Sun StorEdge A5x00 アレイまたは Sun Fire 880 格納装置からデバイスを取り外す前に、ドライブへの活動を停止し、アプリケーションからドライブを削除する必要があります。ディスクドライブの取り外し準備の方法は、UFS、VERITAS Volume Manager、または Solstice DiskSuite ソフトウェアのどれを使用しているかによって異なります。構成はアプリケーションによって異なります。
この節では、UFS、VERITAS Volume Manager、および Solstice DiskSuite ソフトウェアでの手順を説明します。アプリケーションに適した処理を選択して、その手順を実行してください。
この手順は、認定されたシステム管理者が実行する必要があります。動作中のディスクドライブに対してホットプラグ操作を行うと、データが失われたり、破壊される可能性があります。
この手順を使用して、1 つまたは複数の UFS ファイルシステムで使用されるディスクの構成を解除します。
スーパーユーザーになります。
取り外す予定のデバイスに関連する活動またはアプリケーションを確認します。
使用するコマンドは、mount、showmount -a、df、および ps -ef です。詳細は、mount(1M)、showmount(1M)、および ps(1) のマニュアルページを参照してください。
たとえば、c0t11d0 というデバイスを取り外す場合は、以下のように入力します。
# mount | grep c0t11d0 /export/home1 on /dev/dsk/c0t11d0s2 setuid/read/write on # showmount -a | grep /export/home1 cinnamon:/export/home1/archive austin:/export/home1 swlab1:/export/home1/doc # ps -f | grep c0t11d0 root 1225 450 4 13:09:58 pts/2 0:00 grep c0t11 |
この例では、障害の発生したディスク上のファイルシステム /export/home1 は、3 種類の異なるシステム、cinnamon、austin、および swlab1 により、遠隔でマウントされています。実行中の処理は grep だけで、終了したところです。
構成を解除するファイルシステム上の活動またはアプリケーション処理を停止します。
システムをバックアップします。
ディスクのパーティションテーブルを特定して保存します。
ディスクを交換する場合、交換用ディスクと障害の発生したディスクが同じ種類の場合は、format コマンドを使用して、ディスクのパーティションテーブルを保存できます。format save コマンドを使用して、パーティションテーブルのコピーを /etc/format.dat ファイルに保存します。この操作によって、交換用ディスクを現在のディスクと同じレイアウトで構成できます。
format(1M) のマニュアルページを参照してください。
ディスク上のすべてのファイルシステムのマウントを解除します。
ファイルシステムが障害の発生したディスク上にある場合、またはファイルシステムに障害がある場合は、そのファイルシステムに umount 操作ができない可能性があります。この場合、umount 操作中にシステムコンソールと /var ディレクトリに大量のエラーメッセージが表示されます。このような状態が発生したり umount 操作が完了しない場合は、システムを再起動する必要があります。
各ファイルシステムに、以下のように入力します。
# umount ファイルシステム |
ファイルシステムは、返される各ファイルシステムの最初のフィールドです。
以下に例を示します。
# umount /export/home1 |
ファイルシステムがマウント解除されたことを確認するために、以下のように入力します。
# df |
これでディスクの取り外しまたは交換の準備は完了です。FC-AL ディスクドライブの削除を参照してください。
この手順を完了するには、ディスクの論理デバイス名が必要です。
スーパーユーザーになります。
障害の発生したディスクドライブを確認します。
エラーログのレベルはアプリケーションによって異なり、さまざまなレベルが提供されます。一般に、障害または障害の発生したディスクに関するメッセージは、システムのコンソールウィンドウに表示されます。この情報は /usr/adm/messages ファイルにも記録されます。詳細は、アプリケーションに付属しているマニュアルを参照してください。
システムをバックアップします。
バックアップの詳細は、システムに付属しているマニュアルを参照してください。
交換するディスクのメディア名を確認するために、以下のように入力します。
# vxdisk list | grep cwtxdysz |
たとえば、c2t1d0 という名前のディスクを取り外す場合は、以下のように入力します。
# vxdisk list | grep c2t1d0 c2t1d0s2 sliced disk01 rootdg online |
ディスクのメディア名は、上記出力の 3 番目のフィールドに示されている disk01 です。
vxdiskadm ユーティリティーを使用して、ディスクを交換可能な状態にします。
シェルウィンドウで vxdiskadm と入力します。
# vxdiskadm |
この操作は、対話形式で実行されます。操作に対して、ユーザーの確認が要求されます。
ディスクの交換を予定している場合は、「Remove a disk for replacement」オプションを選択します。または「Remove a disk」オプションを選択します。
交換または取り外すディスクの名前が要求されたら、ディスクのメディア名を入力します。vxdiskadm ユーティリティーによって、交換するディスクが認識され、交換するディスクに再構築できるように、サブディスク情報が保存されます。
冗長データは、交換用ディスクが Volume Manager に再接続されたときに自動的に復元されます。非冗長データは、使用できないと識別されるため、バックアップから再作成する必要があります。
詳細は、vxdiskadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
vxdiskadm ユーティリティーを終了します。
これでディスクの取り外しまたは交換の準備は完了です。FC-AL ディスクドライブの削除を参照してください。
スーパーユーザーになります。
交換するディスクを確認するために、/var/adm/messages ファイルおよび metastat の出力を調べます。
metadb コマンドを使用して、問題の発生したディスクにあるローカルメタデバイス状態のデータベースの複製を検出します。
障害ディスクにある複製に関するエラーが、レポートされます。この例では、c0t1d0 のデバイスに問題が発生しています。
# metadb flags first blk block count a m u 16 1034 /dev/dsk/c0t0d0s4 a u 1050 1034 /dev/dsk/c0t0d0s4 a u 2084 1034 /dev/dsk/c0t0d0s4 W pc luo 16 1034 /dev/dsk/c0t1d0s4 W pc luo 1050 1034 /dev/dsk/c0t1d0s4 W pc luo 2084 1034 /dev/dsk/c0t1d0s4 |
上記の出力には、ローカルディスク c0t0d0 と c0t1d0 のスライス 4 におけるデータベースの複製の状態が 3 つ表示されています。c0t1d0s4 スライスの flags フィールドにある W は、デバイスに書き込みエラーが発生していることを示しています。c0t0d0s4 スライスの 3 つの複製は、正常です。
問題がある状態のデータベース複製を削除したあと、3 つ以下の複製を残しておくと、継続前にデータベース複製にはさらに多くの状態が追加されます。この状態は、システムが正確にリブートすることを示します。
複製が常駐するスライスの名前と複製の数を記録してから、データベース複製の状態を削除します。
システムは、手順 3 の metadb で出力されたスライス数を数えて、複製数を認識します。この例では、c0t1d0s4 にある 3 つのデータベースの複製の状態が削除されます。
# metadb -d c0t1d0s4 |
障害のあるディスクのスライスを使用して任意のサブミラーを検出し、サブミラーを切り離します。
metastat コマンドを使用して、影響のあるミラーを表示します。
# metastat metastat d5: Mirror Submirror 0: d4 State: Okay Submirror 1: d3 State: Okay Pass: 1 Read option: roundrobin (default) Write option: parallel (default) Size: 1213380 blocks d4: Submirror of d5 State: Okay Size: 1213380 blocks Stripe 0: Device Start Block Dbase State Hot Spare c1t117d0s3 0 No Okay Stripe 1: Device Start Block Dbase State Hot Spare c3t112d0s3 0 No Okay |
metadetach コマンドを使用して、前の手順で定義されたサブミラーを切り離します。
# metadetach d5 d3 d5: submirror d3 is detached |
問題のあるディスクのホットスペアを削除します。
# metahs -d hsp000 c0t1d0s6 hsp000: Hotspare is deleted |
ディスクが複数のパーティションを使用している場合は、ディスクラベルを保存します。
s2 以外のスライスを使用している場合は、この手順を実行します。
# prtvtoc /dev/rdsk/c2t17d0s2 > /var/tmp/c2t17d0.vtoc |
prtvtoc (1M) のマニュアルページを参照してください。
metareplace コマンドを使用して、ホットスペア以外のディスクスライスを交換します。
# metareplace d1 c2t17d0s2 c2t16d0s2 d1: device c2t17d0s2 is replaced with c2t16d0s2 |
これでディスクの取り外しまたは交換の準備は完了です。FC-AL ディスクドライブの削除を参照してください。