Reader I のモデル名を定義します。