この付録では、さまざまなモードでシステムを起動する方法を説明します。
システムの電源が入っていない場合には、電源を入れるとマルチユーザーの起動処理が開始されます。ok プロンプトから他の状態へ起動する手順については、以下を参照してください。
システムが停止しているときの PROM モニターのプロンプトは、ok と表示されます。
新たに接続したすべての周辺機器を認識させるためのシステムの起動は、通常、以下の操作の後に行ないます。
オペレーティングシステムの停止
システムへの電源投入
起動処理への割り込み
OpenBoot 処理が自動起動に設定されていないとき
新たに接続したすべての周辺機器を認識させるために、次のコマンドを入力してシステムを起動します。
ok boot -r
「システムの停止」で説明している touch /reconfigure コマンドを実行しなかった場合は、boot -r コマンドを使用して新たに追加されたすべての周辺機器を認識させることができます。
自動的な起動は、システムの電源投入と同様に簡単な操作です。システムは、操作環境を自動的に読み込み、すべての接続済みデバイスを認識し、マルチユーザーモードで起動します。
自動的に起動するには、OpenBoot PROM が自動起動に設定されている必要があります。
システムが自動的に起動するように OpenBoot PROM を設定するには、ok プロンプトで以下のように入力します。
ok setenv auto-boot? true ok reset
システムの電源を入れたときにシステムが起動しないようにするには、auto-boot パラメタ を false に設定します。
システムに新たにハードウェアを追加しても、その後で touch /reconfigure コマンドを実行しなかった場合、システムはその新たなデバイスを自動認識しないことがあります。その場合は boot prom レベル (ok プロンプト) で boot -r コマンドを実行してください。詳細については、「システムの停止」を参照してください。
マルチユーザー状態への起動は、通常、システム停止後か、システムハードウェア保守作業の実行後に行います。これはデフォルトの起動レベルであり、すべてのリソースが利用可能で、ユーザーがシステムにログインできます。
シングルユーザー状態での起動は、通常、システム保守作業 (システムのバックアップなど) を実行した後に行います。このレベルでは、一部のファイルシステムだけがマウントされ、ユーザーがシステムにログインすることはできません。
実行レベル S へ起動するには、boot -s コマンドを使用します。
ok boot -s
システムは、シングルユーザー状態で起動して、スーパーユーザーのパスワードの入力を求めます。
INIT: SINGLE USER MODE Type Ctrl-d to proceed with normal startup, (or give root password for system maintenance): xxxxxxx
スーパーユーザーのパスワードを入力します。
システム保守作業を行った後に、システムをマルチユーザー状態にする場合は、 Control-D を押します。
システムファイルまたはカーネルに一時的な変更を加えるために対話型の起動を行うことができます。対話型で起動すると、変更内容を試すことができ、何か問題がある場合には容易に回復することができます。
この手順では、システムがすでに停止していることと仮定しています。
ok boot -a
表 B-1 に従って、システムプロンプトに応答します。
表 B-1 対話型起動手順
システムの表示 |
実行内容 |
---|---|
Enter filename [kernel/unix]: |
起動に使用する別のカーネルの名前を指定します。 または 、デフォルトのカーネル (kernel/unix) を使用する場合には Return キー を押します。 |
Name of system file [/etc/system]: |
代替のシステムファイルの名前を指定して Return キー を押します。 または 、デフォルトの /etc/system ファイルを使用する場合には Return キー を押します。 |
Name of default directory for modules [/kernel /usr/kernel]: |
モジュールディレクトリのための代替のパスを指定し Return キー を押します。 または 、デフォルトのモジュールディレクトリパスを使用する場合には Return キー を押します |
root filesystem type [ufs]: |
デフォルトのルートファイルシステムを使用する場合は Return キーを押します。ローカルディスクからの起動の場合は UFS、ディスクレスクライアントの場合は NFS を入力します。 |
Enter physical name of root device [/sbus@1,f8000000/esp@0,800000/ sd@3,0:a]: |
代替デバイス名を入力して Return キー を押します。 または 、ルートデバイスのデフォルトの物理名を使用する場合は、 Return キー を押します。 |
時には、起動処理の停止が必要になる場合があります。中止するためのキー操作は、キーボードの種類によって異なります。以下の手順 1 を参照してください。
以下のうち、使用しているキーボードに適したキーボードコマンドを入力します。
以下の適切なキーの組み合わせを使用します。
Stop-A (タイプ 5 キーボード)
L1-A (タイプ 4 キーボード)
Break キー (TTY 端末のみ)
ok
ok sync
syncing file systems. . .done というメッセージが表示されたら、手順 1 で示したキーボードコマンドを再度入力します。
適切な boot コマンドを入力し、起動処理を行ないます。