Solaris 8 のインストール (上級編)

第 1 章 Solaris 8 のインストールについて

この章では、ネットワークでのシステムのインストールやインストールプロセスの自動化を含む、Solaris 8 ソフトウェアのインストールに最も適した方法を判断するために必要な情報を示します。また、Solaris ソフトウェアのインストール方法についても説明します。


注 -

Solaris 8 インストールの手引き』と 『Solaris 8 インストールガイド (SPARC 版)』または『Solaris 8 インストールガイド (Intel 版)』には、ローカル CD-ROM から単一のシステムに Solaris をインストールする方法が記載されています。


システムタイプ: サーバーとスタンドアロン

Solaris オペレーティング環境をインストールできるシステムには、サーバーとスタンドアロンの 2 種類があります。

表 1-1 Solaris ソフトウェアをインストールするシステムのタイプ

システムのタイプ 

説明 

サーバー

ネットワークに接続されている他のシステムに各種のサービスや、ホームディレクトリやメールファイルといったファイルシステムなどを提供するシステムです。「OS サーバー」とは、ネットワーク上の他のシステムに Solaris ソフトウェアを提供するサーバーです。 

スタンドアロンシステム

ローカルディスクに Solaris ソフトウェアがインストールされていて、OS サーバーからのサービスを必要としないシステムです。ネットワークに接続されているシステムとネットワークに接続されていないシステムのいずれの場合も、Solaris オペレーティング環境でスタンドアロンシステムとなることができます。

Solaris ソフトウェアのインストール方法

Solaris ソフトウェアをインストールするには、次の方法があります。

表 1-2 Solaris ソフトウェアのインストール方法

方法 

説明 

Solaris 8 対話式インストールプログラム

このプログラムは、Solaris 8 ソフトウェアのインストール手順を順番に示します。このプログラムでは、製品に含まれているすべてのソフトウェア (Solaris ソフトウェアとその同梱ソフトウェア) をインストールするのではなく、Solaris ソフトウェアのインストールだけを行います。Solaris ソフトウェアをインストールした後で、ソフトウェア用のインストールプログラムを使って、同梱ソフトウェアをインストールする必要があります。

JumpStart

この方法を使うと、新しいシステムに Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel) を挿入してシステムの電源を入れるだけで、そのシステムに Solaris ソフトウェアを自動的にインストールできます。インストールされるソフトウェアは、システムの機種とディスクサイズに基づいて選択されるデフォルトのプロファイルによって自動的に指定されます。したがって、インストールするソフトウェアを選択する必要はありません。 

すべての新しい SPARC 搭載システムは、ブートディスクに JumpStart ソフトウェア (インストール済みブートイメージ) があらかじめインストールされています。ただし、re-preinstall(1M) コマンドを使えば、IA または既存の SPARC システムに JumpStart ソフトウェアをインストールできます。

カスタム JumpStart

この方法を使うと、いくつかのシステムを 1 つのグループとして自動的にかつ同時にインストールできます。この方法では、事前の準備をしないとシステムをインストールできませんが、大規模な企業サイトで Solaris ソフトウェアを自動的にインストールするためには、これが最もコスト効率のよい方法です。詳細は、第 6 章「カスタム JumpStart インストールの準備」を参照してください。


注 -

カスタム JumpStart インストールを使って新しいシステムをインストールする場合は、新しいシステムにすでにインストールされている JumpStart ソフトウェアを使用して、システムの電源を入れるとインストールを開始できます。ブートコマンドを指定する必要はありません。


ネットワーク上のインストール

Solaris ソフトウェアは CD-ROM で提供されるので、インストールするにはシステムが CD-ROM ドライブにアクセスできる必要があります。ただし、ローカル CD-ROM ドライブをもたないシステムがたくさんある場合や、どのシステムの CD-ROM ドライブにも Solaris 8 CD (Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) または Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (Intel)) を挿入したくない場合は、リモートの Solaris CD イメージからインストールするようにシステムを設定できます。リモートの Solaris 8 CD イメージはインストールサーバーによって提供されなければならず、このサーバーのハードディスクに Solaris CD イメージがコピーされている必要があります。 

ネットワーク上でシステムをインストールするときは、上記のすべてのインストール方法が使用できます。ただし大規模なサイトの場合は、カスタム JumpStart を使ってネットワーク上でシステムをインストールすれば、インストール作業が集中化および自動化できるので便利です。 

ユーザーの介入なしにネットワーク上でシステムに Solaris 8 ソフトウェアをインストールするようにサイトを設定するには、あらかじめ次の作業を実行する必要があります。

  • 各システムに対してネットワーク情報 (日付、時刻、地域、サイトサブネットマスク、使用言語など) をあらかじめ設定しておく必要があります。こうしておくと、インストール作業中にシステムを特定するためのプロンプトに毎回答える必要がなくなります (詳細は、第 4 章「システム構成情報の事前設定」を参照)。

Solaris Web Start

グラフィカルユーザーインタフェース (GUI) を使用して、製品に含まれているすべてのソフトウェア (Solaris ソフトウェアと同梱ソフトウェア) を一度にインストールできます。デフォルトオプションを使ってすべてのソフトウェアをインストールすることも、カスタマイズオプションを使って必要なソフトウェアだけをインストールすることもできます。