Solaris Web Start 3.0 を使用する場合のインストールに関する情報と問題について説明します。この節に記載されている問題は、Solaris 対話式インストールプログラムを使用するときには発生しません。
Solaris 8 INSTALLATION CD からインストールする場合に、SolarisTM Web Start インストールプログラムが、インストールするソフトウェアを既存のスワップスライスに置くように求めることがあります。しかし、インストールプログラムは、そのスワップスライスが使用可能な最初のシリンダから開始されているかどうかは通知しません。指定された既存のスワップスライスを使用して、そのスライスが使用可能な最初のシリンダから開始されていなかった場合、ディスク構成によっては、インストールできないことがあります。
回避方法 : 初期インストールを行う場合は、次の手順を実行します。
この手順を実行すると、選択したスワップスライス上の情報はすべて消去されます。
設定中に表示される、既存のスワップスライスを使用することを求めるプロンプトのすべてに No と答えます。
プロンプトで要求された場合は、代替手段を示すリストから None を選択し、Solaris インストールソフトウェアを保存するスライスを再選択するよう求められたときは No と答えます。
インストーラのプロンプトに応じて、パーティション再分割を行うディスクを選択します。
プロンプトに応じて、スワップスライスのサイズを選択します。
スワップスライスをディスクの先頭から開始してよいかどうか尋ねるインストーラからのプロンプトに、Yes と答えます。
インストールを完了します。
ディスクのパーティション再分割およびスワップスライスのサイズの選択の詳細については、『Solaris 8 のインストール (上級編)』を参照してください。
Solaris 8 INSTALLATION CD からインストールするときに、デフォルトのブートディスク上にないスワップスライスを選択した場合、「デフォルトインストール」の選択肢が無効 (選択できない状態) になることがあります。この問題は、使用可能な最初のシリンダから始まるスワップスライスを選択し、デフォルトのブートディスクにデフォルトインストールに必要な容量がある場合でも発生します。次のエラーメッセージが表示されます。
注: デフォルトインストールはできません。ファイルシステムを手動で配置する必要があります。 |
初期インストールを実行する場合は、スワップスライスの場所としてデフォルトのブートディスクを選択する。
スワップスライスがデフォルトのブートディスク上にない場合は、カスタムインストールを実行する。
デフォルトの時間帯を指定する方法として「地域」を選択した場合、地域の選択画面で「アジア東部」から「日本」を選択しても、時間帯が正しく設定されません。
回避方法 :「日付と時刻」画面に表示されている日付と時刻を正しい値に修正して、インストールを継続してください。
Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD に含まれている SolarisTM Web Start 3.0 が、システム内で Solaris fdisk パーティションを検出できない場合は、Solaris fdisk パーティションを作成する必要があります。
既存の fdisk パーティションのサイズを変更すると、そのパーティション上のすべてのデータが自動的に削除されます。データのバックアップをとってから、Solaris fdisk パーティションを作成してください。
Solaris Web Start 3.0 でインストールを行うには、2 つの fdisk パーティションが必要です。
Solaris fdisk パーティション
通常の Solaris fdisk パーティションです。
x86BOOT fdisk パーティション
IA システムをミニルートから起動するための、10M バイトの fdisk パーティションです。ミニルートは、Solaris fdisk パーティションのスワップスライス上に置かれます。
Solaris Web Start 3.0 は、x86BOOT fdisk パーティションの存在を検出した場合は、そのパーティションを使用します。検出しなかった場合は、Solaris fdisk パーティションを分割し、10M バイトの x86BOOT fdisk パーティションを作成します。
x86BOOT fdisk パーティションは手動では作成しないでください。
Solaris 8 より前のオペレーティング環境では、x86BOOT fdisk パーティションは作成されません。Solaris Web Start 3.0 は x86BOOT fdisk パーティションを必要とするので、Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris 8 より前のオペレーティング環境を Solaris 8 オペレーティング環境にアップグレードすることはできません。本件に関しては、「Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD を使用して Solaris 8 より前のシステムを Solaris 8 2/02 にアップグレードできない」でも説明しています。
ネットワークゲートウェイは、他のネットワークと通信するために使用されます。ゲートウェイシステムには複数のネットワークインタフェースアダプタが含まれており、各アダプタはそれぞれ異なるネットワークに接続します。
Solaris 8 INSTALLATION (Multilingual) CD または DVD を使用して Solaris 8 2/02 オペレーティング環境をゲートウェイシステムにインストールした場合、Solaris Web Start 3.0 は一次ネットワークインタフェースを使用してシステム情報を収集します。システムを認識するための情報を代替ネットワークインタフェースを使用して収集するように、Solaris Web Start 3.0 で指定することはできません。
回避方法 : 一次ネットワークインタフェース以外のインタフェースを使用してシステム情報を収集するように指定するには、次のいずれかを行なってください。
sysidcfg ファイルを作成して、システムの認識に使用するネットワークインタフェースを指定する
sysidcfg ファイルの作成および変更についての詳細は、『Solaris 8 のインストール (上級編)』の「sysidcfg ファイルによる事前設定」および sysidcfg(4) のマニュアルページを参照してください。
Solaris 8 SOFTWARE 1 of 2 CD を使用して、対話式インストールで Solaris 8 2/02 オペレーティング環境をインストールする。システムをネットワークに接続するように指定し、システム認識に使用する代替ネットワークインタフェースをリストから選択する
Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD を使用してインストールすると、/var/sadm/system/logs/cd0_install.log ファイルに次のようなエラーメッセージが出力されます。
cpio: Cannot chown() "/tmp/x86_boot/solaris", errno 22, Invalid argument cpio: Error during chown() of "/tmp/x86_boot/solaris/boot.bin", errno 22, Invalid argument cpio: Cannot chown() "/tmp/x86_boot/solaris/boot.bin", errno 22, Invalid argument |
このメッセージは、IA BOOT パーティションからブートするために必要なファイルの所有権を、Solaris Web Start 3.0 が変更できないことを示しています。IA BOOT パーティションは PCFS ファイルシステムなので chown コマンドをサポートしていません。このために cpio エラーが発生します。
回避方法 : インストールは問題なく行われるので、このエラーメッセージは無視してください。
Solaris 8 DOCUMENTATION CD (英語版 + ヨーロッパ言語版) には、英語の AnswerBook ドキュメントがすべて含まれています。アジア版の DOCUMENTATION CD には、一部のアジア言語にだけ翻訳されている、またはまったく翻訳されていない、以下の英語ドキュメントが含まれています。
KCMS Collection |
OpenBoot Collection |
Solaris 8 2/02 Update Collection |
Solaris 8 Common Desktop Environment Developer Collection |
Solaris 8 Software Developer Collection |
Solaris 8 System Administrator Collection |
アジア版の DOCUMENTATION CD に付属のインストーラでは、これらのドキュメントはデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、ヨーロッパ版の DOCUMENTATION CD からインストールする必要があります。
Solaris 8 2/02 INSTALLATION (Multilingual) CD から Solaris Web Start 3.0 を使用して Solaris オペレーティング環境をインストールする場合、上記の英語ドキュメントはアジア版の DOCUMENTATION CD からデフォルトでインストールされます。すべての英語ドキュメントをインストールする場合は、Solaris Web Start 3.0 の「製品の選択」画面で「Solaris 8 Documemtation European」を選択して、ヨーロッパ版 CD からドキュメントをインストールしてください。
Solaris Web Start 3.0 は、選択したソフトウェアグループ、ロケール、製品に応じて必要な CD を挿入するように要求し、インストールを行います。
Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD には、「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループと、(Solaris_8/EA/products ディレクトリにある) Live Upgrade 1.0、Solstice DiskSuite 4.2.1、SunScreen 3.1 Lite が含まれています。
「開発者システムサポート」以上のソフトウェアグループおよび Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアを選択した場合、Solaris Web Start 3.0 は、SOFTWARE 1 of 2 CD のインストールが完了すると SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入するように要求します。その後、LANGUAGES CD や DOCUMENTATION CD をインストールした後に再度 SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入するように要求します。これは、Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアをインストールするためで、Solaris ソフトウェアをインストールするためではありません。メッセージに従って SOFTWARE 2 of 2 CD を挿入し、Solaris_8/EA/products ディレクトリにあるソフトウェアのインストールを行なってください。
Solaris 8 6/00 から Solaris_8/EA/products ディレクトリに SunScreen 3.1 Lite が追加されましたが、Solaris Web Start 3.0 では SunScreen 3.1 Lite をインストールすることができません。SunScreen 3.1 Lite をインストールする場合は、Solaris 8 2/02 をインストールしたシステム上で、Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/SunScreen_3.1_Lite/installer) を使用してください。また、インストール前に、「日本語、フランス語、中国語 (簡体字) ロケールで SunScreen をインストールすると、不要な文字がメッセージ中に表示される (バグ ID: 4336336)」をお読みください。
Solaris Web Start 3.0 のインストールにおいて「製品の選択」画面で、Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Live Upgrade を選択した場合、インストール画面の一部が英語で表示されます。
Live Upgrade を、Solaris 8 2/02 SOFTWARE 2 of 2 CD に含まれている Solaris Web Start 2.1.0 (Solaris_8/EA/installer または Solaris_8/EA/products/Live_Upgrade_1.0/installer) を使用してインストールする場合も、インストール画面の一部が英語で表示されます。
Solaris Web Start 3.0 は、システムにビデオアダプタがあることを検出した場合にはグラフィカルユーザーインタフェースを起動し、そうでない場合にはコマンド行ユーザーインタフェースを起動します。
kdmconfig でウィンドウシステムを構成し、Solaris Web Start 3.0 がグラフィカルユーザーインタフェースで起動されたとしても、ウィンドウシステムの構成が正しくないまたは不完全な場合には、Solaris Web Start 3.0 は途中でインストールを終了してしまうことがあります。
ウィンドウシステムを正しく構成できない可能性がある場合 (たとえば、未サポートのビデオカードがシステムに搭載されているなど) は、kdmconfig で「Bypass」を選択して、明示的にコマンド行インタフェースを起動してください。または、 tip(1) 接続による Solaris Web Start 3.0 のコマンド行インタフェースを使用してください。