この作業では、既存のストライプに新たなストライプを追加しているものと想定します。障害からの復旧の一部として、metainit(1M) コマンドを使用してストライプ方式の連結を再作成する必要がある場合は、「スライス障害の後でストライプや連結を再作成する方法 (コマンド行)」を参照してください。
ストライプ方式の連結を使用すれば、既存のストライプを拡張できます。たとえば、ストライプが領域を使い果たした場合、それをストライプ方式の連結にして、データのバックアップや復元を行うことなく拡張できます。
DiskSuite ツールを使用して複数のスライスを既存のストライプ方式メタデバイスにドラッグした場合、オプションによって、それらのスライスを連結やストライプにすることができます。metattach(1M) コマンドを使用して複数のスライスを既存のストライプ方式メタデバイスに追加する場合、これらはストライプとして追加しなければなりません。
「DiskSuite オブジェクトを保守するための前提条件」の前提条件と 「スライスとメタデバイスを拡張するための予備情報」の予備情報をチェックしてから、metattach(1M) コマンドを使用してストライプ方式の連結を作成します。詳細については、metattach(1M) のマニュアルページを参照してください。
# metattach d2 c1t2d0s2 d2: components are attached |
この例では、既存のストライプ d2 にスライスを接続します。システムはスライスが連結されたことを確認します。
# metattach d25 c1t2d0s2 c1t2d1s2 c1t2d3s2 d25: components are attached |
この例では、既存の 3 面のストライプ方式メタデバイス d25 を取り込み、別の 3 面のストライプを連結します。接続されたスライスには飛び越し値が指定されていないため、これらのスライスは d25 に設定された飛び越し値を継承します。システムは、連結方式オブジェクトが設定されたことを確認します。
アプリケーションの種類にもよりますが、同じ数のスライスを接続することによって、メタデバイスのパフォーマンスが低下しないことがあります。
# metainit d1 3 2 c0t0d0s2 c1t0d0s2 -i 16k ¥ 2 c1t2d0s2 c1t2d1s0 -i 32k ¥ 2 c2t0d0s2 c2t0d1s2 d1: Concat/Stripe is setup |
通常、このようなメタデバイスを最初から作成することはありません。この例では、d1 が 3 つのストライプの連結 (最初の数字 3) であることを示しています。最初のストライプは 2 つのスライスから構成されます (数字 3 に続く数字 2)。-i 16k は、16K バイトの飛び越しを指定します。2 番目のストライプは (2 行目の数字 2 で示されるように) 2 つのスライスから成り、32K バイトの飛び越しを使用します。最後のストライプは 2 つのスライスから成ります。3 番目のストライプには飛び越しが指定されていないため、その前のストライプから値を継承します (この場合は 32K バイト)。
UFS の場合、メタデバイス上で growfs(1M) コマンドを実行します。「ファイルシステムの拡張方法 (コマンド行)」を参照してください。
raw メタデバイスを使用するデータベースなどのアプリケーションは、独自の方法でメタデバイスの認識や追加領域の拡張を行うことが必要です。
新しく作成したストライプ方式の連結をファイルシステム用に準備するには、「メタデバイス上にファイルシステムを作成する方法 (コマンド行)」を参照してください。