SunVTS 4.4 ユーザーマニュアル

付録 B よくある質問

  1. SunVTS のどのバージョンをインストールすればよいでしょうか。

    サポートされる SunVTS については、お使いの Solaris と同時期 (Solaris サプリメント CD のリリース番号を参照) に出荷された SunVTS のバージョンをインストールしてください。Solaris オペレーティング環境のリリースと SunVTS のバージョンとの関係を表 B-1 に示します。

    表 B-1 SunVTS バージョンと Solaris リリース対応表

    Solaris オペレーティング環境リリース 

    SunOS バージョン 

    SunVTS バージョン 

    Solaris 8 7/01 

    5.8 

    4.4 

    Solaris 8 4/01 

    5.8 

    4.3 

    Solaris 8 1/01 

    5.8 

    4.2 

    Solaris 8 10/00 

    5.8 

    4.1 

    Solaris 8 6/00 

    5.8 

    4.0 

    Solaris 8 

    5.8 

    4.0 

    Solaris 7 11/99 

    5.7 

    3.4 

    Solaris 7 8/99 

    5.7 

    3.3 

    Solaris 7 5/99 

    5.7 

    3.2  

    Solaris 7 3/99 

    5.7 

    3.1 

    Solaris 7 

    5.7 

    3.0 

    Solaris 2.6 5/98 

    5.6 

    2.1.3 

    Solaris 2.6 3/98 

    5.6 

    2.1.2 

    Solaris 2.5.1 

    5.5.1 

    2.1.1 

  2. SunVTS をデフォルト (/opt) 以外のディレクトリにインストールできますか。

    できます。詳細は、第 2 章「SunVTS のインストールと削除」を参照してください。

  3. SunVTS をインストールすることで、現在使用しているシステムに好ましくない影響が出るでしょうか。

    いいえ。SunVTS は、標準のパッケージ規約に準拠しているため、お使いの環境に問題なくインストールすることができます。また、pkgrm コマンドを使用して、問題なく削除することもできます。

  4. 1 つのシステムに、SunVTS の複数のバージョンをインストールできますか。

    できません。1 つのシステム上では、1 つの SunVTS バージョンのみサポートされます。

  5. SunVTS を再インストールした場合、再インストール前に作成したオプションファイルにアクセスできますか。

    できます。オプションファイルは、インストール、アンインストールの影響を受けません。

  6. Solaris オペレーティング環境が動作している x86 システムに、SunVTS をインストールして動作させることはできますか。

    できません。SunVTS は、x86 の Solaris には移植できません。SunVTS は、Sun SPARC/Solaris 環境でのみサポートされています。

  7. SunVTS に付属している Solaris サプリメント CD から直接 SunVTS を操作できますか。

    できません。第 2 章「SunVTS のインストールと削除」の説明に従って、SunVTS を動作させるシステムに、SunVTS をインストールしてください。

  8. SunVTS を保守モード (単一ユーザーレベル) で操作できますか。

    できません。システムは、マルチユーザーモードで動作させてください。

  9. Sun Management Center アプリケーション (旧名 Sun Enterprise SyMON) を使用して SunVTS を操作できますか。

    できません。SunVTS は、独立してインストールおよび実行されます。

  10. 現在、32 ビット版 Solaris オペレーティング環境で、SunVTS を使用しています。このSunVTS は、64 ビット版の Solaris オペレーティング環境で動作しますか。

    はい。sunvts コマンドが、稼動中のオペレーティング環境を判断し、適切な SunVTS カーネルを起動します。64 ビット版のテストを実行するには、64 ビット版の SunVTS パッケージをインストールする必要があります。詳細は、「SunVTS のパッケージ」を参照してください。

  11. ネットワーク上の別のシステムにあるオプションファイルを指定して、SunVTS を動作させることができますか。

    できません。SunVTS がオプションファイルを識別することができるディレクトリは、SunVTS が動作しているローカルシステムにハードコードされています。

  12. SunVTS のテストによって、「データが書き換えられる」ことはありますか。

    いいえ。SunVTS のテストがデータを書き換えることはありません。しかし、rawtest write/read モードを有効にした状態で disktest を実行する場合は、選択されたパーティションにデータが書き込まれます。ただし、テストは先に元データをバックアップし、書き込み/読み込み/比較操作が完了すると、再び元データを書き戻します。デフォルトでは、disktest は読み込み専用モードで実行されます。さらに、tapetestdisktest (フロッピーディスクドライブ用) などの intervention モードのテストには、書き込みができる作業用装置が必要な場合もあります。個々のテストについての詳細は、『SunVTS 4.4 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。

  13. システムにデバイスを追加する場合、そのデバイスを SunVTS に認識させるにはどのようにしたらよいでしょうか。

    Solaris オペレーティング環境で (boot -r コマンドなどの構成コマンドによって) デバイスが認識されると、SunVTS は調査ルーチンを使用して、そのデバイスを認識します。調査ルーチンは、SunVTS を起動すると自動的に実行されます。また、SunVTS の再調査コマンドを使用して、デバイスに対する SunVTS システムの調査をいつでも行うことができます。

  14. SunVTS のオプションやメニューをカスタマイズできますか。

    できません。

  15. SunVTS 環境に独自のテストを追加できますか。

    できます。詳細は、「カスタムテストの追加」を参照してください。

  16. SunVTS の起動と再調査は、なぜ時間がかかるのですか。

    初期調査が実行される SunVTS の起動時と、再調査の実行中は、SunVTS はユーザーのシステム構成を認識し、そのシステムに最適なテストを起動する必要があります。システムに多数のデバイスが搭載されていると、調査が完了するのに時間がかかります。

  17. デバイスの 1 つが、SunVTS のユーザーインタフェースで表示されません。何が原因でしょうか。

    まず、SunVTS でデバイスが表示されるには、そのデバイスが Solaris オペレーティング環境で認識されている必要があります。オペレーティング環境がそのデバイスを認識済みかどうか、確認してください (必要に応じて boot -r を使用してください)。次に、SunVTS の調査で、そのデバイスのエラーが検知された可能性があります。SunVTS を起動したウィンドウで、エラーが報告されていないかどうか確認してください。第 3 に、(SunVTS ユーザーインタフェースが示すように)SunVTS には Sun のほとんどのデバイスに対応するテストが用意されていますが、SunVTS でサポートされていないデバイスが使用された可能性があります。

  18. SunVTS がハングしたように見える場合はどうすればよいでしょうか。

    まず、SunVTS でテストが続行されるのをしばらく待ってみてください。テストに多大なシステム資源が使用されたため、SunVTS ユーザーインタフェースの更新に遅延が生じ、ハングしたように見える場合があります。次に、SunVTS がハングしたと判断される場合は、ある特定のテストが原因となっている可能性があります。現在実行中のテストの選択を解除してみてください。別のユーザーインタフェースを起動すれば (「SunVTS カーネルとインタフェースの単独起動」を参照)、SunVTS を制御することができます。

  19. デバイスの 1 つが、トレースモードダイアログボックスに表示されないため、トレースモードを選択できません。なぜでしょうか。

    おそらく、物理表示を使用しているためと思われます。この場合には、トレースダイアログボックスで表示される、より数階層下のレベルで一覧されるデバイスがいくつかあります。論理表示を選択すると、目的のデバイスは表示されるようになります。

  20. デバイスのテスト名は、どのようにして識別すればよいでしょうか。

    テスト名は、SunVTS ユーザーインタフェースのデバイスの隣に、括弧で囲まれて表示されています。たとえば、メモリー装置のテストは、mem(pmemtest) と表示されます。mem はデバイス、pmemtest はテスト名です。

  21. フレームバッファテストを行うと、エラーが発生しますが、フレームバッファは機能しています。なぜでしょうか。

    フレームバッファのテストは、特別な注意を必要とします。場合によっては、スクリーンセーバーを無効にする、フレームバッファのロックオプションを有効にする、などの操作を行う必要があります。ときには、マウスやキーボードによる単純な入力がテストエラーの原因になることもあります。フレームバッファの特殊なテストについて詳細は、『SunVTS 4.4 テストリファレンスマニュアル』を参照してください。

  22. SunVTS の古いバージョン (SunVTS 4.0) のメッセージ構文に基づいたスクリプトを使用しています。このスクリプトは、新しいメッセージ構文では機能しません。対処方法を教えてください

    スクリプトを更新し、新しいメッセージ形式 (表 4-2 参照) を使用するのが最善の方法です。

    新しい SunVTS メッセージ形式:


    <timestamp> <hostname> "SunVTS<version_id>:" [VTSID <vts_msgid>
    <modulename>[.<submodulename>][.<instnum>][(#P)].<vts_msgtype>]
    [<device_pathname>:] <msg_text>

    新しいメッセージの例:


    04/24/00 17:19:47 systemA SunVTS4.4: VTSID 34 disktest.
      VERBOSE c0t0d0: "number of blocks 3629760"

    古いメッセージ形式に基づいたスクリプトを使用する場合は、SunVTS の環境変数 VTS_OLD_MSG を使用して、SunVTS メッセージが古いメッセージ形式で表示されるように設定することができます。古いメッセージ形式を使用するには、環境変数 VTS_OLD_MSGYES に設定してください。

    古いメッセージ形式は、SunVTS の今後のリリースではサポートされません。VTS_OLD_MSG 変数は、お使いのスクリプトが更新されて新しいメッセージ形式を認識できるようになるまで、一時的に使用してください。

    古い SunVTS メッセージ形式:


    SUNWvts.<modulename[<.submodulename>]>.<vts_msgid> <timestamp>
    <modulename>[<.instnum>][(#P)] <device_pathname|hostname>
    <vts_msgtype>: <msg_text>

    古いメッセージの例:


    SUNWvts.disktest.34 04/24/99 14:27:30 disktest 
      c0t0d0 VERBOSE: "number of blocks 3629760"

  23. SunVTS のインストール中に、このパッケージの新しいインスタンスを作成するかどうかを問うメッセージが表示されました。この意味を教えてください。

    これは、1 つまたは複数の SunVTS パッケージがすでにインストールされていることを示します。それらのパッケージを削除してから、新しい SunVTS パッケージをインストールしてください。手順については、第 2 章「SunVTS のインストールと削除」を参照してください。

  24. SunVTS CDE ユーザーインタフェース (vtsui) が起動できなかったり、実行中に「X Error of failed request」と表示されたりすることがあります。問題点を修正するには、どうすればよいでしょうか。

    通常、このタイプのエラーは、X サーバーのリソースに問題があることを示します。他の GUI アプリケーションウィンドウをいくつか閉じて、SunVTS ユーザーインタフェース (vtsui) を再起動してみてください。

  25. マルチパス構成で c1t0d0 を選択すると、なぜか、次のエラーが発生します。


    ERROR: c1t0d0's alternate path (c2t0d0) is already selected

    このタイプのエラーは、あるディスクドライブがすでに選択されている場合に、その別のマルチパスデバイス名の 1 つを使用して、同じディスクドライブを再度選択しようとしたことを示します。SunVTS では、同じデバイスに対する複数のパスの選択は許されていません。