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Sun Java Enterprise System 2005Q4 アップグレードガイド 

第 6 章
Web Server

この章では、Web Server を Java ES 2005Q4 (Release 4): Sun Java System Web Server 6.1 SP5 2005Q4 にアップグレードする方法について説明します。

ここでは、Java ES Release 4 でサポートされている各種のアップグレードパスでのアップグレードの問題と手順の概要について説明します。また、Solaris オペレーティングシステムと Linux オペレーティングシステムの両方でのアップグレードを取り上げます。


Web Server のアップグレードの概要

ここでは、Java ES 2005Q4 (Release 4) へのアップグレードに影響する Web Server の次の一般的な側面について説明します。

Java ES Release 4 の Web Server について

Java ES Release 4 バージョンの Web Server では、NSS 共有コンポーネントに依存するセキュリティー修正を含むいくつかのバグ修正が行われています。

詳細については、適切なリリースノートを参照してください。

Web Server のアップグレードロードマップ

表 6-1 は、Web Server の、Java ES Release 4 へのサポートされているアップグレードパスを示しています。この表は Solaris および Linux の両方のオペレーティングシステムに適用されます。

表 6-1 Java ES Release 4: Sun Java System Web Server 6.1 SP5 2005Q4 へのアップグレードパス

Java ES のリリース

Web Server バージョン

一般的な手順

必要な再設定

Release 3

Sun Java System Web Server 6 2005Q1 Update 1 SP 4

直接アップグレード:
パッチを適用することにより実行されます。

なし

Release 2

Sun Java System Web Server 6 2004Q2 Update 1 SP 2
Platform Edition および Enterprise Edition

直接アップグレード:
パッチを適用することにより実行されます。

なし

Release 1

Sun ONE Web Server 6.1 (2003Q4)

直接アップグレードは動作保証なし:
ただし、パッチを適用することにより実行できます。

なし

それ以前の Java ES リリース

 

直接アップグレード不可。

 

Web Server のデータ

次の表は、Web Server ソフトウェアのアップグレードにより影響を受ける可能性のあるデータの種類を示しています。

表 6-2 Web Server のデータの使用法

データの種類

場所

使用法

設定データ

WebServer-base/https-instanceName/config/obj.conf

および同じディレクトリ内のその他のファイル

Web Server インスタンスの設定

互換性の問題

Java ES Release 4 の Web Server では、インタフェースの変更は導入されておらず、以前のバージョンと下位互換性があります。

Web Server 依存関係

Web Server には、Java ES 共有コンポーネントを除くほかの Java ES コンポーネントへの依存関係はありません (表 1-6 を参照)。


Java ES Release 3 からの Web Server のアップグレード

ここでは、Web Server の Java ES 2005Q1 (Release 3) から Java ES 2005Q4 (Release 4) へのアップグレードについて説明します。この節で説明する内容は、次のとおりです。

はじめに

Java ES Release 3 Web Server を Release 4 にアップグレードする場合は、アップグレード処理の次の側面を考慮してください。

Release 3 の Web Server のアップグレード

ここでは、Solaris プラットフォームと Linux プラットフォームの両方で、Web Server の Java ES Release 3 から Java ES Release 4 へのアップグレードを実行する方法について説明します。プラットフォーム固有の手順に依存する項目には、その手順が適用されるオペレーティングシステムが示されています。この節で説明する内容は、次のとおりです。

アップグレード前の作業

Web Server をアップグレードする前に、次に説明されている作業を実行してください。

現在のバージョン情報の確認

Web Server の現在のバージョンは、次のように、-version オプションを使用して Web Server インスタンスサーバーを起動することによって確認できます。

Web Server が依存するコンポーネントのアップグレード

一般的には、コンピュータシステム上 (および、コンピューティング環境内) のすべての Java ES コンポーネントを Java ES Release 4 にアップグレードすることが推奨されます。ただし、Web Server を Release 4 にアップグレードするための必須要件は、Web Server のアップグレードの前に、NSS および NSPR 共有コンポーネントを Release 3 から Release 4 バージョンにアップグレードすることだけです。NSS および NSPR、またはその他の Java ES 共有コンポーネントを Release 4 にアップグレードする手順については、第 2 章「Java ES 共有コンポーネントのアップグレード」で説明しています。

Web Server のデータのバックアップ

Web Server の Release 3 から Release 4 へのアップグレードでは、設定データは変更されません。現在のデータをバックアップする必要はありません。

必要な設定情報とパスワードの入手

現在インストールされているバージョンに関する特別な情報はありません。ただし、アップグレードを実行するには、スーパーユーザーとしてログインする必要があります。

Release 3 の Web Server のアップグレード (Solaris)

ここでは、Web Server のアップグレード手順に影響する注意点を示したあと、その手順自体について説明します。

アップグレードの注意点 (Solaris)

Web Server ソフトウェアの Java ES Release 4 へのアップグレードでは、次の注意点を考慮に入れてください。

アップグレード手順 (Solaris)

ここで説明する手順は、アップグレードを実施するコンピュータにインストールされている同じ Web Server イメージに対応するすべての Web Server インスタンスに適用されます。

  1. 表 6-4 に基づいて、必要なパッチを入手します。
  2. パッチは http://sunsolve.sun.com/pub-cgi/show.pl?target=patches/patch-access から /tmp にダウンロードできます。

  3. root としてログインするか、スーパーユーザーになります。
  4. su -

  5. Web Server および Administration Server の、稼働中のすべてのインスタンスを停止します。
  6. WebServer-base/https-instanceName/stop
    WebServer-base/https-admserv/stop

  7. NSS および NSPR 共有コンポーネントの Release 4 へのアップグレードや、ほかの任意の共有コンポーネントのアップグレードをまだ実行していない場合は、実行します。
  8. 「Web Server が依存するコンポーネントのアップグレード」を参照してください。

  9. 表 6-4 の適切な Web Server パッチを適用します。
  10. patchadd patch_ID

  11. パッチのアップグレードが成功したことを確認します。
  12. showrev -p | grep patch_ID

    この出力では、手順 5 で適用したパッチ ID のバージョンが返されるはずです。

  13. 手順 3 で停止した Web Server インスタンスを再起動します。

Release 3 の Web Server のアップグレード (Linux)

ここでは、Web Server のアップグレード手順に影響する注意点を示したあと、その手順自体について説明します。

アップグレードの注意点 (Linux)

Linux プラットフォームで Web Server ソフトウェアを Java ES Release 4 にアップグレードするときは、Linux の Release 4 アップグレードパッチが Solaris のパッチとは異なる点を除き、Solaris プラットフォームのときと同じ注意点 (「アップグレードの注意点 (Solaris)」を参照) を考慮に入れてください。

Linux OS での Release 4 Web Server のアップグレードパッチを次の表に示します。

表 6-5 Linux で Web Server をアップグレードするためのパッチ1  

説明

パッチ ID と RPM 名

Web Server コア

118202-09

  • sun-webserver-6.1.5-6.i386.rpm

Web Server ローカライズ版

118203-06

  • sun-webserver-Locale-6.1.5-1.i386.rpm

1この表に示されているパッチのリビジョン番号は、Java ES Release 4 にアップグレードするための最低要件です。表に記載されているものよりも新しいリビジョンのパッチが使用可能になった場合は、新しいほうのパッチを使用してください。

アップグレード手順 (Linux)

ここで説明する手順は、アップグレードを実施するコンピュータにインストールされている同じ Web Server イメージに対応するすべての Web Server インスタンスに適用されます。


注意

Linux での Java ES Release 3 から Java ES Release 4 へのアップグレードはロールバックできません。


  1. 表 6-5 のパッチ番号と RPM 名に基づいて、必要なパッチを入手します。この情報を参照して、RPM のバージョン番号を確認してください。
  2. パッチは http://sunsolve.sun.com/pub-cgi/show.pl?target=patches/patch-access から /tmp にダウンロードできます。

  3. root としてログインするか、スーパーユーザーになります。
  4. su -

  5. Web Server および Administration Server の、稼働中のすべてのインスタンスを停止します。
  6. WebServer-base/https-instanceName/stop
    WebServer-base/https-admserv/stop

  7. NSS および NSPR 共有コンポーネントの Release 4 へのアップグレードや、ほかの任意の共有コンポーネントのアップグレードをまだ実行していない場合は、実行します。
  8. 「Web Server が依存するコンポーネントのアップグレード」を参照してください。

  9. 表 6-5 の Web Server の RPM を適用します。
  10. rpm -Fvh sun-webserver-6.1.5-6.i386.rpm

  11. アップグレードが成功したことを確認します。
  12. rpm -q sun-webserver

    RPM の新しいリビジョン番号が返されることを確認します。

  13. 手順 3 で停止した Web Server インスタンスを再起動します。
  14. WebServer-base/https-admserv/start
    WebServer-base/https-instanceName/start

アップグレードの確認

Release 4 への Web Server のアップグレードが成功したかどうかは、次のように、-version オプションを使用して Web Server インスタンスサーバーを起動することによって確認できます。

出力値については、表 6-3 を参照してください。

また、次のログファイル内のエントリをチェックすることによっても確認できます。

アップグレード後の作業

「アップグレード手順 (Solaris)」および「アップグレード手順 (Linux)」で説明している手順以外に、アップグレード後の作業はありません。

アップグレードのロールバック (Solaris)

ここでは、Web Server のアップグレードのロールバック手順に影響する注意点を示したあと、その手順自体について説明します。

ロールバックの注意点 (Solaris)

Web Server の Release 4 へのアップグレードをロールバックするには、Release 4 へのアップグレードと逆の手順を実行します。具体的には、パッチを削除します。

ロールバック手順 (Solaris)
  1. root としてログインするか、スーパーユーザーになります。
  2. su -

  3. Web Server および Administration Server の、稼働中のすべてのインスタンスを停止します。
  4. WebServer-base/https-instancename/stop
    WebServer-base/https-admserv/stop

  5. 表 6-4 のパッチを削除します。
  6. patchrm patch_ID

  7. 手順 2 で停止した Web Server インスタンスを再起動します。


Java ES Release 2 からの Web Server のアップグレード

Java ES 2004Q2 (Release 2) の Web Server から Release 4 にアップグレードする手順は、Release 3 の Web Server を Release 4 にアップグレードする手順とほとんど同じです。ただし、異なる点として、Web Server が依存するすべての共有コンポーネント (表 1-6 を参照) を Release 2 バージョンから Release 4 にアップグレードする作業を、アップグレード前の作業に含めることが推奨されます。

Java ES 共有コンポーネントを Release 4 にアップグレードする手順は、第 2 章「Java ES 共有コンポーネントのアップグレード」で説明されています。

Release 2 Web Server を Release 4 にアップグレードするには、手順に示されている Release 3 をすべて Release 2 に置き換えることを除き、「Java ES Release 3 からの Web Server のアップグレード」の手順をそのまま使用してください。Release 2 から Release 4 へのアップグレードには設定ファイル obj.conf の変更も必要ですが、これは自動的に行われます。



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