Solaris 8 のインストール (上級編)

インストールサーバーとブートサーバーの作成

ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールするためには、インストールサーバーを作成する必要があります。さらに、インストールするシステムがインストールサーバーと同じサブネット上にない場合は、次のどちらかを行う必要があります。

この節の内容は、次のとおりです。

インストールサーバーを作成する方法


SPARC のみ -

SunOS 4.1.x システムは、インストールサーバーとしては使用できません。


  1. インストールサーバーとして使用するシステムでスーパーユーザーになります。

    このシステムには CD-ROM ドライブが必要です。さらに、システムは、このサイトのネットワークに接続されネームサービスに登録されている必要があります。ネームサービスを使用する場合、システムのネームサービスは NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかでなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を分散する必要があります。


    注 -

    この手順では、システムがボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでフロッピーディスクや CD を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。


  2. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。

  3. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD および Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーするかどうかを決めます。

    • コピーする場合は、手順 4 へ進みます。

    • コピーしない場合は、手順 19 へ進みます。

  4. マウントした CD の Tools ディレクトリに移動します。

    • SPARC 版 CD の場合


      # cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools
      
    • Intel 版 CD の場合


      # cd /cdrom/cdrom0/s2/Solaris_8/Tools
      
  5. setup_install_server コマンドを使用して、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクにコピーします。


    # ./setup_install_server install_dir_path
    

    このコマンド行では、install_dir_path は、CD イメージのコピー先となるディレクトリを指定します。空のディレクトリを指定してください。


    注 -

    setup_install_server コマンドは、Solaris 8 SOFTWARE CD イメージをコピーするためのディスク容量が十分あるかどうかを調べます。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。


  6. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を取り出します。

  7. Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。

  8. マウントされた CD の Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0/Solaris_8/Tools
    
  9. add_to_install_server コマンドを使用して、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクに追加します。


    # ./add_to_install_server install_dir_path
    

    このコマンド行では、install_dir_path は、CD イメージのコピー先となるディレクトリを指定します。

  10. Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD を取り出します。

  11. Solaris 8 LANGUAGES CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。

  12. マウントされた CD の Tools ディレクトリに移動します。


    # cd /cdrom/cdrom0/Tools
    
  13. add_to_install_server コマンドを使用して、CD-ROM ドライブ内の CD をインストールサーバーのハードディスクに追加します。


    # ./add_to_install_server install_dir_path
    

    このコマンド行では、install_dir_path には、CD イメージのコピー先となるディレクトリを指定します。

  14. ユーザーが Solaris Web Start を使用してシステムをブートし、ネットワーク上で Solaris 8 ソフトウェアを

    • インストールできるようにしない場合は、Solaris 8 LANGUAGES CD を取り出して、手順 18 に進みます。

    • インストールできるようにする場合は、Solaris 8 LANGUAGES CD を取り出します。

  15. Solaris 8 INSTALLATION CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。

  16. マウントされた CD の modify_install_server を含むディレクトリに移動します。

    • SPARC 版 CD の場合


      # cd /cdrom/cdrom0/s0
      
    • Intel 版 CD の場合


    # cd /cdrom/cdrom0/s2
    
  17. modify_install_server コマンドを使用して、Solaris Web Start インタフェースソフトウェアをインストールサーバーに追加します。


    IA のみ -

    modify_install_server は、Solaris 8 INSTALLATION CD (Intel) または Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD (Intel) 上の s2 ディレクトリにあります。



    # ./modify_install_server install_dir_path installer_miniroot_path
    

    このコマンド行では、install_dir_path は、Solaris Web Start インタフェースのコピー先となるディレクトリを指定します。installer_miniroot_path は、Solaris Web Start インタフェースのコピー元となる CD-ROM ドライブ内の CD 上のディレクトリを指定します。

  18. setup_install_server によって作成されたネットインストールイメージ上のミニルート (Solaris_8/Tools/Boot) にあるファイルにパッチを

    • 適用しない場合は、次の手順に進みます。

    • 適用する場合は、patchadd -C コマンドを使用して、ミニルートにあるファイルにパッチを適用します。

  19. ブートサーバーを作成する必要があるかどうかを判断します。

SPARC: 例 - インストールサーバーの作成

次の例は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC)、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD (SPARC)、Solaris 8 LANGUAGES CD (SPARC)、および Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD (SPARC) をインストールサーバーの /export/install ディレクトリにコピーしてインストールサーバーを作成する方法を示しています。


# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools
# ./setup_install_server /export/install
# cd /cdrom/cdrom0/Solaris_8/Tools
# ./add_to_install_server /export/install
# cd /cdrom/cdrom0/Tools
# ./add_to_install_server /export/install
# cd /cdrom/cdrom0/s0
# ./modify_install_server /export/install /cdrom/cdrom0/s2

注 -

この例では、各コマンドを実行する前に各 CD がドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。各コマンドを実行すると、CD が取り出されます。


ブートサーバーをサブネット上に作成する方法

ネットワーク上の任意のインストールサーバーから、ネットワーク上で Solaris ソフトウェアをインストールできます。ただし、他のサブネット上のインストールサーバーを使用する必要がある場合には、そのシステムがあるサブネット上にブートサーバーが必要です。ブートサーバーには、ネットワーク上でシステムをブートするために必要なブートソフトウェアが含まれています。一方、インストールサーバーは Solaris ソフトウェアのインストールを行います。

  1. サブネット内でブートサーバーとして使用するシステムにログインし、スーパーユーザーになります。

    システムには、ローカルの CD-ROM ドライブまたはリモートの Solaris 8 CD イメージにアクセスできる必要があります。ネームサービスを使用する場合、システムのネームサービスは、NIS、NIS+、DNS、LDAP のいずれかでなければなりません。ネームサービスを使用しない場合は、サイトのポリシーに従ってシステムの情報を分散する必要があります。


    注 -

    この手順では、システムでボリュームマネージャを実行していると仮定しています。ボリュームマネージャなしでフロッピーディスクや CD を管理する方法の詳細は、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』を参照してください。


  2. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を CD-ROM からマウントするか、NFS サーバーにあるイメージからマウントするかを決めます。

    • Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を CD-ROM からマウントする場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を CD-ROM ドライブに挿入します。

    • Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を NFS サーバーにあるイメージからマウントする場合は、次の手順に従います。

      1. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージをマウントします。


        # mount -F nfs -o ro server_name:path /mnt
        

        server_name:path は、CD イメージへのホスト名と絶対パスです。

      2. マウントした CD イメージのディレクトリに移動します。


        # cd /mnt
        
  3. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD イメージの Tools ディレクトリに移動します。


    # cd Solaris_8/Tools
    
  4. ブートソフトウェアをブートサーバーにコピーします。


    # ./setup_install_server -b boot_dir_path
    

    このコマンド行では、boot_dir_path は、ブートソフトウェアがコピーされるディレクトリを指定します。空のディレクトリを指定してください。-b は、このシステムがブートサーバーとして設定されることを指定します。


    注 -

    setup_install_server コマンドは、Solaris 8 SOFTWARE CD イメージをコピーする十分なディスク容量があるかどうかを調べます。利用できるディスク容量を調べるには、df -kl コマンドを使用します。


  5. Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を取り出します。

  6. Solaris 8 INSTALLATION CD をシステムの CD-ROM ドライブに挿入します。

  7. modify_install_server コマンドを使用して、Solaris Web Start インタフェースソフトウェアをインストールサーバーにコピーします。


    IA のみ -

    modify_install_server は、Solaris 8 INSTALLATION CD (Intel) または Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD (Intel) 上の s2 ディレクトリにあります。



    # ./modify_install_server install_dir_path installer_miniroot_path
    

    install_dir_path は、Solaris Web Start インタフェースのコピー先となるディレクトリを指定します。installer_miniroot_path は、Solaris Web Start インタフェースのコピー元となる CD-ROM ドライブ内の CD 上のディレクトリを指定します。

SPARC: 例 - サブネット上にブートサーバーを作成する

次の例は、ブートサーバーをサブネット上に作成する方法を示したものです。次のコマンドを実行すると、ブートソフトウェアが Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD (SPARC) イメージからシステムのローカルディスク (/export/install/boot) にコピーされます。


# cd /cdrom/cdrom0/s0/Solaris_8/Tools
# ./setup_install_server -b /export/install/boot
 

注 -

この例では、各コマンドを実行する前に各 CD がドライブに挿入され、自動的にマウントされるものとします。コマンドを実行すると、CD が取り出されます。