Sun Java System Access Manager 7 2005Q4 リリースノート

パフォーマンスチューニングスクリプトの変更

パッチ 5 には、パフォーマンスチューニングスクリプトに対する次の変更が含まれています。

「CR# 6527663: com.sun.identity.log.resolveHostName プロパティーのデフォルト値を true ではなく false にする」も参照してください。

チューニングスクリプトによるパスワードファイルのサポート

パッチ 5 では、チューニングスクリプトのパスワードをテキストファイルで指定できます。従来は、コマンド行引数としてパスワードを入力するしかなく、セキュリティー上の問題がありました。パスワードファイルを使用するには、必要に応じて次の変数をパスワードファイルに設定します。

DS_ADMIN_PASSWORD=DirectoryServer-admin-password
AS_ADMIN_PASSWORD=ApplicationServer8-admin-password

たとえば、Application Server 8 を調整する場合は、次のようにします。

# ./amtune-as8 password-file

password-file には、Application Server 8 の管理者パスワードに設定された AS_ADMIN_PASSWORD が含まれます。

チューニングスクリプトは、Directory Server の ldapmodifyldapsearchdb2index、および dsconf ユーティリティーを呼び出すときに、-j password-file オプションを使用します。

チューニングスクリプトで Directory Server から不要な ACI を削除する

Access Manager 7 2005Q4 がレルムモードでインストールされている場合は、委譲権限を使用してアクセス権が決定されるため、一部の Directory Server ACI が不要です。Access Manager 7 2005Q4 パッチ 5 では、amtune-prepareDSTuner スクリプトを実行することにより、不要な ACI を削除できます。このスクリプトは、remacis.ldif ファイルから ACI のリストを読み取り、ldapmodify ユーティリティーを呼び出してそれらの ACI を削除します。

amtune-prepareDSTuner スクリプトを実行して、Solaris、Linux、HP-UX、および Windows システム上の不要な ACI を削除できます。スクリプトの実行方法を含む詳細は、『Technical Note: Sun Java System Access Manager ACI Guide』を参照してください。

チューニングスクリプトで分散認証 UI サーバー Web コンテナを調整できる

分散認証 UI サーバーを Web コンテナに配備したあと、Access Manager のチューニングスクリプトを実行することにより、Web コンテナを調整できます。次の表に示すチューニングスクリプトは、該当する Web コンテナの JVM やその他のチューニングオプションを設定します。

表 2 Access Manager Web コンテナのチューニングスクリプト

Web コンテナ 

チューニングスクリプト 

amtune-ws61

Web Server 6.1 

amtune-as7

Application Server 7 

amtune-as8

Application Server Enterprise Edition 8.1 

分散認証 UI サーバーの Web コンテナを調整するには、次の手順に従います。

  1. 分散認証 UI サーバーが配備されているシステムには Access Manager サーバーがインストールされていないため、(上の表に示した) 該当する Web コンテナのチューニングスクリプト、amtune-env 設定ファイル、および amtune-utils スクリプトを Access Manager サーバーインストールからコピーします。Solaris または Linux オペレーティングシステムを調整する場合は、amtune-os スクリプトもコピーします。

  2. amtune-env 設定ファイルのパラメータを編集して、Web コンテナとチューニングのオプションを指定します。スクリプトを REVIEW モードで実行するため、amtune-env ファイルに AMTUNE_MODE=REVIEW を設定します。

  3. Web コンテナのチューニングスクリプトを REVIEW モードで実行します。REVIEW モードでは、スクリプトは amtune-env ファイルの値に従ってチューニングによる変更箇所を示しますが、配備に対する実際の変更は行いません。

  4. デバッグログファイルで、推奨されるチューニングを確認します。必要な場合は、この実行結果に基づいて amtune-env ファイルに変更を加えます。

  5. チューニングによる変更を行うため、amtune-env ファイルに AMTUNE_MODE=CHANGE を設定します。

  6. チューニングスクリプトを CHANGE モードで実行し、配備に対してチューニングによる変更を行います。

チューニングスクリプトを実行して Access Manager Web コンテナを調整する方法の詳細は、『Sun Java System Access Manager 7 2005Q4 Performance Tuning Guide』の第 2 章「Access Manager Tuning Scripts」を参照してください。

amtune-os スクリプトだけで Solaris OS と Linux OS の両方を調整する

パッチ 5 には、Solaris OS と Linux OS の両方を調整する amtune-os スクリプトが含まれています。このスクリプトは、uname -s コマンドの結果から OS の種類を判定します。従来の Access Manager には、各 OS を調整するために別々の amtune-os スクリプトが用意されていました。

Solaris 10 のローカルゾーンでもチューニングスクリプトが最後まで実行される

Solaris 10 のローカルゾーンに Access Manager がインストールされている場合は、amtune-os 以外のすべてのチューニングスクリプトをローカルゾーンで実行できます。amtune-os スクリプトは、ローカルゾーンでは警告メッセージを表示し、OS のチューニングを行いません。その後、要求されたほかのチューニングスクリプトの実行を継続します。従来は、ローカルゾーンでは、amtune-os スクリプトは中断し、要求された後続のチューニングスクリプトは実行されませんでした。

Solaris 10 の大域ゾーンでは、amtune スクリプトが実行を要求されたほかのスクリプトとともに amtune-os を呼び出して OS を調整します。

Windows システムで使用できるチューニングスクリプト

パッチ 5 には、Windows システム用のチューニングスクリプトが含まれています。Windows システムでのチューニングスクリプトの実行は、Solaris システムや Linux システムでの実行とほぼ同じですが、次のような違いがあります。

Sun Fire T1000 および T2000 サーバーのチューニングに関する注意点

Access Manager が Sun Fire T1000 または T2000 サーバーにインストールされている場合、パッチ 5 の Web Server 6.1 および Application Server 8 用のチューニングスクリプトは、JVM GC ParallelGCThreads パラメータを 8 に設定します。

-XX:ParallelGCThreads=8

このパラメータは、32 スレッドを実行可能なシステムでは不必要に多い可能性があるガベージコレクションスレッドの数を減らします。ただし、Sun Fire T1000 または T2000 サーバーなどの 32 仮想 CPU マシンで、フルガベージコレクションのアクティビティーが最小限に抑えられている場合は、この値を 16 - 20 まで増やすことができます。

また、CoolThreads テクノロジによる CMT プロセッサを搭載した Solaris SPARC システムでは、/etc/opt/SUNWam/config/AMConfig.properties ファイルの末尾に次のプロパティーを追加することをお勧めします。

com.sun.am.concurrencyRate=value

value のデフォルトは 16 ですが、Sun Fire T1000 または T2000 サーバーのコア数に応じて、このプロパティーをさらに小さい値に設定できます。