Solaris 8 2/02 ご使用にあたって (Intel 版)

第 3 章 インストールに関する注意事項とバグ情報

この章では、Solaris 8 2/02 のインストールに関する注意事項とバグ情報について説明します。本章の内容を理解してからインストールを開始してください。

この章には、Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD に含まれている Solaris Web Start 3.0 の Kiosk および Solaris 8 2/02 DOCUMENTATION CD (アジア言語版) に含まれている『Solaris 8 2/02 ご使用にあたって (Intel 版)』、および印刷マニュアルの『Solaris 8 2/02 ご使用にあたって (Intel 版)』の作成後に見つかった、以下のバグの情報が追記されています。


注 -

今回の Solaris の製品名称は「Solaris 8 2/02」ですが、コード、パス名、パッケージパス名などで、「Solaris 2.8」または「SunOSTM 5.8」という名称が使用されていることがあります。コード、パス、パッケージパスなどを実際に入力または使用するときには、必ずマニュアル中に記述されている名称に従ってください。


DVD からの Solaris 8 のインストールを開始する前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報

Solaris 2.6 および Solaris 7 オペレーティング環境で、Solaris 8 2/02 DVD 上のデータにアクセスできない (バグ ID: 4511090)

Solaris 2.6 オペレーティング環境または Solaris 7 オペレーティング環境を実行しているシステムでは、Solaris 8 2/02 DVD がボリューム管理によって正しくマウントされません。そのため、インストールサーバーを設定したり、Live Upgrade を実行したり、メディア上のデータにアクセスすることができません。

回避方法 : 次のどちらかを実行してください。

Solaris 8 のインストールを開始する前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報

Solaris 8 ソフトウェアのインストールを始める前に知っておく必要がある注意事項とバグ情報について説明します。

アップグレード時に不要な言語がインストールされるため、容量不足になる (バグ ID: 4414329)

Solaris 2.6 および Solaris 7 のどちらかのオペレーティング環境を CD または CD イメージを使用してアップグレードすると、対応するロケールがシステム上に存在しない、不要なヨーロッパ言語がインストールされることがあります。ファイルシステムに十分な容量がない場合、アップグレードを完了することができなくなります。そのため、必要な言語がインストールされない可能性があります。

回避方法 : 次のいずれかを実行してください。

旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェア は Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアと互換性がない

Solaris Management ConsoleTM 1.0、1.0.1、1.0.2 のいずれかのソフトウェアがインストールされた状態で Solaris 8 10/01 オペレーティング環境およびその互換バージョンにアップグレードする場合は、アップグレードの前に Solaris Management Console ソフトウェア をアンインストールする必要があります。Solaris Management Console 2.0 ソフトウェアは、旧バージョンの Solaris Management Console ソフトウェア と互換性がありません。システムに SEAS 2.0、SEAS 3.0、Solaris 8 Admin Pack のいずれかがインストールされていると、Solaris Management Console ソフトウェア が終了することがあります。

回避方法 : 次のいずれかを実行してください。

ロケール選択機構の変更

Solaris 8 では、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 では、選択するソフトウェアグループ (ソフトウェアクラスタ) によって、インストールするロケールが決定されていました。Solaris 8 では、新しいインストールインタフェースが導入されたため、地域を選択することによって必要なロケールをインストールできます。このため Solaris 8 では、オペレーティングシステムのインストール時に、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 よりも柔軟にシステム構成をカスタマイズできるようになりました。

特に、次の点に注意してください。

symhislmegacpqncr などのディスクコントローラドライバがインストールされているシステムに、8G バイトを超えるパーティションを作成できない

以下に示すコントローラのいずれかを使用するディスク上には、8G バイトを超えるパーティションを作成しないでください。作成しようとすると、インストールされたシステムが正常に動作しません。

Solaris オペレーティング環境のインストールプログラムは、ドライバが 8G バイトを超えるパーティションをサポートしないことを検知できません。したがって、エラーを表示せずにインストールを続けますが、システムをリブートしようとするとリブートが失敗する可能性があります。

システムをリブートできたとしても、ブートデバイスや追加されたパッケージに関連する他の変更が原因となって、後で異常終了します。これらのドライバに関連するディスクコントローラは、次のとおりです。

回避方法 : symhislmegacpqncr などのドライバによって稼動するディスクコントローラを持つシステムに、ディスクの最初の 8G バイトを超える大きなパーティションをインストールしないでください。

Solaris 8 オペレーティング環境へアップグレードする前に、DPT PM2144UW コントローラの BIOS を最新のものに更新する必要がある

Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズの大きいパーティションをインストールするための新しい機能が追加されています。DPT PM2144UW コントローラの BIOS は、LBA (論理ブロックアドレス指定, Logical Block Addressing) をサポートしていなければなりません。最新の BIOS は、LBA アクセスを完全にサポートしています。問題が発生した場合は、ほかの DPT コントローラモデルにも影響します。

回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、 DPT PM2144UW コントローラの BIOS が最新のバージョンであることを確認してください。

システムに DPT コントローラがインストールされているかどうかは、次の手順で確認できます。

  1. 次のコマンドを実行します。

    prtconf -D

  2. 名前 dpt が表示されたら、カードの構成ユーティリティを起動して、機種や BIOS のバージョンに関する情報を取得します。

  3. BIOS をフラッシュするか、最新の BIOS EPROM をインストールして、DPT PM2144UW コントローラをアップグレードします。すべての DPT コントローラの最新の BIOS イメージについては、http://www.dpt.com を参照してください。

これで、システムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードできます。

BIOS バージョン GG.06.13 の Hewlett-Packard (HP) Vectra XU シリー ズのシステムをアップグレードできない

Solaris 8 オペレーティング環境には、サイズが大きいパーティションをインストールできる新しい機能が含まれています。システム BIOS は Logical Block Addressing (LBA) をサポートしている必要がありますが、BIOS バージョン GG.06.13 は LBA アクセスをサポートしていません。このような衝突を Solaris ブートプログラムは処理できません。この問題は他の HP Vectra システムにも影響します。

このシステムをアップグレードすると、HP システムはブートしなくなります。暗い画面上に点滅する下線が表示されるだけです。

回避方法 : 最新の BIOS バージョン GG.06.13 の HP Vectra XU シリーズシステムを Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードしないでください。Solaris 8 オペレーティング環境では、これらのシステムはサポートされていません。

ブートフロッピーディスクまたはブート CD を使用すれば、ブートにハードディスクコードを使用しないので、システムをブートすることができます。ブート可能デバイスとして、ネットワークまたは CD-ROM ドライブではなくハードディスクを選択してください。

PCI-IDE システム上で DMA が無効になる

デフォルトでは、Solaris ata デバイスドライバは、ATA/ATAPI デバイスに対して DMA (Direct Memory Access) 機能を無効にします。Solaris 8 オペレーティング環境のインストールは、DMA 機能が無効になっている状態で正しく行えます。

パフォーマンスを向上させるために DMA 機能を有効にする方法については、『Solaris 8 2/02 ご使用にあたって (Intel 版)』の 「PCI-IDE システム上で DMA が無効になる」を参照してください。

kdmconfig で USB Mouse が PS/2 Mouse として認識される (バグ ID: 4312993)

Pointing Device として USB Mouse を使用しているシステムで kdmconfig を実行すると、USB Mouse が PS/2 Mouse として認識されてしまいます。

Pointing Device を変更せずに PS/2 Mouse のまま次の画面に進むと、システムが停止します。

回避方法 : Pointing Device を USB Mouse に変更してください。

Solaris Web Start 3.0 に関する注意事項とバグ情報

Solaris Web Start 3.0 を使用する場合のインストールに関する情報と問題について説明します。この節に記載されている問題は、Solaris 対話式インストールプログラムを使用するときには発生しません。

スワップスライスが使用可能な最初のシリンダから開始されていない場合、初期インストールが失敗することがある (バグ ID: 4508297)

Solaris 8 INSTALLATION CD からインストールする場合に、SolarisTM Web Start インストールプログラムが、インストールするソフトウェアを既存のスワップスライスに置くように求めることがあります。しかし、インストールプログラムは、そのスワップスライスが使用可能な最初のシリンダから開始されているかどうかは通知しません。指定された既存のスワップスライスを使用して、そのスライスが使用可能な最初のシリンダから開始されていなかった場合、ディスク構成によっては、インストールできないことがあります。

回避方法 : 初期インストールを行う場合は、次の手順を実行します。


注 -

この手順を実行すると、選択したスワップスライス上の情報はすべて消去されます。


  1. 設定中に表示される、既存のスワップスライスを使用することを求めるプロンプトのすべてに No と答えます。

  2. プロンプトで要求された場合は、代替手段を示すリストから None を選択し、Solaris インストールソフトウェアを保存するスライスを再選択するよう求められたときは No と答えます。

  3. インストーラのプロンプトに応じて、パーティション再分割を行うディスクを選択します。

  4. プロンプトに応じて、スワップスライスのサイズを選択します。

  5. スワップスライスをディスクの先頭から開始してよいかどうか尋ねるインストーラからのプロンプトに、Yes と答えます。

  6. インストールを完了します。

ディスクのパーティション再分割およびスワップスライスのサイズの選択の詳細については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。

スワップスライスがデフォルトのブートディスクにない場合、デフォルトインストールが無効になることがある (バグ ID: 4527984)

Solaris 8 INSTALLATION CD からインストールするときに、デフォルトのブートディスク上にないスワップスライスを選択した場合、「デフォルトインストール」の選択肢が無効 (選択できない状態) になることがあります。この問題は、使用可能な最初のシリンダから始まるスワップスライスを選択し、デフォルトのブートディスクにデフォルトインストールに必要な容量がある場合でも発生します。次のエラーメッセージが表示されます。


注: デフォルトインストールはできません。ファイルシステムを手動で配置する必要があります。

回避方法 : 次のどちらかを実行してください。

日付と時刻が正しく設定されない (バグID: 4528145)

デフォルトの時間帯を指定する方法として「地域」を選択した場合、地域の選択画面で「アジア東部」から「日本」を選択しても、時間帯が正しく設定されません。

回避方法 :「日付と時刻」画面に表示されている日付と時刻を正しい値に修正して、インストールを継続してください。

Solaris Web Start インストールにおいて必要なパーティション

Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD に含まれている SolarisTM Web Start 3.0 が、システム内で Solaris fdisk パーティションを検出できない場合は、Solaris fdisk パーティションを作成する必要があります。


注意 - 注意 -

既存の fdisk パーティションのサイズを変更すると、そのパーティション上のすべてのデータが自動的に削除されます。データのバックアップをとってから、Solaris fdisk パーティションを作成してください。


Solaris Web Start 3.0 でインストールを行うには、2 つの fdisk パーティションが必要です。


注 -

Solaris Web Start 3.0 は、x86BOOT fdisk パーティションの存在を検出した場合は、そのパーティションを使用します。検出しなかった場合は、Solaris fdisk パーティションを分割し、10M バイトの x86BOOT fdisk パーティションを作成します。

x86BOOT fdisk パーティションは手動では作成しないでください。

Solaris 8 より前のオペレーティング環境では、x86BOOT fdisk パーティションは作成されません。Solaris Web Start 3.0 は x86BOOT fdisk パーティションを必要とするので、Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris 8 より前のオペレーティング環境を Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードすることはできません。本件に関しては、「Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD を使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 8 2/02 にアップグレードできない」でも説明しています。


ネットワークゲートウェイシステム上でシステム認識中に使用する代替ネットワークインタフェースを指定できない (バグ ID: 4302896)

ネットワークゲートウェイは、他のネットワークと通信するために使用されます。ゲートウェイシステムには複数のネットワークインタフェースアダプタが含まれており、各アダプタはそれぞれ異なるネットワークに接続します。

Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD または DVD を使用して Solaris 8 2/02 オペレーティング環境をゲートウェイシステムにインストールした場合、Solaris Web Start 3.0 は一次ネットワークインタフェースを使用してシステム情報を収集します。システムを認識するための情報を代替ネットワークインタフェースを使用して収集するように、Solaris Web Start 3.0 で指定することはできません。

回避方法 : 一次ネットワークインタフェース以外のインタフェースを使用してシステム情報を収集するように指定するには、次のいずれかを行なってください。

IA BOOT パーティションからブートする時に cpio エラーメッセージが出力される (バグ ID: 4327051)

Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD を使用してインストールすると、/var/sadm/system/logs/cd0_install.log ファイルに次のようなエラーメッセージが出力されます。


cpio: Cannot chown() "/tmp/x86_boot/solaris", errno 22, Invalid argument
cpio: Error during chown() of "/tmp/x86_boot/solaris/boot.bin", 
errno 22, Invalid argument
cpio: Cannot chown() "/tmp/x86_boot/solaris/boot.bin", errno 22, 
Invalid argument

このメッセージは、IA BOOT パーティションからブートするために必要なファイルの所有権を、Solaris Web Start 3.0 が変更できないことを示しています。IA BOOT パーティションは PCFS ファイルシステムなので chown コマンドをサポートしていません。このために cpio エラーが発生します。

回避方法 : インストールは問題なく行われるので、このエラーメッセージは無視してください。

Solaris Web Start 3.0 を使用して英語の AnswerBook ドキュメントをインストールする方法

Solaris 8 DOCUMENTATION CD (英語版 + ヨーロッパ言語版) には、英語の AnswerBook ドキュメントがすべて含まれています。アジア版の DOCUMENTATION CD には、一部のアジア言語にだけ翻訳されている、またはまったく翻訳されていない、以下の英語ドキュメントが含まれています。

 KCMS Collection
 OpenBoot Collection
 Solaris 8 2/02 Update Collection
 Solaris 8 Common Desktop Environment Developer Collection
 Solaris 8 Software Developer Collection
 Solaris 8 System Administrator Collection

アジア版の DOCUMENTATION CD に付属のインストーラでは、これらのドキュメントはデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、ヨーロッパ版の DOCUMENTATION CD からインストールする必要があります。

Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD から Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris オペレーティング環境をインストールする場合、上記の英語ドキュメントはアジア版の DOCUMENTATION CD からデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、Solaris Web Start 3.0 の「製品の選択」画面で「Solaris 8 Documemtation European」を選択して、ヨーロッパ版 CD からドキュメントをインストールしてください。

Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD の挿入について

Solaris Web Start 3.0 は、選択したソフトウェアグループ、ロケール、製品に応じて必要な CD を挿入するように要求し、インストールを行います。

Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD には、「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループと、(Solaris_8/EA/products ディレクトリにある) Live Upgrade 1.0、Solstice DiskSuite 4.2.1、SunScreen 3.1 Lite が含まれています。

「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループおよび Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアを選択した場合、Solaris Web Start 3.0 は、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了すると SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入するように要求します。その後、LANGUAGES CD や DOCUMENTATION CD をインストールした後に再度 SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入するように要求します。これは、Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアをインストールするためで、Solaris ソフトウェアをインストールするためではありません。メッセージに従って SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入し、Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアのインストールを行なってください。


注 -

Solaris 8 6/00 から Solaris_8/EA/products ディレクトリに SunScreen 3.1 Lite が追加されましたが、Solaris Web Start 3.0 では SunScreen 3.1 Lite をインストールすることができません。SunScreen 3.1 Lite をインストールする場合は、Solaris 8 2/02 をインストールしたシステム上で、Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/SunScreen_3.1_Lite/installer) を使用してください。また、インストール前に、「日本語、フランス語、中国語 (簡体字) ロケールで SunScreen をインストールすると、不要な文字がメッセージ中に表示される (バグ ID: 4336336)」をお読みください。


Live Upgrade のインストール画面の表示

Solaris Web Start 3.0 のインストールにおいて「製品の選択」画面で、Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Live Upgrade を選択した場合、インストール画面の一部が英語で表示されます。

Live Upgrade を、Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/Live_Upgrade_1.0/installer) を使用してインストールする場合も、インストール画面の一部が英語で表示されます。

Solaris Web Start 3.0 におけるウィンドウシステムの構成に関する注意事項

Solaris Web Start 3.0 は、システムにビデオアダプタがあることを検出した場合にはグラフィカルユーザーインタフェースを起動し、そうでない場合にはコマンド行ユーザーインタフェースを起動します。

kdmconfig でウィンドウシステムを構成し、Solaris Web Start 3.0 がグラフィカルユーザーインタフェースで起動されたとしても、ウィンドウシステムの構成が正しくないまたは不完全な場合には、Solaris Web Start 3.0 は途中でインストールを終了してしまうことがあります。

ウィンドウシステムを正しく構成できない可能性がある場合 (たとえば、未サポートのビデオカードがシステムに搭載されているなど) は、kdmconfig で「Bypass」を選択して、明示的にコマンド行インタフェースを起動してください。または、 tip(1) 接続による Solaris Web Start 3.0 のコマンド行インタフェースを使用してください。

Solaris 8 1 of 2 CD からのインストールに関する注意事項とバグ情報

Solaris 8 1 of 2 CD からインストールする場合の注意事項と問題について説明します。

カスタム JumpStart または re-preinstall を使用すると、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 インストールプログラムが自動的に起動しない (バグ ID: 4556860)

カスタム JumpStartTM プログラムまたは re-preinstall コマンドを使用してインストールを行うと、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD が完了しても、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD インストールプログラムが自動的に起動しません。システムは正しくリブートされますが、インストールは完了しません。

回避方法 : カスタム JumpStart インストールまたは re-preinstall を使用してインストールする場合は、次のどちらかを実行してください。

ddi: net: x86 ネットワークブートは、特定のタイプの一次ネットワークインタフェース上でしか動作しない (バグ ID: 1146863)

ネットワークを介するブートは、IA システムの一次ネットワークインタフェース上で実行する必要があります。

一次ネットワークインタフェースは、ネットワークインタフェースの選択とインストールを繰り返すことによって特定できますが、「Boot Solaris」メニューの最初または最後にリストされているネットワークデバイスは、多くの場合一次ネットワークインタフェースです。

一次ネットワークインタフェースを特定できたら、ハードウェア構成を変更しない限り、システムをブートするたびに一次ネットワークインタフェースが変わることはありません。ハードウェア構成を変更した場合、変更したハードウェア構成によって、一次ネットワークインタフェースが変更される場合と変更されない場合があります。

一次ネットワークインタフェース以外のネットワークインタフェースからブートした場合、ブートシステムが停止し、ブートサーバーに接続できなくなります。この問題は、システムがブートサーバーのクライアントとして登録されていない場合にも発生します。

x86BOOT パーティションの設定を解除できない (バグ ID: 4367779)

対話式インストールの「fdisk パーティションのカスタマイズ」画面で、未使用のパーティションに x86BOOT を設定してサイズを割り当てた後、そのパーティションを「未使用」に設定し直しても、サイズの設定を 0 に変更できないため、そのままインストールを続けると x86BOOT パーティションが生成されてしまいます。

回避方法 : x86BOOT パーティションの設定を解除するには、「PRI DOS」を選択し、それから「未使用」を選択してください。

インストールの進捗を示すスケール表示が不正確 (バグ ID: 1266156)

Solaris ソフトウェアのインストール中であるにもかかわらず、「Solaris ソフトウェアのインストール - 実行中」のスケールがインストールの完了を示す可能性があります。

スケールがインストールの完了を示した後も、インストールプログラムによってパッケージが追加されている可能性があるので、インストールが完了したかどうかをスケールの表示で判断しないでください。すべてのインストール処理が完了すると、プロンプト # が表示されます。

ファイルシステムの作成時に警告メッセージが出力されることがある (バグ ID: 4189127)

インストール中、ファイルシステムの作成時に、次のどちらかの警告メッセージが出力される可能性があります。


Warning: inode blocks/cyl group (87) >= data blocks (63) in last
cylinder group. This implies 1008 sector(s) cannot be allocated.  

Warning: 1 sector(s) in last cylinder unallocated  
この警告メッセージは、作成中のファイルシステムのサイズと使用しているディスク上の容量が等しくない場合に表示されます。この場合、ディスク上に、作成中のファイルシステムには取り込まれない未使用の領域ができます。この未使用のディスク領域は、他のファイルシステムに割り当てることはできません。

回避方法 : 警告メッセージは無視してください。警告メッセージが表示されても問題は発生しません。

[日本語環境のみ] CD による対話式インストールで「コアシステムサポート」をインストールする場合の注意事項

「コアシステムサポート」でインストールされるべき日本語パッケージは、次のとおりです。

 パッケージ ロケール パッケージが含まれている CD
SUNWjeuc, SUNWjfpr, SUNWjfpuja, ja_JP.PCK, ja_JP.UTF-8 SOFTWARE 1 of 2 CD
SUNWjpckja_JP.PCK SOFTWARE 1 of 2 CD
SUNWju8ja_JP.UTF-8 SOFTWARE 1 of 2 CD
SUNWjeuce, SUNWjfpre, SUNWjfpueja, ja_JP.PCK, ja_JP.UTF-8 LANGUAGES CD
SUNWjpckeja_JP.PCK LANGUAGES CD
SUNWju8eja_JP.UTF-8 LANGUAGES CD

CD による対話式インストールにおいて、ソフトウェアグループとして「コアシステムサポート」を選択した場合、インストールするロケールとして日本語ロケールを選択しても、LANGUAGES CD に含まれている日本語パッケージはインストールされません。これは、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了し、システムがリブートした後、コアシステムの環境で LANGUAGES CD のインストールを起動できないためです。

回避方法 : CD を使用して対話式インストールを行なった場合は、インストール終了後、システムにログインし、次のように pkgadd(1M) コマンドを使用して LANGUAGES CD に含まれている日本語パッケージをインストールしてください。


# cd /cdrom/sol_8_u7_lang_ia/components/Japanese/i386/Packages
# pkgadd -d . SUNWjeuce SUNWjfpre SUNWjfpue SUNWjpcke SUNWju8e

対話式インストールで LANGUAGES CD に含まれているパッケージをインストールするには、LANGUAGES CD のイメージを含むインストールサーバーを使用してください。Solaris Web Start 3.0 では、CD を使用して LANGUAGES CD のインストールを行うことができます。

[日本語環境のみ] 不要な文字が表示される場合がある (バグ ID: 4305860、4396803)

対話式 GUI インストールの「ディスクのカスタマイズ」および 「fdisk パーティションのカスタマイズ」画面で、次のように「M バイト」の後に不要な文字が表示される場合があります。


   容量: nnnn M バイトXX
割り当て: nnnn M バイトXX
   空き: nnnn M バイトXX  

回避方法 : 不要な文字は無視してください。

カスタム JumpStart インストールに関するバグ情報

カスタム JumpStart インストールを使用する場合のインストールに関する情報と問題について説明します。

カスタム JumpStart は Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD と LANGUAGES CD をインストールしない (バグ ID: 4304912)

カスタム JumpStart インストールは、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD をインストールした後、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD および Solaris 8 LANGUAGES CD をインストールしません。

回避方法 : 「コアシステムサポート」ソフトウェアグループまたは「エンドユーザーシステムサポート」ソフトウェアグループを Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD に含まれている基本ロケール (部分ロケールともいい、ユーザーインタフェースの翻訳を含まない) 環境のみで利用する場合は、SOFTWARE 2 of 2 CD および LANGUAGES CD をインストールする必要はありません。

「開発者システムサポート」、「全体ディストリビューション」、「全体ディストリビューションと OEM サポート」のいずれかのソフトウェアグループをインストールする場合は、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD、SOFTWARE 2 of 2 CD、LANGUAGES CD を含むインストールサーバーを使用して、ネットワーク上でカスタム JumpStart インストールを行なってください。詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の 「JumpStart ディレクトリをサーバー上に作成する方法」を参照してください。

なお、プロファイルフロッピーディスクを使用したカスタム JumpStart インストールを行う場合は、次の手順に従って Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD、LANGUAGES CD をインストールしてください。

  1. カスタム JumpStart による Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが終了したら、システムをリブートします。

  2. システムにログインします。

  3. Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD を CD-ROM ドライブに挿入します。

  4. installer スクリプトを実行します。インストール画面に従ってソフトウェアをインストールします。

  5. Solaris 8 LANGUAGES CD を CD-ROM ドライブに挿入します。

  6. installer スクリプトを実行します。インストール画面に従ってソフトウェアをインストールします。

アップグレードに関する注意事項とバグ情報

旧リリースの Solaris がインストールされているシステムを、Solaris 8 2/02 にアップグレードする場合の注意事項とバグについて説明します。


注意 - 注意 -

IA (Intel Architechure) ベースのシステムを Solaris 8 2/02 オペレーティング環境にアップグレードする場合は、インストールを開始する前に、「Solstice DiskSuite でデータが失われる可能性がある (バグ ID: 4121281)」 の説明を必ずお読みください。


Live Upgrade がブートデバイスを判別できない場合がある (バグ ID: 4525464)

Solstice DiskSuiteTM、SolarisTM Volume Manager のミラーされたルート、Veritas のカプセル化されたルートのいずれかからブートした場合、lucreate コマンドがブートデバイスを判別できないことがあります。その場合、以下のエラーメッセージが表示されます。


WARNING: Unable to determine root device by accessing boot device settings directly.
ERROR: Unable to determine root device for current BE.
ERROR: Unable to determine the physical boot device for the current BE <...>.
Use the <-C> command line option to specify the physical boot device for the current BE 
<...>

lucreate -C を使用して物理的なブートデバイスを指定した場合、コマンドは失敗します。

回避方法 : /usr/sbin/lucreate ファイルを手動で編集して、Solstice DiskSuite、 Solaris Volume Manager のミラーされたルート、Veritas のカプセル化されたルートのいずれかから、Live Upgrade がブートデバイスを判別できるようにします。次の手順を実行してください。

  1. /usr/sbin/lucreate のバックアップ用コピーを作成します。

  2. テキストエディタで /usr/sbin/lucreate を開きます。

  3. /usr/sbin/lucreate ファイル内で次の行を検索します。


    elif [ "${dpbe_pbeBootDev}" -eq "-" ] ; then
    

  4. 上記の行を、以下のように変更します。


    elif [ "${dpbe_pbeBootDev}" = '-' ] ; then
    

  5. /usr/sbin/lucreate ファイル内で次の行を検索します。


     if [ "${OPTARG}" -ne "-" ] ; then
    

  6. 上記の行を、以下のように変更します。


    if [ "${OPTARG}" != '-' ] ; then
    

  7. /usr/sbin/lucreate に行なった変更を保存します。

これで lucreate コマンドがブートデバイスを判別可能になり、-C オプションが正しく機能するようになります。

アップグレード完了後は、/usr/sbin/lucreate のバックアップ用コピーを削除してもかまいません。

Solaris 8 2/02 へのアップグレードインストールの範囲

アップグレードオプションによって Solaris 8 2/02 をインストールする場合、Solaris 2.5.1 以降のシステムからのアップグレードをサポートします。それより前のリリースからのアップグレードは保証されません。

Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD を使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 8 2/02 にアップグレードできない

x86BOOT パーティションに関する制限事項のために、Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD の Solaris Web Start 3.0 を使用して、Solaris 8 より前の IA システムを Solaris 8 2/02 へアップグレードすることはできません。Solaris 8 より前の IA システムでは、Solaris 8 2/02 SOFTWARE 1 of 2 CD の対話式インストールまたは JumpStart インストールを使用して、Solaris 8 2/02 へのアップグレードを行なってください。

Priority Paging 機能と Solaris 8 キャッシュアーキテクチャ

Solaris 8 オペレーティング環境には、Solaris 7 の Priority Paging 機能を包含する、ファイルシステムキャッシュ用の新しいアーキテクチャが導入されています。Solaris 8 オペレーティング環境では、システム変数 priority_paging を設定しないでください。Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする時に、システム変数 priority_paging/etc/system から削除してください。

新しいキャッシュアーキテクチャでは、ファイルシステムの動作で発生する仮想メモリーシステムへの負荷の大部分が削減されます。これによって、メモリーページング統計のダイナミクスが変わり、システムメモリーの監視機能がより簡素化されます。ただし、従来とは大幅に異なる統計値が出される場合もあることを、メモリー動作を解析する時またはパフォーマンス監視のしきい値を設定する時には留意する必要があります。主な相違点は次のとおりです。

x86BOOT fdisk パーティションを持つ Solaris 8 より前のシステムをアップグレードすると、ファイルシステムの再配置時にバックアップファイルの復元に失敗する (バグ ID: 4367334)

Solaris 8 より前のリリースの IA システムの任意のディスク上に x86BOOT fdisk パーティションが存在する場合、対話式インストールまたはカスタム JumpStart インストールによる Solaris 8 へのアップグレード時にファイルシステムの再配置が発生すると、バックアップファイルの復元に失敗することがあります。

回避方法 : format(1M) コマンドで x86BOOT fdisk パーティションを削除してから、アップグレードを行なってください。

対話式インストールによるアップグレードでのロケール選択

「ロケール選択機構の変更」で説明したように、Solaris 8 から、インストールするロケールを選択する機構が変更されました。このため、対話式インストールを使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 8 2/02 へアップグレードすると、既存システムのインストール時に明示的にインストールしなかったロケールが「地域の選択」画面で自動的に選択されます。これは、既存システムのインストール時に明示的に指定していないロケールのソフトウェアが、暗黙のうちにインストールされていたためです。

既存システムのインストール時にインストールするロケールとして明示的に指定しなかったロケールが含まれている地域を、「地域の選択」画面で選択解除することができます。余分なロケールをそのまま選択解除せずにアップグレードを行なっても問題はありません。アップグレードしたシステムには、アップグレード前と同じレベルのロケール環境がサポートされます。ただし、既存のシステムに明示的にインストールしたロケールは、「地域の選択」画面で削除することはできません。

[日本語環境のみ]「日本語 Solaris 2.5.1 PC 漢字コード開発キット」が入ったシステムからのアップグレード

Solaris 2.5.1 に同梱されていた「日本語 Solaris 2.5.1 PC 漢字コード開発キット」がインストールされているシステムをアップグレードする場合、それをサポートするパッケージ (SUNWjprSUNWjpuSUNWjpxwSUNWjpdt) は自動的に削除されます。ja_JP.PCK ロケール環境をインストールするには、「言語の選択」画面で「Japanese PC Kanji (ja_JP.PCK)」を追加選択してください。

[日本語環境のみ] cs00 に関するアップグレード時の注意事項

Solaris 2.6 から、cs00 は「コアシステムサポート」ソフトウェアグループには含まれなくなりました。「コアシステムサポート」でインストールされた Solaris 2.5.1 システムをアップグレードすると、システム上から cs00 をサポートするシステムファイルが削除されます。

「コアシステムサポート」で cs00 を利用する場合は、「エンドユーザーシステムサポート」以上のソフトウェアグループを選択するか、インストール後に pkgadd コマンドにより次のパッケージをインストールしてください。

なお、かな漢字入力機能を持たない漢字表示可能な端末や端末エミュレータ上で日本語を入力するためのフロントエンドプロセッサ mle を利用する際にも、cs00 が必要になります。

/export が満杯に近いシステムのアップグレードが失敗する (バグ ID: 4409601)

/export ディレクトリの空き容量がゼロに近い状態で、システムを Solaris 8 2/02 オペレーティング環境にアップグレードしようとすると、/export ディレクトリ容量の必要条件の計算に誤りが発生するため、アップグレードに失敗します。この問題は、ディスクレスクライアントがインストールされているか、/export ディレクトリに他社製のソフトウェアがインストールされている場合によく発生します。次のエラーメッセージが表示されます。


WARNING: Insufficient space for the upgrade.

回避方法 : アップグレードの前に、次のいずれかを実行してください。

ディスクレスサーバーおよびディスクレスクライアントのアップグレード (バグ ID: 4363078)

現在のシステムが、AdminSuiteTM 2.3 のホストマネージャを使用してインストールしたディスクレスクライアントをサポートしている場合は、Solaris 8 2/02 オペレーティングシステムをインストールする前に、すべてのディスクレスクライアントを削除する必要があります。具体的な手順については、『Solaris 8 のシステム管理 (追補)』 の「ディスクレスクライアント環境をセットアップするには」の節を参照してください。

ディスクレスクライアントを削除せずに Solaris 8 2/02 をインストールしようとすると、次のようなエラーメッセージが出力されます。


The Solaris Version (Solaris 7) on slice <xxxxxxxx> cannot be upgraded. 
There is an unknown problem with the software configuration installed 
on this disk.
 
 
 
スライス <xxxxxxxx> 上の Solaris のバージョン (Solaris 7) が
アップグレードできません。ディスク上にインストールされたソフトウェア構成に
未知の問題があります。

Web-Based Enterprise Management (WBEM) データ消失防止のための JavaSpaces データストアのアップグレード (バグ ID: 4365035)

Solaris 8 (Solaris WBEM Services 2.0)、Solaris 8 6/00 (WBEM Services 2.1)、 Solaris 8 10/00 (WBEM Services 2.2)、Solaris 8 1/01 オペレーティング環境 (Solaris WBEM Services 2.3) のいずれかのオペレーティング環境から Solaris 8 2/02 オペレーティング環境 (Solaris WBEM Services 2.4) にアップグレードする場合は、Managed Object Format (MOF) 形式の重要なデータは、Solaris WBEM Services 2.4 で使用されている新しい Reliable Log レポジトリ形式に変換してください。この変換を行わないと、データが失われてしまいます。

回避方法 : アップグレードの前に JavaSpacesTM ソフトウェアを保存して、アップグレードの後に wbemconfig convert コマンドを実行して WBEM データを変換してください。

Solaris 8 2/02 オペレーティング環境にアップグレードする前に、次の手順に従って JavaSpaces ソフトウェアを保存してください。

  1. スーパーユーザーになります。

  2. JavaSpaces を保存します。

    # cp /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar /usr/sadm/lib/wbem/outrigger.jar.tmp
    

  3. マシンにインストールされている JDKTM ソフトウェアのバージョンを確認して記録します。例:

    # /usr/bin/java -version java version "1.2.1" Solaris VM (build Solaris_JDK_1.2.1_04c, native threads, sunwjit)
    

    WBEM データの変換時に使用する JDK ソフトウェアのバージョンは、元の JavaSpaces データストアが生成されたときに実行されていたバージョンと同じでなければなりません。


注 -

Solaris 8 2/02 へのアップグレード後は、WBEM データを変換する必要があります。具体的な手順については、『Solaris WBEM Services の管理』の「CIM Object Manager Repository のアップグレード」を参照してください。


Solstice DiskSuite でデータが失われる可能性がある (バグ ID: 4121281)

Solstice DiskSuiteTM metadb 複製には、Solstice DiskSuite 構成データの一部にドライバ名が含まれています。Solaris オペレーティング環境 2.5.1 または 2.6 を実行する IA ベースのシステムでは、SCSI ドライバ名は cmdk です。cmdk ドライバは、Solaris 8 オペレーティング環境では sd ドライバに置換されています。

回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境へのアップグレード中にデータを損失しないようにするには、Solstice DiskSuite が動作している IA システムのアップグレードを開始する前に、メタデバイス構成をテキストファイルに保存し、metadb 複製を削除してください。IA システムのアップグレード後に、Solstice DiskSuite のコマンド行インタフェースを使用してメタデバイス構成を復元してください。

Solstice DiskSuite 4.2 ご使用にあたって』には、metadb 構成の保存、metadb 複製の削除、IA システムの Solaris 8 オペレーティング環境へのアップグレード、Solstice DiskSuite のバージョン 4.2 へのアップグレード、メタデバイス構成の復元について、それぞれの手順が記載されています。Solairs 8 オペレーティング環境には、これらの手順を自動化する Bourne シェルスクリプトが含まれています。

Solaris 2.5.1 で再配置した CDE が、Solaris 8 へのアップグレード後に残る (バグ ID: 4260819)

この問題は、Solaris 2.5.1 と Solaris 2.5.1 アンバンドル CDE オペレーティング環境を実行しているシステムのうち、アンバンドル CDE の場所を /usr/dt 以外のディレクトリにインストールしたシステムに影響します。これらのシステムでは、インストール先の CDE を指すシンボリックリンクが /usr/dt に作成されています。

Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードすると、CDE が /usr/dt に再インストールされ、アップグレード前にインストールしていた CDE へのシンボリックリンクは削除されます。アップグレード前にインストールしていた CDE 自体は、削除されないで残ります。

アップグレードで、ファイルシステムの再配置に関連する処理が行われる場合、アップグレードに失敗します。ファイルシステム再配置で、新しい CDE に必要な /usr/dt の容量が考慮されないためです。このアップグレードの失敗は、アップグレードの完了時までわかりません。アップグレードに失敗すると、容量が足りないことを示すメッセージがアップグレードログ中に出力されます。

回避方法 : インストールしたアンバンドル CDE をアンインストールしてから、Solaris 8 オペレーティング環境へのアップグレードを開始してください。 アンインストールは、Solaris 2.5.1 CDE の CD から install-cde スクリプトを使用して行うことができます。CDE を削除するためには、必ず -uninstall フラグを付けてこのスクリプトを実行する必要があります。

WBEM 1.0 がインストールされている Solaris 7 オペレーティング環境から Solaris 8 にアップグレードすると、WBEM 2.0 が起動しない (バグ ID: 4274920)

Solaris 7 オペレーティング環境を実行しているシステムに、Solaris Easy Access Server (SEAS) 3.0 CD-ROM から WBEM 1.0 をインストールしている場合は、Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に WBEM 1.0 のパッケージを削除してください。WBEM 1.0 がインストールされたままアップグレードすると、Solaris WBEM Services 2.0 が起動しません。また、CIM Object Manager の起動にも失敗します。この場合、次のエラーメッセージが表示されます。


File not found: /opt/sadm/lib/wbem/cimom.jar

回避方法 : Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードする前に、WBEM 1.0 パッケージを手作業で削除してください。削除には、pkgrm コマンドを使用してください。

  1. pkginfo コマンドを次のように実行して、WBEM 1.0 パッケージがインストールされているかどうかを確認します。


    % pkginfo | grep WBEM
    

  2. スーパーユーザーになります。

  3. コマンドを次のように実行して、WBEM 1.0 のパッケージをすべて削除します。


    # pkgrm SUNWwbapi
    # pkgrm SUNWwbcor
    # pkgrm SUNWwbdev
    # pkgrm SUNWwbdoc
    # pkgrm SUNWwbm
    

    各ロケールのメッセージおよびヘルプに関するパッケージが入っているときは、それらのパッケージも削除します。以下は日本語版の例です。


    # pkgrm SUNWjewbi
    # pkgrm SUNWjewbs
    # pkgrm SUNWjwbd
    

アップグレード時に SUNWeeudt のインストールが部分的に失敗する (バグ ID: 4304305)

SUNWeeudt パッケージのインストールが部分的に失敗したことを示す次のようなメッセージが、アップグレードログに出力されます。


     Doing pkgadd of SUNWeeudt to /.
     ERROR: attribute verification of 
     </a/usr/dt/appconfig/types/ru_RU.KOI8-R/datatypes.dt> 
     failed pathname does not exist ...
 
     Installation of <SUNWeeudt> partially failed.
     pkgadd return code = 2  

回避方法 : アップグレード完了後に、次の手順を実行してください。

  1. 次のように入力して、SUNWeeudt パッケージを削除します。


    # pkgrm SUNWeeudt
    

  2. Solaris 8 2/02 SOFTWARE 1 of 2 CD またはインストールサーバーを使用して、 SUNWeeudt パッケージをインストールします。

    例:Solairs 8 2/02 SOFTWARE 1 of 2 CD を使用した場合


    # cd /cdrom/sol_8_u7_ia/s2/Solaris_8/Product
    # pkgadd -d . SUNWeeudt
    

アップグレードを行うと、システムのデフォルトロケールが正しく設定されない (バグ ID: 4233535)

Solaris 8 へのアップグレードを行うと、アップグレード時に設定したデフォルトロケールがシステムのデフォルトロケールに正しく設定されない場合があります。

CD を使用した対話式アップグレードの場合、Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD の インストールの終了後、自動ブートしたシステムが英語環境で起動し、SOFTWARE 2 of 2 CD および LANGUAGES CD のインストール画面が英語で表示されることがあります。

回避方法 : アップグレード終了後、システムのデフォルトロケールを /etc/default/init ファイルの LANG 環境変数に設定してください。

Solaris 2.6 5/98 からのアップグレード後、リブート時に pdwa に関するエラーメッセージが表示される (バグ ID: 4200789)

Solaris 2.6 5/98 のシステムをファイルシステムを再配置せずに Solaris 8 にアップグレードした場合、システムのリブート時に次のようなメッセージが表示されます。


WARNING: mod_load: cannot load module 'pdwa'
can't load module: No such file or directory

回避方法 : アップグレード終了後、システムをリブートする前またはリブートした後に以下のようにファイルを削除し、もう一度システムをブートしてください。エラーメッセージが表示されなくなります。

システムをリブートする前:


# rm /a/etc/rcS.d/S31pdwa

システムをリブートした後:


# rm /etc/rcS.d/S31pdwa

Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris DOCUMENTATION CD をアップグレードすると、同じコレクションが複数表示される (バグ ID: 4343497)

Solaris 8 (または 6/00、10/00、1/01、4/01) DOCUMENTATION CD (英語 + ヨーロッパ言語版) または Solaris 8 (または 6/00、10/00、1/01、4/01) DOCUMENTATION CD (アジア言語版) がインストールされている Solaris 8 (または 6/00、10/00、1/01、4/01) のシステムを Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris 8 2/02 にアップグレードする際に、DOCUMENTATION CD を Solaris 8 2/02 DOCUMENTATION CD にアップグレードすると、AnswerBook2 Collection に同じコレクションが複数表示されます。

回避方法 1: 以下のように ab2admin コマンドを使用して、複数表示されているコレクションを削除してから、もう一度コレクションを追加してください。

例:


# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o add_admin -u admin
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Release Documents Collection"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Release Documents Collection - \
Japanese"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 6/00 Release Documents Collection"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 6/00 Release Documents Collection - \
Japanese"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Installation Collection - Japanese"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Installation Collection - Japanese"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Software Developer Collection - \
Japanese"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 Software Developer Collection - \
Japanese"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 System Administrator Collection - \
Japanese"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o del_coll -t "Solaris 8 System Administrator Collection - \
Japanese"
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o restart
# /usr/lib/ab2/bin/ab2admin -o scan

回避方法 2: AnswerBook2 の「オプション」メニューから「個人用ライブラリの変更」を選択し、複数表示されているコレクションのうちアップグレード前にインストールされていたコレクションを選択解除して、そのコレクションを非表示にしてください。

[日本語環境のみ] アップグレード後のログファイル中に警告メッセージ no longer a symbolic link が出力されることがある (バグ ID: 4279768)

Solaris 8 へのアップグレードにおいて、Solaris 8 LANGUAGES CD の日本語ロケールのパッケージをインストールすると、ログファイル Solaris_8_Japanese_Localization_install.B* 中に次のような警告メッセージが出力される場合があります。

WARNING: /usr/dt/appconfig/appmanager/ja/Desktop_Controls <no longer a symbolic link>

回避方法 : 警告が出力されているファイルは正しくインストールされており問題はありませんので、警告メッセージは無視してください。

インストール全般に関する注意事項とバグ情報

Solaris 8 のインストール全般に関する注意事項とバグ情報を説明します。

SunScreen 3.1 Lite のサポートについて

SunScreen 3.1 Lite のインストールにおいて、「SunScreen 3.1 Lite is Early Access Software」という画面が表示され、以下のメッセージが含まれています。


This software is offered for evaluation purposes only and
is not recommended or intended for commercial, production,
or any non-trial deployment or use. Sun's product warranties
do not extend to this software.

また、SunScreen 3.1 Lite は Solaris_8/EA/products ディレクトリに含まれていますが、SunScreen は正式サポート製品ですので、上記インストール画面のメッセージは無視してください。

日本語、フランス語、中国語 (簡体字) ロケールで SunScreen をインストールすると、不要な文字がメッセージ中に表示される (バグ ID: 4336336)

SunScreen 3.1 Lite のインストールにおいて、日本語、フランス語、中国語 (簡体字) のいずれかのロケールで、Solaris 8 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/SunScreen_3.1_Lite/installer) を起動すると、英語で表示されるメッセージがありますが、そのメッセージの先頭に「XX_」、末尾に「_XX」という不要な文字が表示されます。

例:ja ロケールで installer を起動した場合


ja_SunScreen 3.1 Lite is Early Access Software_ja
ja_Please select one or both of the following_ja

回避方法 : 不要な文字を無視するか、C ロケールで installer を起動してください。

Solaris Product Registry を使用して SunScreen をアンインストールすると、パッケージの削除に失敗する (バグ ID: 4336957)

システムにインストールした SunScreen 3.1 Lite を Solaris Product Registry を使用してアンインストールすると、パッケージの削除に失敗してアンインストールできません。エラーメッセージがログファイルに出力されます。

回避方法 : pkgrm(1M) コマンドを使用して、SunScreen 3.1 Lite のパッケージをアンインストールしてください。

スワップ不足によって Solaris Web Start 2.x インストールが失敗する (バグ ID: 4166394)

同梱されている CD を、その CD に含まれている Solaris Web Start 2.x (installer) を使用して日本語ロケール (日本語表示) でインストールしているときに、スワップ容量の不足のためインストールが失敗することがあります。この場合、コンソールにエラーメッセージが表示されますが、エラーメッセージは次のように文字化けしています。


RunCmd Error:java.io.IOException: ???????????????????? 

回避方法 : 同梱されている CD に含まれている Solaris Web Start 2.x は、実行時におよそ 50M バイトのメモリーを消費します。Solaris Web Start 2.x を使用してインストールする場合は、swap -s コマンドなどで空きスワップ容量を確認し、不足している場合は、メモリーの消費量が多いアプリケーションを終了するか、スワップファイルを作成してスワップ領域を追加してください。詳細は、swap(1M) のマニュアルページを参照してください。

[日本語環境のみ] デフォルトロケールに関係なくインストールログが EUC テキストファイルで生成される

選択したデフォルトロケールに関係なく、install_logupgrade_log などの Solaris のインストールログファイルは、EUC (ja ロケール) テキストとして生成されます。

回避方法 : コードコンバータで変換して参照するか、テキストエディタなどの GUI ツールを ja ロケールで起動して参照してください。

[日本語環境のみ] Solaris 8 でサポートされる日本語入力システム

Solaris 8 では、日本語入力システムとして、ATOK12、Wnn6、ATOK8、cs00 を利用できます。これらは LANGUAGES CD (cs00 の一部は SOFTWARE CD) に含まれており、「エンドユーザーシステムサポート」以上のソフトウェアグループでデフォルトでインストールされます。

ただし、複数言語入力環境で利用できる日本語入力システムは、ATOK12 または cs00 です。Wnn6 および ATOK8 は、複数言語入力環境では利用できません。

[日本語環境のみ] 日本語 106/109 キーボードに関する注意事項

デフォルトのキーボードは US-English タイプになっているため、構成用補助ブートフロッピーディスクの「Identified Devices」画面で以下のように表示されます。


ISA: System keyboard (US-English)
日本語 106/109 キーボードを使用している場合は、F4-Device Tasks を選択し、「Set Keyboard Configuration」で「Japanese (106)」を選んでください。このとき、次のような指示が表示されます。「without Windows keys」を選んで、F2 キーを押してください。


[ ]  with Windows keys
[ ]  without Windows keys

設定後は、「Identified Device」画面で次のように表示されます。


ISA: System keyboard (Japanese(106))

注 -

日本語 109 キーボードに追加された Windows キーは、Solaris では使用できません。日本語 109 キーボードでは、日本語 106 キーボードと同じ機能を利用できます。


[日本語環境のみ] ブート時に周辺デバイスの設定不備を告げるメッセージが表示される

日本語 106/109 キーボードを使用しているシステムの場合、Device Configuration Assistant で「Japanese (106)」を選択しないでインストールを行うと、Solaris のブート時に、周辺デバイスの設定不備の可能性を示す次のメッセージが表示されます。


The peripheral device configuration may be incomplete or incorrect... 
この場合、Japanese (106) として設定し直してください。次回のブートから、このメッセージは表示されなくなります。

[日本語環境のみ] 日本語キーボード入力

Solaris をインストールする前に日本語 106 キーボードを利用すると、一部キーボード上の印字と実際の入力が異なります。次の表を参照してください。

表 3-2 日本語キーボード上の印字と実際の入力文字
 OADG 規格の日本語キーボード上の印字 実際の入力文字
 " @
 & ^
 ' &
 ( *
 ) (
 Shift-0 )
 = _
 ~ +
 ^ =
 ¥ 割り当てなし
 | 割り当てなし
 @ [
 ` {
 [ ]
 { }
 + :
 : '
 * "
 ] \
 } |
 _ 割り当てなし
 \ 割り当てなし
 半角 / 全角 ~
 Shift-半角 / 全角 '

英語および日本語以外のロケールに関するインストール時のバグ情報

英語および日本語以外のロケールをインストールする場合に発生するバグについて説明します。

ヨーロッパ言語ロケールで、Solaris Web Start の Kiosk のメニューが英語で表示される (バグ ID: 4510925)

ヨーロッパ言語ロケールで、Solaris 8 2/02 INSTALLATION CD を使用してインストールした場合、インストール処理の最後に表示される Kiosk のメニューが英語 (C ロケール) で表示される。

ヨーロッパ言語ロケールのシステムをアップグレードすると、ログにエラーメッセージが出力されることがある (バグ ID: 4230247、4225787)

Solaris 7 3/99、Solaris 7 5/99、Solaris 7 8/99、Solaris 7 11/99 オペレーティング環境から Solaris 8 2/02 オペレーティング環境へのアップグレードを行うと、次のようなエラーメッセージがアップグレードログに出力される可能性があります。


Doing pkgadd of SUNWplow to /.
pkgadd: ERROR: unable to create package object </a/usr/openwin/share/locale/de.ISO8859-15>.
    file type <s> expected <d> actual
    unable to remove existing directory at </a/usr/openwin/share/locale/de.ISO8859-15>
....
Installation of <SUNWplow> partially failed.
pkgadd return code = 2
 
 
Doing pkgadd of SUNWpldte to /.
WARNING: /a/usr/dt/appconfig/types/de.ISO8859-15 
may not overwrite a populated directory.
......
pkgadd: ERROR: /a/usr/dt/appconfig/types/de.ISO8859-15 could not be installed.
.......
Installation of <SUNWpldte> partially failed.
pkgadd return code = 2

この警告は、Solaris 8 2/02 で、アップグレードログに示されたディレクトリがシンボリックリンクからディレクトリに変わったパッケージがインストールされ、さらにディレクトリがシンボリックリンクのままのパッケージもインストールしようとするために発生します。ただし、このエラーによってシステムのオペレーティング環境に問題は発生しません。

回避方法 : 問題は発生しないので、上記のエラーメッセージは無視してください。