Solaris 8 6/00 ご使用にあたって (Intel 版)

対話式インストールに関する注意事項とバグ情報

対話式インストールを使用する場合のインストールに関する情報と問題について説明します。


注意 - 注意 -

IA (Intel Architechure) ベースのシステムを Solaris 8 6/00 オペレーティング環境にアップグレードする場合は、インストールを開始する前に、「DiskSuite でデータが失われる可能性がある (バグ ID: 4121281)」の説明を必ずお読みください。


ロケール選択機構の変更

Solaris 8 では、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、一部のロケールは、選択するソフトウェアグループ (ソフトウェアクラスタ) によって、インストールするロケールを決定していました。Solaris 8 では、新しいインストールインタフェースが導入され、地域を選択することによって必要なロケールを決定します。このため Solaris 8 では、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 よりも柔軟にオペレーティングシステムのインストール時にシステム構成をカスタマイズすることができます。

特に、次の点に注意してください。

UTF-8 ロケールで対話式インストールを行うと、メモリー不足によりインストールが失敗することがある

Solaris 8 または Solaris 8 6/00 オペレーティング環境のインストール時に、デフォルトロケールを UTF-8 に設定した場合、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了し、システムがリブートした後、インストールプログラムの起動に失敗することがあります。

これは、UTF-8 ロケールとインストールプロセス中の JavaTM ソフトウェアとの処理が正しく行われないために発生するメモリー不足が原因です。メモリー不足は、システムのメモリー容量によって発生する場合と発生しない場合があります。

回避方法:UTF-8 ロケールで対話式インストールが失敗した場合は、UTF-8 ロケール以外のロケールを使用してインストールし直してください。インストールの失敗にかかわらず、Solaris 8 または Solaris 8 6/00 オペレーティング環境のインストールの完了後には、UTF-8 ロケールと Java ソフトウェアとの処理が正しく行われるようにするためのパッチ 108653-08 を必ず適用してください。

symhislmegacpqncr などのディスクコントローラドライバがインストールされているシステムに、8 G バイトを超えるパーティションを作成できない

以下に示すコントローラのいずれかを使用するディスク上に 8G バイトを超えるパーティションを作成すると、インストールされたシステムが正常に動作しません。

Solaris オペレーティング環境のインストールプログラムは、ドライバが 8G バイトを超えるパーティションをサポートしないことを検知できません。したがって、エラーを表示せずにインストールを続けますが、システムをリブートしようとするとリブートは失敗します。

システムをリブートできたとしても、ブートデバイスや追加されたパッケージに関連する他の変更が原因となって、後で異常終了します。これらのドライバに関連するディスクコントローラは、次のとおりです。

回避方法 : symhislmegacpqncr などのドライバによって稼動するディスクコントローラを持つシステムに、ディスクの最初の 8G バイトを超える大きなパーティションをインストールしないでください。

Solaris 8 オペレーティング環境へアップグレードする前に、DPT PM2144UW コントローラの BIOS を最新のものに更新する必要がある

Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズの大きいパーティションをインストールするための新しい機能が追加されています。DPT PM2144UW コントローラの BIOS は、LBA (論理ブロックアドレス指定, Logical Block Addressing) をサポートしていなければなりません。最新の BIOS は、LBA アクセスを完全にサポートしています。問題が発生した場合は、ほかの DPT コントローラモデルにも影響します。

回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、 DPT PM2144UW コントローラの BIOS が最新のバージョンであることを確認してください。

システムに DPT コントローラがインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。

  1. 次のコマンドを実行します。

    prtconf -D

  2. 名前 dpt が表示されたら、カードの構成ユーティリティを起動して、機種や BIOS のバージョンに関する情報を取得します。

  3. BIOS をフラッシュするか、最新の BIOS EPROM をインストールして、DPT PM2144UW コントローラをアップグレードします。すべての DPT コントローラの最新の BIOS イメージについては、http://www.dpt.com を参照してください。

これで、システムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードできます。

BIOS バージョン GG.06.13 を使って Hewlett-Packard (HP) Vectra XU シリー ズのシステムをアップグレードできない

Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。この問題は他の HP Vectra システムにも影響します。

このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。

回避方法 : HP Vectra XU シリーズシステムを最新の BIOS バージョン GG.06.13 で、Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードしないでください。Solaris 8 オペレーティング環境では、これらのシステムはサポートされていません。

ブートパスはハードディスクコードを使用しないため、ブートフロッピーディスクまたはブート CD でシステムをブートすることができます。、ブート可能デバイスとしてネットワークまたは CD-ROM ドライブの代わりに、ハードディスクを選択してください。

PCI-IDE システム上で DMA が無効になる

デフォルトでは、Solaris ata デバイスドライバは、ATA/ATAPI デバイスに対して DMA (Direct Memory Access) 機能を無効にします。Solaris 8 オペレーティング環境は、DMA 機能が無効になっている状態で正しく動作します。

パフォーマンスを向上させるために DMA 機能を有効にする方法については、「PCI-IDE システム上で DMA が無効になる」を参照してください。

DiskSuite でデータが失われる可能性がある (バグ ID: 4121281)

DiskSuiteTM metadb 複製には、DiskSuite 構成データの一部にドライバ名が含まれています。Solaris オペレーティング環境 2.5.1 または 2.6 を実行する IA ベースのシステムでは、SCSI ドライバ名は cmdk です。cmdk ドライバは、Solaris 8 オペレーティング環境では sd ドライバに置換されています。

回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境へのアップグレード中にデータを損失しないようにするには、DiskSuite が動作している IA システムのアップグレードを開始する前に、メタデバイス構成をテキストファイルに保存し、metadb 複製を削除してください。IA システムのアップグレード後に、DiskSuite のコマンド行インタフェースを使用してメタデバイス構成を復元してください。

Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』には、metadb 構成の保存、metadb 複製の削除、IA システムの Solaris 8 オペレーティング環境へのアップグレード、DiskSuite のバージョン 4.2 へのアップグレード、メタデバイス構成の復元について、それぞれの手順が記載されています。Solairs 8 オペレーティング環境には、これらの手順を自動化する Bourne シェルスクリプトが含まれています。

CD を使用した対話式 CUI インストールで、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストール終了後、リブート時にウィンドウシステムを構成しないとインストール処理がループする (バグ ID: 4308451)

CD を使用して対話式 CUI インストールを行うと、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストール終了後、システムがリブートします。リブート時に kdmconfig 画面で「Bypass」を選択後、ウィンドウシステムの構成を促すプロンプト「Enter root password:」が表示された時に Ctrl-D を入力してウィンドウシステムを構成しないと、インストールする媒体を選択する際に java.Lang.NullPointerException が発生し、インストール処理がループします。

回避方法:システムのリブート時に、kdmconfig を使用してウィンドウシステムを構成してください。

ddi: net: x86 ネットワークブートは、特定のタイプの一次ネットワークインタフェース上でしか動作しない (バグ ID: 1146863)

ネットワークを介するブートは、IA システムの一次ネットワークインタフェース上で実行する必要があります。

一次ネットワークインタフェースは、ネットワークインタフェースの選択とインストールを繰り返すことによって特定できますが、「Boot Solaris」メニューの最初または最後にリストされているネットワークデバイスが一次ネットワークインタフェースであることが多いです。

一次ネットワークインタフェースを特定できたら、ハードウェア構成を変更しない限り、システムをブートする度に一次ネットワークインタフェースは変わりません。ハードウェア構成を変更した場合、変更したハードウェア構成によって、一次ネットワークインタフェースが変更される場合と変更されない場合があります。

一次ネットワークインタフェース以外のネットワークインタフェースからブートした場合、ブートシステムがハングし、ブートサーバーに接続できなくなります。この問題は、システムがブートサーバーのクライアントとして登録されていない場合にも発生します。

[日本語環境のみ] CD による対話式インストールで「コアシステムサポート」をインストールする場合の注意事項

「コアシステムサポート」でインストールされるべき日本語パッケージは、次のとおりです。

 パッケージ ロケール パッケージが含まれる CD
SUNWjeuc, SUNWjfpr, SUNWjfpuja, ja_JP.PCK, ja_JP.UTF-8 SOFTWARE 1 of 2
SUNWjpckja_JP.PCK SOFTWARE 1 of 2
SUNWju8ja_JP.UTF-8 SOFTWARE 1 of 2
SUNWjeuce, SUNWjfpre, SUNWjfpueja, ja_JP.PCK, ja_JP.UTF-8 LANGUAGES
SUNWjpckeja_JP.PCK LANGUAGES
SUNWju8eja_JP.UTF-8 LANGUAGES

CD による対話式インストールにおいて、ソフトウェアグループとして「コアシステムサポート」を選択した場合、インストールするロケールとして日本語ロケールを選択しても、LANGUAGES CD に含まれる日本語パッケージはインストールされません。これは、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了し、システムがリブートした後、コアシステムの環境で LANGUAGES CD のインストールを起動できないためです。

回避方法:CD を使用して対話式インストールを行なった場合は、インストール終了後、システムにログインし、次のように pkgadd(1M) コマンドを使用して LANGUAGES CD に含まれる日本語パッケージをインストールしてください。


# cd /cdrom/sol_8_600_lang_ia/components/Japanese/i386/Packages
# pkgadd -d . SUNWjeuce SUNWjfpre SUNWjfpue SUNWjpcke SUNWju8e

対話式インストールで LANGUAGES CD に含まれるパッケージをインストールするには、LANGUAGES CD のイメージを含むインストールサーバーを使用してください。Solaris Web Start 3.0 では、CD を使用して LANGUAGES CD のインストールを行うことができます。

インストールの進捗を示すスケール表示が不正確 (バグ ID: 1266156)

Solaris ソフトウェアのインストール中であるにもかかわらず、「Solaris ソフトウェアのインストール - 実行中」のスケールがインストールの完了を示す場合があります。

スケールがインストールの完了を示した後も、インストールプログラムによってパッケージが追加されている可能性があるので、インストールが完了したかどうかをスケールの表示で判断しないでください。すべてのインストール処理が完了すると、プロンプト # が表示されます。

ファイルシステムの作成時に警告メッセージが出力されることがある (バグ ID: 4189127)

インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力されることがあります。


Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last
cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated.  

Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated  
この警告メッセージは、作成中のファイルシステムのサイズと使用しているディスク上の容量が等しくない場合に表示されます。この場合、ディスク上に、作成中のファイルシステムには取り込まれない未使用の領域ができます。この未使用のディスク領域は、他のファイルシステムに割り当てることはできません。

回避方法 : 警告メッセージは無視してください。警告メッセージが表示されても問題は発生しません。

パスに # が含まれていてもエラーにならない (バグ ID: 4294586)

Java プログラムのパスに # が含まれていると、プログラムを実行した時に次のようなメッセージが表示されます。


Exception in thread "main" java.lang.NoClassDefFoundError
Volume Management (vold) sometimes uses a pound sign in a path
when creating directory names:     

回避方法 : # を削除してください。または Java インストールウィザードを使用しないでください。

[日本語環境のみ] 日本語端末からの tip(1) 接続によるインストールで、インストール画面が英語で表示される (バグ ID: 4313411)

ヘッドレスシステムに日本語端末から tip(1) 接続によるインストールを行う場合、言語の選択画面で「Japanese」を選択すると端末タイプの選択画面は日本語で表示されますが、それ以降のすべてのインストール画面は英語で表示されます。

また、sysidcfg ファイルで system_locale に日本語ロケールを設定した場合、すべてのインストール画面は英語で表示されます。

回避方法 : インストール画面が英語で表示されるだけで、インストール後のシステムのデフォルトロケールは、インストール時に選択したロケールに設定されます。なお、シリアル端末のシステムにインストールする場合は、言語の選択画面で「English」を選択してください。