名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用法 | リソース | 関連項目 | 注意事項
Solaris 2.6 から、既存のフォントファイルを編集せずに、ユーザー定義文字フォントファイルを別フォントファイルとして扱えるようになりました。また、日本語環境では、ユーザー定義文字領域が以下のように明確に定義されました。
ja/japanese | 0xf5a1 - 0xfefe | JIS X 0208-1990 85 区 - 94 区 |
0x8ff5a1- 0x8ffefe | JIS X 0212-1990 85 区 - 94 区 |
ja_JP.PCK | 0xf040 - 0xf4fc | JIS X 0208-1990 85 区 - 94 区 |
0xf540 - 0xf9fc | JIS X 0212-1990 85 区 - 94 区 |
ja_JP.UTF–8 | 0xee8080 - 0xefa3bf | Unicode U+E000 - U+F8FF |
sdtudctool は Solaris 共通デスクトップ環境 (以降、 Solaris CDE とします) 上で、 ユーザー定義文字を別フォントファイルとして上記の領域に 登録するツールです。sdtudctool を使用すると、 画面上で使われるすべてのサイズのビットマップフォントに ユーザー定義文字を一括して登録でき、同時にアウトラインフォントにもユーザー定義文字を登録することができます。Solaris CDE 上で作成したフォントは Solaris 2.6 またはそれ以降が動作している OpenWindows 上でも利用できます。
sdtudctool は、ユーザー定義文字を保存するディレクトリが 環境変数 DTUDCFONTPATH に指定されている 場合、そのディレクトリの指定ファイルを編集対象とします。指定されていない場合は、以下のデフォルトディレクトリ にあるフォントファイルを編集対象とします (環境変数 DTUDCFONTPATH が指定されていない、またはディレクトリも存在しない場合は 自動的に作成されます)。
Solaris 2.6 以降のユーザー定義文字に関係するフォントファイルディレクトリ
$HOME/.Xlocale/<locale>/fonts/UDC/
Bitmaps
Type1
CID
$OPENWINHOME/lib/locale/<locale>/X11/fonts/UDC/
Bitmaps
Type1
CID
なお、フォントエディタ (fontedit) またはフォントマネージャ (fontmanager) で登録したユーザー定義文字を再利用する 場合は、各フォントファイルに対して移行作業が必要になります。詳細は、後述の「注意事項」、sdtudc_extract(1)、 sdtudc_convert(1) のマニュアルページおよび、「JFP ユーザーズガイド 」の「フォントの再利用」を参照してください。
sdtudctool で作成したアウトラインのユーザー定義文字は jpostprint(1) で印刷できます。詳細は jpostprint(1) のマニュアルページを参照してください。
sdtudctool を起動すると 最初に表示されるウィンドウです。ユーザー定義文字が利用できる場合は、起動時に自動的に読み込んで表示します。
画面の構成は以下のようになります。
ユーザー定義文字を編集する画面。
ユーザー定義文字を作成するときに参照する文字を 表示する画面。「表示」メニューから「参照」を選択するか、またはツールバー上の右にある「参照」ボタンを押すと、編集画面の右に表示されます。
左下に表示される 2 つの画面。 左にアウトラインでの文字を表示し、右にビットマップでの文字を表示します。
描画の基本的な操作は、編集画面の左にある描画メニューから希望するメニューを選択したあと、編集画面上でマウスのセレクトボタン を押しながらドラッグし、離すことで行います。
ただし、折れ線と多角形の描画は、操作方法が異なります。編集画面上で、 線分の開始地点と終了地点ごとにマウスのセレクトボタンをクリックすると、クリックした場所から新たに線分が 描画されます。線分の最終地点でマウスのセレクトボタンを ダブルクリックして描画を確定します。
次のメニューが提供されています。
自由線を描画します。
直線を描画します。
折れ線を描画します。
多角形を描画します。
四角形を描画します。
円を描画します。
カーソルで指した箇所を消します。ただし、アウトラインモードの 時は選択できないため、削除は編集メニューから選択して行なってください。
編集する範囲の指定をします。編集メニューのコマンドを使う場合は、最初に「範囲指定」で範囲を指定する必要があります。指定された範囲内のオブジェクトはコントロールポイントが小さな 四角形で表示されます。
オブジェクトの移動は、範囲を指定したあと、オブジェクトの中心付近で マウスのセレクトボタンを押しながらドラッグして行います。
その他の編集については後述の「編集」の項目を参照してください。
編集画面で作成した文字を登録する場合に選択します。登録した文字は、一覧表上に表示されます。
編集対象の文字を一覧表上の次の文字にします。
編集対象の文字を一覧表上の前の文字にします。
ツールバーには、以下が表示されます。
編集画面の表示・編集モードをアウトラインモードにします。
編集画面の表示・編集モードをビットマップモードにします。
参照画面を編集画面の右に表示、または表示を削除します。
編集しているフォントファイルに含まれる文字の一覧表を表示します。
メニューバーには、以下が表示されます。
Solaris 2.6 以降のユーザー定義文字に関連する フォントファイルを読み込んで表示します。環境変数 DTUDCFONTPATH が無効な場合は以下のディレクトリのフォントファイルを開きます。
フォントファイルを指定して読み込む場合に使用します。 この場合、作成した文字は別フォントファイルとして保存されず、 直接読み込んだフォントファイルに書き込まれます。
「ユーザー定義文字を開く. . .」で Solaris 2.6 以降のユーザー定義文字に関連するフォントファイルを 読み込んだ場合には、ユーザー定義文字フォントファイル として保存し、ユーザー定義文字を利用するために必要な設定を 行います。
必要な設定は フォントパスの設定およびフォントパスの 保存ですが、設定を省略することもできます。「オプション」 の項目を参照してください。
フォントファイルを直接指定して読み込んだ場合には、読み込んだ フォントファイルに直接反映され、フォントパスの設定およびフォントパスの保存は行いません。
編集した結果を別名のフォントファイルとして保存する場合に利用します。「ユーザー定義文字を開く. . .」で Solaris 2.6 以降のユーザー定義文字に関連するフォントファイルを読み込んだ場合は選択できません。
ユーザー定義文字辞書登録用の中間ユーティリティ、sdtudc_register を起動します。 sdtudc_register の画面には登録したユーザー定義文字が表示され、 必要な情報を入力してユーザー定義文字を辞書に登録できます。詳細は sdtudc_register(1) のマニュアルページを参照してください。
アウトライン編集モード時のグリッドのサイズを指定 します。単位はポイントです。
アウトライン編集モード時に描画位置をグリッド上に合わせる指定をします。
ユーザー定義文字の保存時に、現行セッションのフォントパス の最後にユーザー定義文字を保存したディレクトリを 追加します。詳細は、xset(1) のマニュアルページを参照してください。
ユーザー定義文字の保存時に保存するフォントパスを次のファイルに設定します。
$HOME/.OWfontpath
$OPENWINHOME/lib/locale/<locale>/OWfontpath
ユーザー定義文字を保存する場合、自動生成されるビット マップフォントのサイズを指定します。
sdtudctool を終了します。
編集作業に入る前に描画ボタンの範囲指定を選択し、変更するオブジェクトを選択してください。オブジェクトを選択したあと、オブジェクトの中心付近でマウスのセレクトボタンを 押してドラッグするとオブジェクトを移動できます。
直前の状態に戻ります。
「範囲指定」で選択した領域を切り取り、バッファに取り込みます。
「範囲指定」で選択した領域をバッファに取り込みます。 このあと、ペーストを行うとバッファの内容を編集画面に 描くことができます。
バッファの内容を編集画面に描きます。このあと、ペーストを行うとバッファの内容を編集画面に 描くことができます。
「範囲指定」で選択した領域を削除します。削除された領域はバッファに取り込まれないため、ペーストできません。
編集画面上で「範囲指定」によって選択した領域をマウスのセレクトボタン を押してドラッグすると回転します。
編集画面上で「範囲指定」によって選択した領域をマウスのセレクトボタンを押してドラッグすると斜めになります。
選択されているフォントのパスの方向を逆にします。 sdtudctool では、アウトラインモード時の描画は、非ゼロ巻き数規則 (non–zero winding number rule) で描かれます。パス方向では次のようになります。
自由線、直線、折れ線、多角形
四角形、円
たとえば、白抜きの円を作成する場合、大きな円の中に小さな円を描き、小さな円を範囲指定で選択して「反転」を選ぶと、小さな円のパスが反転し、非ゼロ巻き数規則に基づいて白抜きの円が描画できます。
「範囲指定」で選択した領域の白 / 黒を反転します。
非ゼロ巻き数規則に関しては 『PostScript リファレンス・マニュアル』 (Adobe Systems, Inc.) を参照してください。
アウトライン表示の場合、 アウトラインで囲まれた領域を塗り込みます。 実際にアウトラインのフォントとして表示されるのはこのイメージです。
アウトラインを描画する場合の基準点を表示します。 アウトラインモードでは、1 つのパスが持つすべての コントロールポイントを指定領域に 含んだ場合だけ範囲指定は有効になります。
領域指定の変更 (回転 / 斜めなど) の時に、途中で表示されるイメージの表示方法を指定します。
編集画面上にグリッドを表示します。 アウトラインモードでは、オプションダイアログの 「グリッドのサイズ」によりサイズ変更できます。
参照画面を表示、または表示を削除します。
sdtudctool のマニュアルページが表示されます。
AnswerBook を立ち上げます。
Solaris 外字ツールのバージョン番号を表示します。
フォントファイルに登録されている文字の一覧表を表示します。sdtudctool に読み込んだフォントファイルにどのような文字が登録されて いるか知りたい場合に使用します。
ツールバーには、以下が表示されます。
スライダーを移動して希望するページに移動します。
前ページに移動します。
次ページに移動します。
メニューバーには、以下が表示されます。
一つ前の編集状態に戻ります。
指定されている文字を削除し、バッファに格納します。
指定されている文字をバッファに格納します。
バッファの内容を指定された場所に描画します。
指定されている文字を削除します。
次ページがある場合、 1 ページ進みます。
前ページがある場合、 1 ページ戻ります。
表示されているフォントのサイズを変更します。 ビットマップフォントを読み込んでいる場合はサイズの 変更はできません。
表示されている文字のコード体系を変更します。
ユーザー定義文字を編集する際、参考にしたい文字があるときに使用します。 ユーザー定義文字のエディタのツールバーの左にある 「表示」メニューから「参照」ボタンを 選択すると、文字参照リストウィンドウが表示されます。
ツールバーには、以下が表示されます。
スライダーを移動して希望するページに移動します。
前ページに移動します。
次ページに移動します。
メニューバーには、以下が表示されます。
参照するフォントを指定するファイル選択リストが開きます。 BDF 形式、 PCF 形式、 Type1 形式、 Type3 形式のフォント形式を指定できます。
システムの利用可能なフォントの一覧表を表示します。 フォントを選択すると、参照表に表示されます。
参照表を閉じます。
次ページがある場合、1 ページ進みます。
前ページがある場合、1 ページ戻ります。
表示されているフォントのサイズを変更します。ただし、ビットマップフォントを読み込んでいる場合はサイズの 変更はできません。
表示されている文字のコード体系を変更します。
「Solaris 外字ツール」では、文字のコードポイントの 移動および文字のコピーのために、一覧表上での ドラッグ&ドロップ、一覧表から編集画面へのドラッグ&ドロップ、 参照表から編集画面へのドラッグ&ドロップ、および 参照表から一覧表へのドラッグ&ドロップをサポート しています。 ドラッグ&ドロップを行うには、希望する文字をマウスのアジャストボタンで 選択し、そのまま希望する場所まで文字をドラッグして離します。
「Solaris 外字ツール」を起動するには、アプリケーション・マネージャ の「デスクトップアプリケーション」を開いて「Solaris 外字ツール」を選択するか、端末エミュレータなどで 次のコマンドを入力します。
sun% /usr/dt/bin/sdtudctool |
参照表を開いた時の表示文字を XLFD 名で指定します。デフォルトは –sun–gothic–medium–r–normal––16–140–75–75–c–140–jisx0208.1983–0です。
ユーザー定義文字を保存するビットマップフォントと アウトラインフォントファイルの接頭辞を指定します。デフォルトは UDC です。
この場合、保存するフォントファイル名は次のようになります。
<utUDCPrefix の値><utBDFUDCSize>.pcf
<utUDCPrefix の値><utCIDUDCBase>–<utCIDUDCRange>.ps
たとえば、日本語のデフォルトでは以下のフォントファイルが保存されます。
UDC{12,14,16,24}.pcf
UDC[1–20].pfa
ユーザー定義文字のビットマップフォントのサイズを指定します。デフォルトは 12、14、16、20、24 です。
ユーザー定義文字フォントの Charset Registry を指定します。 デフォルトは sunudcja.1997 です。
ユーザー定義文字フォントの Charset encoding を指定します。デフォルトは 0 です。
ユーザー定義文字を組み込み作成するアウトラインフォント 名の接頭辞です。デフォルトは New です。
ユーザー定義文字を組み込むアウトラインフォント名を指定します。デフォルトは GothicBBB–Medium,Ryumin–Lightです。
ユーザー定義文字を保存するビットマップフォントに対する別名を指定します。デフォルトは –sun–gothic–bold–r–normal–*,\ –sun–gothic–medium–r–normal–*,\ –dt–interface system–medium–r–normal–*–*–*–*–*–m–*,\ –dt–interface user–medium–r–normal–*–*–*–*–*–m–* です。
Solaris 2.5.1 以前の環境で、fontedit、type3creator、fontmanager を使用してユーザー定義文字を登録している場合は、次の方法で移行作業を行なってください。以下の例は、ja ロケールにおける一般ユーザーのデフォルトのユーザー定義文字環境への移行方法です。
fontedit で既存のフォントファイルにユーザー定義文字を登録している場合
sdtudc_extract(1) を使用して、登録済みのユーザー定義文字を、別フォントファイルとして抜き出します。この場合、フォントファイル名は UDC<font_size>.bdf とします。次に、生成されたファイルを保存するディレクトリに移動し、sdtudctool を立ち上げて保存します。
例 : gotm14.pcf に UDC を追加して利用している場合
% sdtudc_extract gotm14.pcf > UDC14.bdf % bdftopcf –o UDC14.pcf UDC14.bdf % mkdir –p ~/.Xlocale/ja/fonts/UDC/Bitmaps % mv UDC14.pcf ~/.Xlocale/ja/fonts/UDC/Bitmaps % /usr/dt/bin/sdtudctool |
type3creator および fontmanager で既存のフォントファイルにユーザー定義文字を登録している場合
sdtudc_extract(1) を使用して登録してあるユーザー定義文字を、別フォントファイルとして抜き出します。次に、生成されたファイルをユーザー定義文字を保存するディレクトリに移動し、 sdtudctool を立ち上げて保存します。
例 : fontmanager で作成した UDC.ps を利用している場合
% sdtudc_extract UDC.ps UDC1.pfa UDC2.pfa . . . % mkdir –p ~/.Xlocale/ja/fonts/UDC/Type1 % mv UDC*.pfa ~/.Xlocale/ja/fonts/UDC/Type1 % /usr/dt/bin/sdtudctool |
なお、詳細については「JFP ユーザーズガイド」を参照してください。