Solaris Web Start 3.0 を使用する場合のインストールに関する情報と問題について説明します。この節に記載されている問題は、Solaris 対話式インストールプログラムを使用するときには発生しません。
Solaris 8 6/00 INSTALLATION (Multilingual) CD に含まれる Solaris Web Start 3.0 が、システム内で Solaris fdisk パーティションを検出できない場合は、Solaris fdisk パーティションを作成する必要があります。
既存の fdisk パーティションのサイズを変更すると、そのパーティション上のすべてのデータが自動的に削除されます。データのバックアップをとってから、Solaris fdisk パーティションを作成してください。
Solaris Web Start 3.0 でインストールを行うには、2 つの fdisk パーティションが必要です。
Solaris fdisk パーティション
通常の Solaris fdisk パーティションです。
x86 BOOT fdisk パーティション
IA システムをミニルートから起動するための、10 M バイトの fdisk パーティションです。ミニルートは、Solaris fdisk パーティションのスワップスライス上に置かれます。
Solaris Web Start 3.0 は、x86 BOOT fdisk パーティションの存在を検出した場合は、そのパーティションを使用します。検出しなかった場合は、Solaris fdisk パーティションを分割し、10M バイトの x86 BOOT fdisk パーティションを作成します。
x86 BOOT fdisk パーティションは手動では作成しないでください。
Solaris 8 より前のオペレーティング環境では、x86 BOOT fdisk パーティションは作成されません。Solaris Web Start 3.0 は x86 BOOT fdisk パーティションを必要とするので、Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris 8 より前のオペレーティング環境を Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードすることはできません。本件に関しては、「アップグレードに関する注意事項とバグ情報」でも説明しています。
Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD を使用して Solaris 8 オペレーティング環境をインストールする場合に、ネームサービスとして DNS を選択し、プロキシとしてホスト名を入力すると、インストール Kiosk が DNS を正しく検索しないため、ネットワーク接続を確立することができません。次のメッセージが表示されます。
Connection Failure |
回避方法: インストール Kiosk が、プロキシサーバーの IP アドレスを解決できるようにするために、次の手順を行なってください。
端末エミュレータのウィンドウを開きます。
nscd デーモンを起動して、Kiosk がプロキシサーバーの IP アドレスを解決できるようにします。
# /usr/sbin/nscd |
この問題が発生しないようにするためには、ホスト名ではなく IP アドレスを HTTP プロキシとして入力してください。
ネットワークゲートウェイは、他のネットワークと通信するために使用されます。ゲートウェイシステムには複数のネットワークインタフェースアダプタが含まれており、各アダプタはそれぞれ異なるネットワークに接続します。
Solaris 8 6/00 INSTALLATION (Multilingual) CD を使用して Solaris 8 6/00 オペレーティング環境をゲートウェイシステムにインストールした場合、Solaris Web Start 3.0 は一次ネットワークインタフェースを使用してシステム情報を収集します。システムを認識するための情報を代替ネットワークインタフェースを使用して収集するように、Solaris Web Start 3.0 で指定することはできません。
回避方法: 一次ネットワークインタフェース以外のインタフェースを使用してシステム情報を収集するように指定するには、次のいずれかの方法を行なってください。
sysidcfg ファイルを作成して、システムの認識に使用するネットワークインタフェースを指定してください。
sysidcfg ファイルの作成および変更についての詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「sysidcfg ファイルによる事前設定」および sysidcfg(4) のマニュアルページを参照してください。
Solaris 8 6/00 SOFTWARE 1 of 2 CD を使用して、対話式インストールで Solaris 8 6/00 オペレーティング環境をインストールしてください。システムをネットワークに接続するように指定し、システム認識に使用する代替ネットワークインタフェースをリストから選択してください。
Solaris 8 6/00 INSTALLATION (Multilingual) CD を使用してインストールすると、/var/sadm/system/logs/cd0_install.log ファイルに次のようなエラーメッセージが出力されます。
cpio: Cannot chown() "/tmp/x86_boot/solaris", errno 22, Invalid argument cpio: Error during chown() of "/tmp/x86_boot/solaris/boot.bin", errno 22, Invalid argument cpio: Cannot chown() "/tmp/x86_boot/solaris/boot.bin", errno 22, Invalid argument |
このメッセージは、IA BOOT パーティションからブートするために必要なファイルの所有権を、Solaris Web Start 3.0 が変更できないことを示しています。IA BOOT パーティションは PCFS ファイルシステムなので chown コマンドをサポートしていません。このために cpio エラーが発生します。
回避方法: インストールは問題なく行われるので、このエラーメッセージは無視してください。
Solaris Web Start 3.0 で、次のようなディスクを選択するためのメッセージが表示されますが、インストールを終了するための選択記号がメッセージ中に表示されません。
以下のディスクがシステム上に見つかりました。 1) /dev/dsk/c0t0d0 2) /dev/dsk/c0t1d0 q) 終了 Solaris インストールプログラムソフトウェアを置くディスクを選択するか、 を選択して Solaris Installer を終了してください。 |
回避方法:インストールを終了する場合は、「q」を選択してください。
英語の AnswerBook ドキュメントは、Solaris 8 DOCUMENTATION CD (英語 + ヨーロッパ言語版) に含まれており、アジア言語版の DOCUMENTATION CD には含まれていません。
英語の AnswerBook ドキュメントは、Solaris Web Start 3.0 のデフォルトインストールでインストールされます。カスタムインストールの場合は、「製品の選択」画面で「Solaris 8 Documentation European」の「European Collections for Solaris 8」が選択されている場合にインストールされます。
また、「Solaris 8 Documentation European」と「Solaris 8 Documentation Asian」の両方に「AnswerBook2 Documentation Server」が含まれていますが、どちらも同じものです。両方を選択してもインストールには問題ありませんが、どちらか一方が選択されていれば十分です。
Solaris Web Start 3.0 は、選択したソフトウェアグループ、ロケール、製品に応じて必要な CD を挿入するように要求し、インストールを行います。
Solaris 8 6/00 SOFTWARE 2 of 2 CD には、「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループとアーリーアクセス・ソフトウェア (Appcert 2.1、Live Upgrade 1.0、DiskSuite 4.2.1、Solaris Management Console 2.0、SunScreen 3.1 Lite) が含まれています。
「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループおよび アーリーアクセス・ソフトウェアを選択した場合、Solaris Web Start 3.0 は、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了すると SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入するように要求します。その後、LANGUAGES CD や DOCUMENTATION CD をインストールした後に再度 SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入するように要求します。これは、アーリーアクセス・ソフトウェアをインストールするためで、Solaris ソフトウェアをインストールするためではありません。メッセージに従って SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入し、アーリーアクセス・ソフトウェアのインストールを行なってください。
Solaris 8 6/00 からアーリーアクセス・ソフトウェアに SunScreen 3.1 Lite が追加されましたが、Solaris Web Start 3.0 では SunScreen 3.1 Lite をインストールすることができません。SunScreen 3.1 Lite をインストールする場合は、Solaris 8 6/00 をインストールしたシステム上で、Solaris 8 6/00 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれているアーリーアクセス・ソフトウェア用の Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/SunScreen_3.1_Lite/installer) を使用してください。インストール前に、「日本語、フランス語、中国語 (簡体字) ロケールで SunScreen をインストールすると、不要な文字がメッセージ中に表示される (バグ ID: 4336336)」をお読みください。
Solaris Web Start 3.0 または Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD のアーリーアクセス・ソフトウェア用の Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/Solaris_Management_Console_2.0/installer) を使用して Solaris Management ConsoleTM をインストールできません。
回避方法:Solaris Management Console をインストールするには、pkgadd(1M) コマンドを使用してください。インストールの詳細は、Solaris Management Console の README (Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD の Solaris_8/EA/products/Solaris_Management_Console_2.0/README) を参照してください。
Solaris Web Start 3.0 のインストールにおいて「製品の選択」画面で、Solaris 8 6/00 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Live Upgrade または Solaris Management Console を選択した場合、インストール画面の一部が英語で表示されます。
Live Upgrade または Solaris Management Console を、Solaris 8 6/00 SOFTWARE 2 of 2 CD のアーリーアクセス・ソフトウェア用の Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/<product_name>/installer) を使用してインストールする場合も、インストール画面の一部が英語で表示されます。
Solaris Web Start 3.0 は、システムにビデオアダプタがあることを検出した場合にはグラフィカルユーザーインタフェースを起動し、そうでない場合にはコマンド行ユーザーインタフェースを起動します。
kdmconfig でウィンドウシステムを構成し、Solaris Web Start 3.0 がグラフィカルユーザーインタフェースで起動されたとしても、ウィンドウシステムの構成が正しくないまたは不完全な場合には、Solaris Web Start 3.0 は途中でインストールを終了してしまうことがあります。
ウィンドウシステムを正しく構成できない可能性がある場合 (たとえば、未サポートのビデオカードがシステムに搭載されているなど) は、kdmconfig で「Bypass」を選択して、明示的にコマンド行インタフェースを起動してください。または、 tip(1) 接続による Solaris Web Start 3.0 のコマンド行インタフェースを使用してください。