この節では、次の方法について説明します。
メタデバイス統計情報の表示
メタデバイス統計情報のグラフ化
grapher オプションの設定
DiskSuite ツールを使用すれば、メタデバイスや物理ディスクのパフォーマンス監視を簡単に実行できます。パフォーマンス監視の目標は、データの可用性を維持しながら少しずつ変更を加えることによって、システムパフォーマンスを最大限に高めることです。パフォーマンス監視では、簡単に再構成したり頻繁に再構成したりできない、特定の構成を使用しているものと想定します。
一方、パフォーマンス解析は、「最高のパフォーマンス」を達成できるまで、さまざまな構成を試すことによって、システムスループットを最大限に高めたり、応答時間を最小限に抑えることを目指します。パフォーマンス解析では、ユーザーはいろいろな構成を設定でき、さまざまなデータを収集できることを想定します。このため、方法論的に異なる上に、デバイス構成、ファイルシステムの管理、データ収集、テスト負荷の生成などの業務をカバーする一連のツール群が必要となります。
DiskSuite ツールに含まれるパフォーマンス監視機能は、DiskSuite の日常的な処理を通じてホットスポットやボトルネックに関連するパフォーマンス障害を検出するのに最も適しています。この機能を使用すれば、一般的なパフォーマンス傾向を監視したり、急激な変化を探したり、構成のさまざまな部分から収集されたデータを比較することができます。たとえば、RAID5 メタデバイスを監視中に、他のカラムよりもはるかに入出力の多いカラム (スライス) を発見することがあります。そのカラムを他のディスクに移動することによって、メタデバイス全体の入出力の均衡を調整することができます。
DiskSuite ツールは、kstat(3K) インタフェースによって提供された raw 統計データのサブセットを表示します (詳細は、kstat(3K) と iostat(1M) のマニュアルページを参照してください)。
DiskSuite ツールでは kstat インタフェースを使用するため、スライスレベルではなく、ディスクレベルの統計情報だけを提示できます。
オブジェクトを、DiskSuite ツールの任意のウィンドウから「統計情報グラフ」ウィンドウにドラッグ&ドロップできます。このオブジェクトには、「メタデバイスエディタ」キャンバス、オブジェクトリスト、「スライスブラウザ」ウィンドウ、「ディスク表示」ウィンドウが含まれます。
スライスを「統計情報グラフ」ウィンドウにドラッグすると、ディスク全体を効果的にドラッグすることになります。スライスレベルの統計情報を得ることはできません。
状態データベースの複製、ホットスペア集合、および個々のスライスは、統計情報を表示できません。
統計情報を使用してみるための良い方法は、まず、メタデバイスの負荷値を見ることです。次に、読み取りや書き込みが原因であるかどうかを調査します。その後、メタデバイスを構成するディスク自身を追加し、各ディスクの負荷を表示します。
一般に、長期間監視するには、raw スループットデータと負荷値が最も便利な値です。
この作業は、統計変数の現在の値の「スナップショット」を示すデバイス統計シートを表示するために使用します。
「メタデバイスエディタ」ウィンドウまたは「ディスク表示」ウィンドウから、オブジェクトを選択する。
MetaDB オブジェクト、ホットスペア集合、スライスは、統計情報を表示できません。
どちらかのウィンドウの「オブジェクト」メニューから「統計情報」を選択し、オブジェクトの「デバイス統計情報」ウィンドウを表示する。
「デバイス統計情報」ウィンドウについては、オンラインヘルプを参照してください。
最新の統計情報を表示するには、「更新」をクリックする。
DiskSuite ツールは、「ディスク表示」ウィンドウで選択したディスクごとに、別個の「デバイス統計情報」ウィンドウを表示します。したがって、多数のディスクを備えたトレイやコントローラを選択した場合、選択したディスクと同じ数の「デバイス統計情報」ウィンドウが表示されます。
この作業は、瞬間の統計情報をデバイス用のグラフという形式で表示するために使用します。
「メタデバイスエディタ」ウィンドウの「ブラウズ」メニューから「統計情報グラフ」を選択して、「統計情報グラフ」ウィンドウを表示する。
オブジェクトを、「メタデバイスエディタ」ウィンドウまたは「ディスク表示」ウィンドウから「統計情報グラフ」ウィンドウにドラッグする。
「統計情報グラフ」ウィンドウには、オブジェクトのグラフ用の空白領域と統計情報が表示されます。MetaDB オブジェクト、ホットスペア集合、スライスは、統計情報をグラフ化できません。
グラフ化する統計情報を選択する。
「統計情報グラフ」ウィンドウには 2 種類の y 軸 (2 本の垂直スケール) があります。したがって、次のいずれかから 2 種類のグラフを作ることができます。
処理 / 秒 - 毎秒のディスク入出力操作の数であり、読み取り、書き込み、または合計として測定されます。
KB / 秒 - ディスク入出力のキロバイト数であり、読み取り、書き込み、または合計として測定されます。
負荷 - ディスク負荷は、ビジー時間のパーセンテージまたは待ち行列として測定され、処理が行なわれるまでの平均待ち時間となります。
「統計情報グラフ」ウィンドウの使用を終了したら、「すべてのグラフ」メニューから「キャンバスから移動」を選択する。
デバイスを片付けない場合は、「統計情報グラフ」ウィンドウは、次に開かれたときにデバイスを自動的に組み込みます。
「メタデバイスエディタ」ウィンドウの「ブラウズ」メニューから「統計情報グラフ」を選択し、「統計情報グラフ」ウィンドウを表示する。
オブジェクトを、「メタデバイスエディタ」ウィンドウまたは「ディスク表示」ウィンドウから「統計情報グラフ」ウィンドウにドラッグする。
「統計情報グラフ」ウィンドウには、オブジェクトのグラフ用の空白領域と統計情報が表示されます。MetaDB オブジェクト、ホットスペア集合、スライスは、統計情報をグラフ化できません。