Sun Java Enterprise System 2005Q4 インストールガイド(UNIX 版)

Java ES インストーラのしくみ

Sun JavaTM Enterprise System (Java ES) は、多くの Sun のサーバー側製品を 1 つのソフトウェアシステムに統合し、分散型のエンタープライズアプリケーションのサポートに必要なサーバーソフトウェアを提供します。このマニュアルでは、これらの製品を「Java ES コンポーネント」と呼びます。Java ES コンポーネントをさまざまな組み合わせでインストールするための単一のインストーラが用意されています。これらのコンポーネント間には複雑な相互関係が存在するため、それらをインストールする際には、単一のコンポーネントをインストールする場合よりも多くのインストール前作業やインストール後作業が必要となります。

ここで説明する内容は、次のとおりです。

このリリースで使用される Java ES コンポーネント

2005Q4 リリースに関連付けられた Java ES ソフトウェアに含まれる選択可能なコンポーネントは、次のとおりです。(名前とバージョンの後に、このマニュアル内で使用する省略名を示す。)

Java ES インストーラに表示されるサービスおよびサブコンポーネントの完全な一覧については、付録 A 「このリリースの Java ES コンポーネント」を参照してください。この付録では、今回のリリースで提供する共有コンポーネントの一覧も示します。

インストーラのモード

Java ES インストーラは、Solaris pkgadd、Linux rpm のいずれかのユーティリティーを使ってJava ES ソフトウェアをシステムに転送するためのインストールフレームワークです。Java ES のインストールは、対話的に実行することも、再利用可能なスクリプトを使用して実行することもできます。


ヒント –

ソフトウェアをインストールせずに Java ES インストーラを実行することができます。これは、サイレントインストール用の状態ファイルを作成したり、既存のホスト上の Java ES ソフトウェアを調査したりする場合に便利です。


言語の選択

対話式インストーラは、オペレーティングシステムのロケール設定で指定されている言語で実行されます。次の言語を利用できます。

オペレーティングシステムの言語がこのリストに含まれていない場合、インストーラは英語で実行されます。

インストーラにより、英語版の Java ES のコンポーネントがすべて自動的にインストールされます。さらに、コンポーネントパッケージをリスト内のいずれかの言語でインストールできます。インストールセッションでは、インストールするすべてのコンポーネントに選択した言語が適用されます。ある言語で一部のコンポーネントをインストールし、別の言語でその他のコンポーネントをインストールする場合は、インストーラを複数回実行する必要があります。

Solaris OS 上では、オペレーティングシステムの言語が一覧に含まれていた場合、その言語が自動的にコンポーネントインストール用として選択されます。ただし、別の言語を選択することも可能です。

以前にインストールしたコンポーネントに対し、Java ES インストーラを使用して追加言語パッケージをインストールすることはできません。ただし、pkgadd または rpm ユーティリティーを使用することで、いつでも言語を追加できます。

既存のコンポーネントのチェック

インストール時に、Java ES インストーラは、インストールするホスト上にすでにインストールされているソフトウェアを調べ、次のコンポーネントを識別します。

依存性の確認

コンポーネントの多くは、主要な機能を提供するために、ほかのコンポーネントの存在に依存しています。インストール時に選択したコンポーネントが共同して正常に機能するように、インストーラはコンポーネント間のチェックを広範囲に行います。このため、インストーラは、ユーザーが選択するコンポーネントに応じて、特定のコンポーネントをインストールに含めるよう求められます。

通常、Java ES インストーラは、次の規則を使用して Java ES コンポーネント間の依存性を処理します。

設定オプションとパラメータの設定

Java ES のコンポーネント製品の多くは、インストール時にある程度の設定を行う必要があります。インストール時に実行する設定の範囲は、選択したコンポーネントおよびインストールオプションの種類によって異なります。

インストーラで、次の設定オプションを使用できます。

「共通サーバー設定」は、複数のコンポーネントが使用するパラメータを設定します。たとえば、ほとんどのコンポーネントでは、管理 ID およびパスワードを指定する必要があります。これらの共通の値を設定することで、すべてのコンポーネントの管理 ID とパスワードのデフォルト値を設定できます。「コンポーネント設定」は、特定のコンポーネントに適用するパラメータを設定します。これらの設定は、インストール時に「今すぐ設定」オプションを選択した場合にのみ要求されます。これらの設定の一部は、共通サーバー設定から取り込まれます。

アンインストーラ

Java ES には、Java ES インストーラを使用してローカルホストにインストールしたコンポーネント製品を消去するためのアンインストールプログラムが用意されています。Java ES アンインストーラは、アンインストーラが稼働しているホストで製品の依存関係をチェックし、他の製品への依存が検出された場合は警告メッセージを出力します。

アンインストーラは、グラフィカル、テキストベース、またはサイレントの各モードで実行できます。

Java ES インストールの完了後、アンインストーラは次の場所に格納されています。