Sun Java System Communications Services 6 2005Q4 配備計画ガイド

Directory Server と高可用性

Communications Services の見地からみると、ディレクトリサービスを計画する際の最も重要な要素は可用性です。インフラストラクチャーサービスとして、ディレクトリは認証、アクセス、電子メールのルーティングなどの高レベルのアプリケーションに対して、可能なかぎり継続的なサービスを提供する必要があります。

高可用性を提供する Directory Server の重要な機能は「レプリケーション」です。レプリケーションは、ある Directory Server から別の Directory Server にディレクトリデータを自動的にコピーするメカニズムです。レプリケーションによって、可用性の高いディレクトリサービスを提供し、データを地理的に分散することが可能になります。実際的には、レプリケーションは次の利点を提供します。

下表は、可用性のあるディレクトリを設計する方法を示します。

表 6–1 高可用性 Directory Server の設計

手法 

説明 

シングルマスターレプリケーション 

サプライヤとして機能するサーバーが 1 つまたは複数のコンシューマサーバーにマスターのレプリカを直接コピーします。この構成では、すべてのディレクトリの変更がサプライヤに格納されたマスターのレプリカに対して行われ、コンシューマには読み取り専用のデータのコピーが含まれます。 

双方向、マルチマスターレプリケーション 

同一データの共有を担当する 2 つのサプライヤ間のマルチマスター環境で、2 つのレプリケーションアグリーメントを作成します。サプライヤ A とサプライヤ B がそれぞれ同一データのマスターのレプリカを保持し、このマルチマスター構成のレプリケーションフローを制御する 2 つのレプリケーションアグリーメントが存在します。 

4 方向、マルチマスター 

通常、2 つの独立したデータセンターに Directory Server マスターのペアを提供します。この構成は、レプリケーションに 4 方向、マルチマスターレプリケーション (MMR) を使用します。4 方向マスターフェイルオーバー構成により、この完全に接続されたトポロジがデータの完全性を保証する高可用性ソリューションを提供しています。レプリケーショントポロジのハブとともに使用する場合、負荷分散を容易にし、各データセンターの 4 つのコンシューマが、読み取り (検索) 操作のためにこのトポロジのスケーリングを可能にします。 

Directory Server 用の Sun Cluster エージェント

Sun Cluster ソフトウェアの使用により、ディレクトリの設定に最高水準の可用性が提供されます。アクティブ Directory Server ノードの障害が発生した場合、Sun Cluster はバックアップノードにサービスの透過的なフェイルオーバーを提供します。ただし、クラスタのインストール、設定、保守などの管理 (およびハードウェア) コストは、通常 Directory Server のレプリケーション手法よりも高くなります。 

詳細については、『Sun Java System Directory Server 5 2005Q1 Deployment Plannning Guide』を参照してください。