名前 | 形式 | 使用条件 | 機能説明 | オプション | リソース | 使用法 | 使用例 | 終了ステータス | ファイル | 関連項目 | 注意事項
JSat8xw
atok8 は Xlib インタフェースを通して使用する日本語入力サーバーです。 atok8 の提供する機能は、その使用方法から次の 2 種類に分類されます。
atok8 が起動されている状態で DeskSet やアプリケーション (「 atok8 のクライアント」と呼ぶ) を起動すると、 クライアントのウィンドウ上で atok8 の入力・変換などの 機能が利用できます。 また、クライアント上の操作で起動されるウィンドウ上での 操作もここに分類されます。
atok8 を起動すると、Motif スタイルのウィンドウが表示されます。 このウィンドウを 「ATOK8 メインウィンドウ」と呼びます。 ATOK8 メインウィンドウ上の操作で起動されるウィンドウ上での 操作もここに分類されます。
クライアント上の操作で利用できる機能は以下のとおりです。
日本語入力サーバーの機能のうち、クライアントとの やりとりを行なったり X ウィンドウシステムを 用いた入出力を行なったりする機能を指します。 XIM とは Xlib インタフェースのうち多国語入力 システムに関する部分を指します。 atok8 は入力スタイルの組み合わせとして以下の 12 通りをサポートします (atok8 の希望する順)。
XIMPreeditCallbacks | XIMStatusArea |
XIMPreeditPosition | XIMStatusArea |
XIMPreeditCallbacks | XIMStatusNothing |
XIMPreeditPosition | XIMStatusNothing |
XIMPreeditArea | XIMStatusArea |
XIMPreeditArea | XIMStatusNothing |
XIMPreeditNothing | XIMStatusArea |
XIMPreeditNothing | XIMStatusNothing |
XIMPreeditCallbacks | XIMStatusCallbacks |
XIMPreeditPosition | XIMStatusCallbacks |
XIMPreeditArea | XIMStatusCallbacks |
XIMPreeditNothing | XIMStatusCallbacks |
また、 atok8 は以下の Ximp イベントフロータイプをサポートします (atok8 の希望する順)。
atok8 は日本語入力に関する情報を、各入力コンテキスト(Input Context) が用意する次の領域またはウィンドウに表示します。
なお、前編集領域、状態表示領域、入力コンテキストに 関しては Xlib API で定義されています。 補助ウィンドウは 1 行の文字列で、その他の前編集に関連する 情報、たとえば複数候補の一括表示や、入力サーバー起動中の入力 モード切り替えのためのメニューなどを表示します。
メッセージウィンドウも 1 行の文字列を表示しますが、こちらは atok8 からのエラーメッセージを表示します。 また、 atok8 は変換オンの状態でキー操作により起動できる ポップアップウィンドウ上での簡単な単語登録機能を用意して います。 このポップアップは典型的な単語登録方法にあわせてつくられて いるため、他の方法での単語登録またはその他の辞書メンテナンス 機能を利用したい場合は、辞書メンテナンスツールや 辞書メンテナンスコマンドを利用してください。
atok8 は 200 バイトの前編集文字列を扱うことができます。この とき、全角文字を 1 文字 2 バイト、半角文字を 1 文字 1 バイトとして計算します。
辞書のパス名は 10 個まで指定でき、そのうち 1 つを基本辞書 として指定します。基本辞書は通常の変換操作を行うときに 使用されます。他の辞書は対応するキーを明示的に操作することで 初めて使用されます。
atok8 は、「辞書」と呼ばれるデータベースを 文法解析や同音異義語情報の入手のために使用します。 ATOK8 用に atok8.dic、 atok8tkj.dic、 atok8you.dic の 3 種類の辞書 が用意されており、これらは最初の atok8 起動時に ディレクトリ $HOME/.atok8 にコピーされます。 atok8.dic は汎用辞書で約 14 万の単語と 50 万の用例を 持っています。初期のサイズは約 2.7 M バイトです。 変換中に以下の情報がこの辞書に蓄えられます。
ユーザーが手動で登録した単語
自動的に登録される単語
今までの編集結果から学習した情報
ユーザーは辞書から単語を削除することもできます。 atok8tkj.dic は使用頻度の低い漢字を持っています。 初期のサイズは約 140 K バイトです。 atok8you.dic は空の辞書で、ユーザーがこの辞書に単語を登録する ことで独自の辞書をつくることができます。 初期のサイズは約 16 K バイトです。 これら 3 つの辞書は、共通の非公開形式に従っており、 それはテキスト形式ではありません。 これらの辞書を編集するには、後述の辞書メンテナンスツールまたは atok8dicm(1) を使用してください。 ATOK8 用 辞書に登録できる単語の制限に関しては、 atok8wordlist(4) の マニュアルページを参照してください。
ATOK8 メインウィンドウ上の操作で利用できる機能は以下のとおりです。
atok8 はカスタマイズ可能な設定項目と、それらを編集するための 環境設定ツールを用意しています。 環境設定ツールは GUI を提供しており、ATOK8 メインウィンドウ上の メニューバーまたはボタンから起動できます。 環境設定の結果は、ユーザーの環境設定ファイル (atok8.ucf) に 保存されます。atok8.ucf は、環境設定ツールでは編集できない設定項目も 含んでいます。それらの項目は、テキストエディタを用いて 手動で編集してください。詳しくは、atok8.ucf(4) のマニュアルページを参照してください。 なお、環境設定ツールで編集できる環境設定項目に関しては、 atok8.ucf ファイル中での指定方法を公開していません。
辞書メンテナンスツールは、ATOK8 メインウィンドウのメニューバー またはボタンから起動できます。 一括処理形式の機能に関しては辞書メンテナンスコマンド atok8dicm でも利用できます。
atok8 が動作するディスプレイを指定します。 デフォルトはシステムによって異なります。 ディスプレイ名の詳細については、X11(7) のマニュアルページ を参照してください。
ATOK8 メインウィンドウの表示色を 指定します。デフォルトはシステムによって異なります。色の詳細については、X11(7) のマニュアルページ を参照してください。
ATOK8 メインウィンドウの背景色を 指定します。デフォルトはシステムによって異なります。色の詳細については、 X11(7) のマニュアルページ を参照してください。
ATOK8 メインウィンドウで使用されるフォントを 指定します。デフォルトは、–sun–gothic–medium–r–normal––16–140–75–75–c–70–jisx0201.1976–0; –sun–gothic–medium–r–normal––16–140–75–75–c–140–jisx0208.1983–0: です。Motif の XmFontList(3X) に定義が記述されています。環境設定ツール、辞書メンテナンスツールの各ウィンドウに対して、この 指定は無効です。
各クライアント用の前編集領域に文字列を描画する際の フォントを指定 します。デフォルトは、–sun–gothic–medium–r–normal––16–140–75–75–c–70–jisx0201.1976–0; –sun–gothic–medium–r–normal––16–140–75–75–c–140–jisx0208.1983–0: です。Motif の XmFontList(3X) に書式の定義が記述されいます。
クライアントから前編集領域用のフォントが指定された場合は、 そのフォントが優先されます。
ATOK8 メインウィンドウの位置を指定します。デフォルトはシステムによって異なります。サイズ情報の指定は無効です。位置の指定方法については、X11(7) のマニュアルページを参照してください。
atok8 をアイコン状態で起動します。 デフォルトはオープン状態です。
mode に以下の 3 つの値のうち、1 つを選んでカラーモードを指定 します。
文字列をモノクロモードで描画します。このモードではユーザーの表示色カスタマイズは 無効になります。
文字列をカラーモードで描画します。このモードでは、ユーザーの表示色カスタマイズが 有効になります。ビジュアルクラスが GrayScale や StaticGray であっても表示色カスタマイズの結果 に基づき描画しようとします。これらのビジュアルクラスの場合、描画色は X サーバー によりグレースケールまたは 2 値画像に変換され、表示されます。
atok8 は自動的にビジュアルを判定します。ビジュアルクラスが GrayScale または StaticGray ビジュアルの場合、または深さが 3 未満の場合は、atok8 は入力 コンテキストのための描画をモノクロモードで行います。それ以外の場合は、カラーモードで 描画します。
このオプションを指定すると、 atok8 はウィンドウマネージャの WM_SAVE_YOURSELF プロトコルに応答しません。 デフォルトは指定なしです。 このオプションは将来のリリースで廃止または変更される 可能性があります。
atok8 が動作するロケールを指定します。ja または同等のロケールだけが指定可能です。デフォルトでは、環境変数で定義されているロケールが使われます。後述の「環境」の項を参照してください。
atok8 に対し次のリソースが設定できます。それぞれのリソースの意味は、「オプション」の対応するコマンド行 オプションと引数の説明を参照してください。
オプション | リソース名 | リソースクラス |
---|---|---|
-fg | foreground | Foreground |
-bg | background | Background |
-fn | fontList | FontList |
-imsfn | imsFontList | ImsFontList |
-fgiconic | initialState | InitialState |
-colormode | colorMode | ColorMode |
-no_wm_command | noWmCommand | NoWmCommand |
-xnllanguage | xnlLanguage | XnlLanguage |
以下のキー操作に関する記述は、デフォルトのキー割り当てに 基づいています。環境設定ツールを用いてキーカスタマイズを行なった場合は、記述と異なるキー操作が必要になります。
atok8 はメニューバーとボタンからなる Motif スタイルの ATOK8 メインウィンドウを作成します。メニューバーは以下のサブメニューと候補を持っています。
環境設定ツールを起動します。起動後についての詳細は、後述の「環境設定ツール」 を参照してください。このアクションを使用すると、マウスカーソルの形状が十字形 (+) になります。atok8 を使用している入力コンテキストを持つウィンドウ上で左 ボタンをクリックします。すると、その入力コンテキストが対象選択され、環境設定ツールは対象入力コンテキストの現在の設定内容で 初期化されて起動されます。(以降、対象入力コンテキストを 持つウィンドウを「対象ウィンドウ」と呼ぶ) 環境設定ツール終了時には、変更を対象ウィンドウだけに限定して適用することもできます。
atok8 を使用している入力コンテキストを持たないウィンドウ、たとえばルートウィンドウ上で左 ボタンをクリック することもできます。この場合ビープ音が鳴り、環境設定ツールは 対象ウィンドウを持たずに起動します。右ボタンをクリックすると環境設定ツールの起動を取り消すことができ、カーソルが元の形状に戻ります。環境設定ツールがすでに起動されている状態でさらに起動操作を行なっても、ビープ音が鳴るだけです。
辞書メンテナンスツールを起動します。詳細は、後述の「辞書 メンテナンスツール」を参照してください。 辞書メンテナンスツールがすでに起動されている状態でさらに このアクションを使用しても、ビープ音が鳴るだけです。
atok8 を終了します。前編集領域の文字列は失われます。
atok8 の起動方法と、入力サーバーとして atok8 を選択する方法についての情報を表示します。
atok8 を用いた日本語入力方法の簡単な説明を表示します。
環境設定ツールの概要と起動方法についての説明を表示します。
辞書メンテナンスツールの概要と起動方法についての説明を 表示します。
ATOK8 メインウィンドウには「環境ツール」、「辞書ツール」と表示された ボタンがあります。これらのボタン上でマウスの左 (BSelect) ボ タンをクリックすると、アクションの「環境ツール」および 「辞書ツール」をそれぞれ選択した場合と同様の動作を行います。
環境設定ツール起動時に対象ウィンドウ (ATOK8 メインウィンドウの 「アクション - 環境ツール」の項を参照) が指定されると、 その対象ウィンドウ用の現在の設定内容で初期化され、ツールが起動されます。対象ウィンドウがない場合は、ユーザーの環境設定ファイルの 内容で初期化されます。環境設定ツールはメニューバーと 6 つのボタンを持つ最上位 ウィンドウを表示します。
メニューバーは以下のサブメニューと候補を持っています。
環境設定ツールを終了します。すでに設定変更が行われている場合、変更内容をどこに反映するかを選択してください。1 つ目の選択は対象ウィンドウへの反映の有無です。候補は以下の 2 つです。
対象ウィンドウに反映する
対象ウィンドウに反映しない
対象ウィンドウがない場合、この選択はできません。 2 つ目の選択は存在する全ウィンドウへの反映の有無です。ここで全ウィンドウとは atok8 を使用しているウィンドウ すべてを指します。候補は以下の 2 つです。
全ウィンドウに反映する
全ウィンドウに反映しない
前者を選択すると、1 つ目の選択は自動的に「対象ウィンドウに 反映する」になります。 3 つ目の選択はユーザーの環境設定ファイルへの保存の有無 です。候補は以下の 2 つです。
ファイルに保存する
ファイルに保存しない
環境設定ツールとその機能についての概要を表示します。各ダイアログ上のヘルプボタンの操作では、各機能に 絞ったヘルプメッセージが表示されます。
次の 6 つのボタンは、環境設定ツールの各機能に対応します。
atok8 は以下の設定可能な入力・変換に関するモードを持っています。
漢字入力モード
入力文字種
漢字変換モード
辞書学習
自動登録
送り仮名
コード体系
句読点モード
「自動登録」以外の各項目は、候補のうち 1 つだけ選択できます。 また、環境設定ファイルを読み込んで内容を初期化し直すこともできます。
atok8 の辞書設定枠 10 個に辞書のパス名を設定できます。また、1 つの辞書 (通常は最も頻繁に用いる辞書) を選択し、基本辞書として位置づけることができます。環境設定ファイルを読み込んで内容を初期化し直すこともできます。
各クライアント用に atok8 の以下の描画属性を設定できます。
表示色(フォアグラウンドカラー)
背景色(バックグラウンドカラー)
下線 (アンダーライン) の有無
描画する文字列の部分や種類ごとに表示色や下線の有無を 指定できます。表示色は、黒・青・赤・紫(magenta)・緑・水色(cyan)・黄・白の 8 色から選択できます。システムデフォルトのカラー標準設定またはモノクロ標準設定で 初期化することもできます。システムデフォルトのモノクロ標準 設定は黒または白、および下線だけを使用しています。また、環境設定ファイルを読み込んで内容を初期化し直すこともできます。
ローマ字からかな への変換テーブルをカスタマイズできます。テーブルは日本語の 5 種類の母音に対応した 5 つの列と、子音に対応する増減可能な行からつくられています。環境設定ファイルを読み込んで内容を初期化し直すこともできます。
モードや目的により異なる各機能に対して、2 つまでの キー操作を結びつけることができます。機能からのカスタマイズでは、ある機能へのキー操作の 結びつきを追加・変更・削除できます。 また、環境設定ファイルを読み込んで内容を初期化し直すこともできます。
以下の点を除き、「機能からのカスタマイズ」と同様です。キーからのカスタマイズでは、現在、あるキー操作に結びつけている機能全部の割り当てを消去したり、他のキー操作に割り当て直したりできます。
辞書メンテナンスツールウィンドウはメニューバーと 8 つのボタンを 持っています。 メニューバーは以下のサブメニューと候補を持っています。
このツールを終了します。
このツールとその機能の概要に関する説明を表示します。各ダイアログ上のヘルプボタンを使用すると各機能に 絞ったヘルプメッセージが表示されます。
次の 8 つのボタンはこのツールの各機能に対応します。
単語を 1 つずつ登録します。 以下のフィールドに値を設定してください。
単語を登録する辞書のパス名
登録する単語の表記
登録する単語の読み
登録する単語の品詞
atok8wordlist(4) 形式の単語ファイルに含まれる 単語を一度に登録します。 以下のフィールドに値を設定してください。
単語を登録する辞書のパス名
単語ファイル名
以下のフィールドも必要に応じて使用できます。
登録されなかった単語の一覧を書き込むファイル名
読みを指定し、検索した同音異義語のうち 1 つまたは複数を 選択し、それらを削除します。以下のフィールドに値を設定してください。
単語の検索・削除を行う対象辞書パス名
検索する読み
以下のフィールドも必要に応じて使用できます。
削除された単語の一覧を書き込むファイル名
検索の条件として、以下の単語種類のうち 1 つまたは複数を指定することができます。
ユーザーが登録した単語
辞書の初期状態から存在するシステム提供の単語
変換中に自動登録された単語
さらに、1 つまたは複数の品詞を検索条件として指定することができます。
ATOK8 が読みとして扱う文字の順序は、決められています。この順序に関しては、 atok8wordlist(4) の日本語ロケールマニュアルページを参照してください。以降、この順序における読みの 範囲を表す場合、「範囲」という表現を使います。
指定した範囲に含まれる読みを持つ単語をまとめて削除します。範囲は開始する単語の読みと終了する単語の読みにより指定します。終了する単語の読みが省略された場合、開始する単語の読みと同一の読みを指定したことになります。開始する単語の読みは省略できません。以下のフィールドに値を設定してください。
単語の検索・削除を行う対象辞書のパス名
開始する単語の読み
終了する単語の読み
以下のフィールドも必要に応じて使用できます。
削除された単語の一覧を書き込むファイル名
単語種類と品詞が検索の条件として指定できます。この場合、指定された範囲に存在し、しかも検索条件に合う単語だけが 削除されます。
atok8wordlist 形式の単語ファイルに記述された単語を辞書からまとめて削除します。以下のフィールドに値を設定してください。
単語の検索・削除を行う対象辞書のパス名
単語ファイル名
以下のフィールドも必要に応じて使用できます。
削除された単語の一覧を書き込むファイル名
辞書に含まれる単語を atok8wordlist 形式 でポップアップウィンドウに表示します。開始する単語の読みと終了する単語の読みで指定された範囲内の 単語だけが表示されます。終了する単語の読みが省略された場合、開始する単語の読みと同一の読みを指定したことになります。開始する単語の読みは省略できません。以下のフィールドに値を設定してください。
単語の検索・削除を行う対象辞書のパス名
開始する単語の読み
終了する単語の読み
以下のフィールドも必要に応じて使用できます。
表示内容を書き込むファイル名
単語種類と品詞が検索の条件として指定できます。 この場合、指定された範囲に存在し、しかも検索条件に合う単語だけが 表示されます。
ある辞書 (読み出し辞書) の内容を他の辞書(書き込み辞書)にマージします。読み出し辞書と書き込み辞書に同じ単語が存在する場合、書き込み辞書に存在する単語が優先されます。以下のフィールドに値を設定してください。
読み出し辞書のパス名
書き込み辞書のパス名
読み出し辞書の内容はマージ処理により変化しません。 以下のフィールドも必要に応じて使用できます。
登録されなかった単語の一覧を書き込むファイル名
両方の辞書に存在する単語もこのファイルに書き込まれます。 品詞が検索の条件として指定できます。 この場合、読み出し辞書だけに存在し、しかも検索条件に合う単語だけが マージされます。
単語登録や削除の繰り返しにより乱雑になった辞書内容を 整理することで、atok8 の辞書アクセス速度を高めます。以下のフィールドに値を設定してください。
内容を整理する辞書のパス名
ここでは、クライアント上の操作で利用できる機能のうち、メニューや ポップアップウィンドウを使った操作やモードの切り換えに関して説明します。この他の入力、変換に関する操作については、「ATOK8 ユーザーズガイド」を参照してください。
「Shift+F10」で起動される総メニューは 10 個の候補を持っており 2 つのページに分かれています。
以下の 5 つの候補を持ちます。上矢印または下矢印キーでページ 2 に移動できます。
かな漢字変換の文法解析と変換に関するモードを設定するために、以下の 3 つの候補からなるサブメニューを表示します。
文節間の関係を考慮して変換します。変換結果を得るためにはキー操作を明示的に行う必要があります。
文節間の関係を考慮しないで変換します。変換結果を得るためにはキー操作を明示的に行う必要があります。
文節間の関係を考慮して変換します。変換結果を得るためにキー操作を明示的に行う必要はありません。入力を続けると、先に入力した部分から自動的に変換されていきます。
ユーザーが入力する文字の種類を設定するために、以下の 2 つの候補からなるサブメニューを表示します。
ローマ字かな変換が有効になります。このモードでは、入力したアルファベットがローマ字として かなに変換され、その結果がかな漢字変換に使われます。
ローマ字かな変換が無効になります。このモードでは、ユーザーはかなキーを用いて入力します。
ユーザーが文字を入力した際に表示される文字の種類を設定するために、以下の 5 つの候補からなるサブメニューを表示します。
入力モードがR漢の場合、ローマ字から変換された かなが全角のひらがなで表示されます。 入力モードがかな漢の場合、入力された かなが全角のひらがなで表示されます。
入力モードがR漢の場合、ローマ字から変換された かなが全角のカタカナで表示されます。入力モードがかな漢の場合、入力された かなが全角のカタカナで表示されます。
入力モードがR漢の場合、ローマ字から変換された かなが半角のカタカナで表示されます。入力モードがかな漢の場合、入力された かなが半角のカタカナで表示されます。
入力モードがR漢でもかな漢でも、アルファベットが入力された場合は全角のアルファベットで表示されます。入力モードがR漢でもかな漢でも、かなが入力された場合は全角のカタカナで表示されます (かなからアルファベットへの変換を行うことはありません)。
入力モードがR漢でもかな漢でも、アルファベットが入力された場合は半角のアルファベットで表示されます。入力モードがR漢でもかな漢でも、かなが入力された場合は半角のカタカナで表示されます (かなからアルファベットへの変換を行うことはありません)。
学習機能の有効・無効を切り替えるために、以下の 2 つの候補 からなるサブメニューを表示します。
atok8 のかな漢字変換部分は、ユーザーの手動操作による 同音異義語の選択結果や文節の区切り変更に関する情報を 学習します。この情報はその後の文法解析や変換において、そのユーザーに とってより望ましい変換結果を生成するために使われます。
学習機能を無効にします。
現在の設定は状態表示文字列の 4 文字中 2 文字目の表示属性に表示されます。
現在基本辞書として設定されている辞書とその辞書が指定されている枠の番号を表示します。他の枠については、上または下矢印キーを使って順に表示できます。辞書のパス名を新たに指定したり、修正したりして設定動作を行うと、その枠にその辞書が設定されます。また、表示されている辞書を基本辞書として設定することも できます。基本辞書は通常の変換操作で使われますが、他の辞書 は各枠に対応するキーを操作した場合に限り使用されます。
以下の 5 つの候補を持ちます。 上矢印または下矢印キーでページ 1 に移動できます。
固定入力モードを選択したり解除したりするために、以下の 6 つの候補からなるサブメニューを表示します。
あ (全角ひらがな)
ア (全角カタカナ)
ア (半角カタカナ)
A(ア) (全角アルファベットまたはカタカナ)
A(ア) (半角アルファベットまたはカタカナ)
候補 1 から 5 までは、入力文字サブメニューの 各候補に相当します。ただし入力文字の場合と異なり、 固定入力の場合、表示された文字は漢字に変換できません。
解除。固定入力モードを解除します。
現在の設定は状態表示文字列の 4 文字中 1 文字目および 2 文字目に表示されます。
句読点や括弧などに関して、 以下の 2 つの候補からなるサブメニューを表示します。
、
。
「
」
・
2. 以下の句読点などを使用します。
,
.
[
]
/
環境設定ツール上では、上で列挙している句読点などについて個別に 1. または 2. のどちらかを設定することもできます。しかし、このメニュー上では、環境設定ツール上での設定にかかわらず、これらの文字は、まとめて 1. または 2. を 選択することだけが可能です。
英字入力を有効または無効にするために、以下の 2 つの候補からなるサブメニューを表示します。
英字入力モードを無効にします。
英字の入力は英字のまま扱われます。全角・半角のどちらの文字が使われるかは入力文字の設定に依存します。
送り仮名の付け方に関する設定のために、以下の 3 つの候補からなるサブメニューを表示します。
内閣告示の「送り仮名の付け方」に基づいて送ります。
本則に対して許容される送り仮名として表記されるもののうち、省略された送り方を使用します。
本則に対して許容される送り仮名として表記されるもののうち、省略されない送り方を使用します。
単語登録ポップアップウィンドウ (ATOK8 Word Register) を起動し、その上で、 辞書設定枠に設定されている辞書へ 1 単語登録できます。以下の「単語登録ポップアップ」の項を参照してください。
「Ctrl+F6」キーを入力するか、または「Shift+F10」メニューの ページ 2 候補 5 番を選択することで単語登録ポップアップを 起動できます。ポップアップは以下のフィールドを持っています。
登録する単語の表記を指定します。このフィールドで変換オンにして文字列を生成する方法と、カット&ペースト機能で他のアプリケーション 上の文字列をコピーして利用する方法のどちらかで文字列を 指定してください。
登録する単語の読みを指定します。このフィールドで変換オンにして文字列を生成する方法と、カット&ペースト機能で他のアプリケーション 上の文字列をコピーして利用する方法のどちらかで文字列を指定してください。
登録する単語の品詞を、7 種類の候補から 1 つ選んで指定します。その他の ATOK8 でサポートされている 26 種類の品詞を指定したい場合、または 1 つの単語に複数の品詞を指定したい場合は、辞書メンテナンスツールを使用して 登録してください。
指定した単語を登録する辞書を選択します。すでに atok8 の辞書設定枠のどれかに設定されている辞書から選択できます。
指定した単語を選択した辞書に登録し、このポップアップを 終了します。
単語登録を中止し、このポップアップを終了します。
総メニューから選択できるモード以外にも atok8 はいくつかの入力モードを用意しています。
F10 キーで他のモードに移行できる点など一部を除き変換オフ状態 を擬似的に実現するモードです。
入力したい文字のコード番号を知っている場合、そのコード番号を 指定して対応する文字を得ることができます。指定できるコード体系は以下の 4 種類です。
JIS
EUC(JIS の EUC 表現)
シフトJIS (MS 漢字コード)
区点 (JIS 文字セット定義表上の区番号・点番号を指定)
このモード中で「Shift+F10」を用いてコード体系 メニューを起動し、上記 4 種類の中から利用したいコード体系を選択することができます。
JIS-X0208 文字セットの一覧表を一部分ずつ表示し、入力したい 文字を選択できます。一度に 10 文字表示され、表示ページを移動することができます。10 文字の候補中フォーカス表示 (デフォルトでは反転表示)されている 文字をリターンキーで選択できます。現在フォーカス表示されている文字のコード番号も表示されます。ここで用いられるコード体系はコード入力モードと共通です。
これはモードではありませんが、希望する文字に近い位置から記号入力モードによる選択を開始できる機能です。JIS-X0208 文字セットのうち、第 2 水準漢字と呼ばれる漢字のグループは漢字が部首により並べられています。希望する漢字の名前を指定して部首変換 (デフォルトでは「Shift+F6」または 「Alt+space」) を行うと記号入力モードに入り、指定した部首を持つ JIS 第 2 水準漢字のうちコード順で先頭の文字が最初のページに 表示されます。選択またはキャンセル後は部首入力前のモードに戻ります。
JIS-X0208 文字セットのうち、第 1 水準漢字と呼ばれる漢字のグループについては、漢字が部首順ではなく読みの 50 音順に 並んでいるため部首入力の意味が異なります。希望する漢字の読みの先頭を 1 文字だけ入力して部首入力操作を行うと記号入力モードに入り、指定した文字で始まる読みの 漢字の先頭の文字が最初のページに表示されます。選択またはキャンセル後は部首入力前のモードに戻ります。
以下の環境変数は atok8 の動作に影響します。
HOME
ユーザーのホームディレクトリ
LANG
, LC_CTYPE
atok8 は LC_CTYPE
カテゴリにロケール ja またはそれと同等な ロケールが指定されている場合に限り動作します。上記の環境変数の使用法に関しては environ(5) を参照して ください。
atok8 は実行中 3 つのプロセスとして存在します。そのうちで、他の 2 つのプロセスの親プロセスになっている のがマスタープロセスです。マスタープロセスの終了ステータスは以下のとおりです。
正常終了
理解できないオプション
X サーバーと接続できない
セレクションを獲得できない
セレクションを失った
その他のエラー
自動復旧の連続失敗
atok8 実行形式バイナリ
環境設定ファイルのマスター。ディレクトリ $HOME/.atok8 にコピーされます。
ATOK7 (Solaris 用) に似たキーバインディングを好むユーザーのための別の環境設定ファイルマスター。
ATOK8 用辞書のマスター。ディレクトリ $HOME/.atok8 にコピーされます。
ATOK8 用単漢字辞書のマスター。ディレクトリ $HOME/.atok8 にコピーされます。
ATOK8 用空辞書のマスター。ディレクトリ $HOME/.atok8 にコピーされます。
ユーザーの環境設定ファイル
atok8dicm(1), atok8migd(1), atok8setup(1), atok8wordlist(4), atok8.ucf(4), environ(5), X11(7), XmFontList(3X)
ATOK8 ユーザーズガイド
Xlib - C Language X Interface
マスター (親) プロセスに SIGTERM を送ると 3 つのプロセスが 正常終了します。
環境設定ファイル atok8.ucf の設定項目のうち、環境設定ツール で編集可能な項目については手動での編集はサポートしません。 atok8.ucf(4) のマニュアルページを参照してください。
非対話形式で使用する場合、GUI を用いない辞書メンテナンス コマンド atok8dicm が提供されています。
ファイル名またはファイル内容に EUC コードセット 3 の文字を含むファイルは取り扱うことができません。
名前 | 形式 | 使用条件 | 機能説明 | オプション | リソース | 使用法 | 使用例 | 終了ステータス | ファイル | 関連項目 | 注意事項